こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
前回の記事では
床反力とモーメントについてお話をさせていただきました。
(もしまだ読んでないなら先に前回の記事を読んでからのほうが良いかもしれません。)
床反力もモーメントなどの
いわゆるバイオメカニクスと言われる内容
って
どうしても翌日の臨床に活かしづらいと思いがちです。
私がそうでした・・・
その理由として、
歩行や動きの偏位から、
一体どこに負荷がかかっているのかがわからない・・・
というのが大きくあげられると思います。
結局どこに負荷がかかっているのかなども分からなければ
歩行分析しても
「ただの現象」
として終わってしまいます。
これだとちょっともったいないですよね?
このブログからしばらく各関節のモーメントのクイズを1問ずつ出していきます!
あなたが歩行分析のレベルを上げたいなら、
是非チャレンジしてみてください。
これが全部わかるようになったとき、間違いなく歩行分析からざっくりとでも推測がたてられるようになると思います。
(答えは後半に載せてあるので、すぐに下にスクロールしないように!)
おさらいだけちょっとしておきましょう。
床反力ベクトルが関節中心の真ん中を通る場合はモーメントは発生しませんが、
関節中心よりも
前、後ろ、内側、外側
を通る場合は
その関節中心よりも上に骨が移動し、関節運動が起きようとします。
膝で言えば、
膝関節中心の前方を床反力ベクトルが通るなら、
関節中心の上にある大腿が後方に移動するため、
膝関節伸展が起きようとします。
この原理を知っておけば、なんとなく問題がわかると思います。
(最初なのでわからなくて全然OKです)
ではやってみましょう!
<問題>
関節中心と床反力ベクトルが記された歩行の絵から、これは股関節のどこに負担がかかるでしょうか?
膝や足関節に関しては考えなくて大丈夫です。
今回は股関節だけで考えましょう。
このあたりかなぁ?
なんてなんとなく想像するだけで大丈夫です。
では答えはこちらです
床反力ベクトルのラインが股関節中心よりも前を通っているのはわかりますね。
床反力作用点が前方に移動することで、床反力ベクトルは中央から前方に移動し、股関節中心よりも前方を通ります。
それにより骨盤が移動させられるため、股関節を屈曲方向に向かわせます。(これを股関節屈曲モーメントが働くという)
そのままだともちろん身体はバランスを崩してしまうため、ブレーキとして股関節伸展筋で釣り合わせています。
よって
この写真で股関節のどこに負荷がかかるかは
大殿筋やハムストリングス
ということになります。
基本的に
負荷がかかるのはブレーキをかけている筋組織になりことは憶えておきましょう。
逆に徒手評価にて
大殿筋やハムストリングスの張り感が強いなぁ
大殿筋やハムストリングスに圧痛が結構あるなぁ
というケースの患者さんがいたら、
もしかしたらこういった歩きの偏位があるかもしれないです。
そうなんです!
実はこのモーメントクイズで得られるのは
この動きやモーメントから負荷のかかる筋肉が少しわかるようになること
だけではなく
その筋肉と歩行の関連性がわかることで動作の予測ができるようになること
この2つです!
矢状面だけでの話なので、前額面や水平面など3面3軸でが考えなければいけませんが、
これに慣れるだけで歩行が少しわかるようになると思いますよ。
こんな感じのクイズを出していきますので、次回も是非チャレンジしてみてください。
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