こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
“有痛性外脛骨”
なかなか痛みがとれない時ありませんか?
患者さんにも多い疾患の1つですが、結構治療がうまくいかないこともあります。
(私がいつも苦戦をしていました)
フォームソティックス・メディカルを導入されている会員の先生でも苦戦するという声があります。
先日このような臨床質問をいただきました。
有痛性外脛骨の痛みがなかなかとれない患者さんがいます。
いろいろ試してみたのですが、舟状骨をリフトして立方骨を絞めるように硬いロイコテープを巻くと、少し痛みは軽減しますが、また動くと痛みが出てしまいます。
【評価所見】
- 舟状骨の低下
- 距骨下関節回内 (間違えやすいですが、距骨下関節の動きの種類は外転、内転、回外、回内です。 踵骨は外反内反という表現があります)
- 下腿外旋
- 後脛骨筋弱化(収縮で疼痛有り)
- 中殿筋、大殿筋の筋力弱化
- ダンスをやる子供
- ヒールレイズのトレーニングでもあまり変わらない(後脛骨筋の収縮痛)
フォームソティックス・メディカルも入れているが、なかなか痛みがとれないです。
何かいい方法はありますでしょうか?
情報の量に関してはさておき、
この情報で自分だったら何をチェックするのか、どうやるのか
というところをお伝えさせていただきました。
皆さんにとってもお役に立てるかなと思いますので、最後まで読んでください。
有痛性外脛骨の治療の流れ
自分ならここを確認するだろうなというところを記載します。
【歩行評価】
- 歩行観察(急激な内方への崩れがないか 背屈制限による代償動作の確認)
- パッドで内側を支えるようなしてみて変化が出るかの確認 (恐らく今回のケースだと痛みがでると思います)
【機能評価】
- 足部の各可動域の確認(大体ここで背屈制限や踵骨、足根骨の動きに制限をみつける)
- 筋力低下の確認(収縮時に痛みがあれば癒着や滑走不良を考える)
- 足趾の動きの確認
【方針決め】
- 後脛骨筋機能不全と足部の可動制限をまず改善するべきと考え、内側の支えは後回し
- 稼働制限があれば優先的に介入して足部の自由化を図る
- 特に後脛骨筋は収縮時に痛みが出るということは滑走不良が起きている可能性があるので、 確認しながらリリースしていく
【徒手療法アプローチ】
- 足根骨のモビリゼーション(各関節の動きの自由化のため)
- ショパール関節は内がえし、リスフラン関節は外返しに誘導
- MTP関節の背屈誘導
【運動療法アプローチ】
- 後脛骨筋の収縮運動はしっかり行い、内側への急激な崩れを抑制させる (下からパッドで支えるだけでは、外脛骨は圧が強すぎて痛みが出る可能性がある)
- 股関節側でのコントロールの確認(臀筋や多裂筋の収縮機能確認)
この様な流れで自分は実施するかなと思います。
特に今回は後脛骨筋機能不全の要素と骨盤帯周囲の機能不全が大きな要因かなと予測します。
ダンスをやっている子とのことで、接地時に疼痛側に偏る傾向があったのではないかと考えます。
(次は歩行動画なども見たいですね)
インソール入れてよくならないなら機能不全と可動域を確認!
私は最初の手段でインソールは用いませんが、パッドで確認はします。
今回はインソールを入れても痛みが出ているとのことなので、
“内側からのサポートでは難しい”ということです。
後脛骨筋機能不全の場合、内側へ急激にアーチが落ちるので、
下からのサポートが強い突き上げの圧になり痛みが出る可能性があります。
硬いロイコテープを巻いて少し痛みは軽減したが、動くと痛いということは、
その他の可動制限や筋機能の低下を疑います。
しっかり筋機能が発揮できて、動きの自由化がとれれば、インソールの効果も発揮しやすいかなと思います。
これは足部の筋力だけでなく、下肢全体の筋力と考えましょう。
臀部の筋力が落ちているということで、
このままでは足部から整えようが歩行時に横方向へのブレが起きる可能性があります。
ご自身でやってみると分かると思いますが、横方向へのブレが起きた時に正しく足関節背屈はできないです。(要するに代償動作が起きてしまう)
なので、骨盤帯周囲の出力強化もしっかりやっていく必要がありますね。
このような臨床質問も日本足病学協会では一緒に考えていきます!
こんな感じでご質問にはお答えさせていただきました。
実際に患者さんを見ているわけでもないですし、もっと情報はあるでしょうが、
少しでも試せそうなことがあればやってみてほしいということで返答しております。
(できるだけためになる返答ができるように私も毎日勉強してます)
一人ではどうしても改善が難しい
他の人の見かたやアイデアを聞きたい
動作から分かることを教えてほしい
など、
臨床現場での悩みがある方は、
是非日本足病学協会の公式LINEからご質問ください!
確実な正解をお答えすることはできませんが、
少しでも患者さんを良くするために一緒に考えていきます。
フォームソティックス・メディカルを導入されているJPA会員限定のものですが、
会員の方は臨床のバックアップ体制がとれていますので、
是非活用してください。
フォームソティックス・メディカルの取扱について
さまざまなインソールを今現在も提供している理学療法士として、あなたに自信をもってオススメできる世界的な医療用矯正インソール【フォームソティックス・メディカル】は、こちらで取扱が可能になります。ぜひ詳細を見てみてください。