こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
倒立振り子って聞いたことありますか?
ピンとこない人も多いでしょう。
そもそも日常生活に振り子というものがないですよね・・・
それが歩行と一体どんな関係があるのか。
今回はこの倒立振り子という考え方が、
歩行分析において非常に大事である
ということをお話したいと思います。
この倒立振り子がわかることで、
歩行分析で「なにを注意してみなければならないのか」がより明確になると思います。
あなたの歩行分析能力が一段レベルがあるでしょう!
倒立振り子は文字通り、振り子の先端を上に向けた状態のものです。
この動きが歩行の立脚期の動きととても近いのです。
なので、この倒立振り子の動きがわかると歩行もわかりやすくなります。
倒立振り子の考え方で歩行をみる3つのポイント
1.上って下るだけ
倒立振り子というのは、
基本的にジェットコースターのようなものと考えてください。
最初に加速するために最も高いところに上り、そこから下っていきます。
基本的に最も高いところというのは重心が最も高く位置エネルギーが一番大きい状態です。
(高ければ高いほど、速度は増します)
そこから下っていくとジェットコースターが勢いよく下るように、股関節と膝関節が伸展して前に推進します。
なので、倒立振り子というのは、
重心が上って下る
とだけ憶えておけば大丈夫です。
2.大事なのは上り切ること
この倒立振り子の大事なところは
まっすぐ頂点まで上ることです。
歩行でいうと立脚中期(ミッドスタンスといわれているところですね)が頂点に上るタイミングですね。
下肢がまっすぐ伸びて重心が最も高い状態は
下肢へのメカニカルストレス(関節や筋肉にかかる負荷ですね)が最も少ない状態とされています。
そしてそこから股関節と膝関節がまっすぐ伸展し前に推進すれば、もっとも下肢に負担なく前に進むことができます。
3.横ブレしたら上れない
いかに負担をかけずに真っ直ぐ進むか
これが歩行においてはとても重要なことです。
まっすぐ伸びて頂点に上り、そこから下肢の伸展でまっすぐ推進するという倒立振り子という考え方は
もっとも負担をかけない方法の一つになります。
ここで最も重要なことは
まっすぐ頂点に上ること
です
筋力低下、痛み、アライメント不良、様々な要素から、
歩行では横ブレが起きてしまいます。
悪い歩行というのは、簡単に言えば
リズムが崩れていて横ブレが起きる歩行
まっすぐ頂点に上る前に横ブレしたら、基本的には頂点に上がれません。
そして頂点に上がれなければまっすぐ伸展して推進することもできません。
横ブレというのは倒立振り子で考えても良くない動きなのです。
だからこそ、歩行分析で大事なのは
横ブレを探す
ことなのです。
この横ブレをなくしてあげることで、
立脚中期にて、下肢がしっかり伸びて重心が最も高い位置にきます
そうすることで「最も関節や筋肉に負担のかからない歩行」ができるようになります。
倒立振り子は歩行分析において大事な考え方です。
良い歩行というのは、簡単に言えば
エネルギーロスが少なくて横ブレが少ない歩行
横ブレがなければ
重心は立脚中期で必ず一番高い位置にきます。
これは下肢の関節や筋肉への負担(メカニカルストレス)が最も少ない状態です。
逆に言えば、横ブレがあるということは
しっかり上れないので必ずどこかに負担がかかることになります。
だから歩行分析では横ブレを探すことがとても大事なのです。
倒立振り子という考え方はこの良い歩行を実現する上でとても大事な考え方になります。
倒立振り子ってとても難しいイメージですし
なぜこれを覚える必要があるのかわからなかったりします。
ですがここまでわかれば、
なんで知っておくべきなのか
というのが少し理解できたかなと思います。
是非この知識を踏まえて
臨床での歩行分析を実践してみてください。
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