こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
フォームソティックス・メディカルを入れても横ブレが気になる。
そんなケースはありませんか?
歩行評価から崩れが見えるようになることで、
「インソールを入れたりシューズを変える」という選択をよりしやすくなります。
足部評価だけでなく、歩行からも評価ができるようになれば、
インソールやシューズも更に自信をもって展開していけますが、
「インソールを入れてもまだ横ブレが気になる」
なんてことが起きてきます。
「あれ、なんかまだ横ブレがあるなぁ」
「なんか崩れてないか?」
(そんな感じに見えてきたら歩行分析のレベルが上っている証拠ですよ!)
そんなとき、カスタムパーツを入れるべきなのかどうか?
ちょっと迷いますよね?
今回は日本足病学協会会員の先生からのご質問を元に、
ケーススタディとして私の考えをお伝えしていきます。
フォームソティックス・メディカルのカスタムパーツを入れるべきか迷う人は是非最後までお読みください。
インソールを入れても横ブレが残るケース
- 今回のケースは右の外反母趾が強い方。
- 痛みはない状態だがかなり気になるとのこと。
- 歩行時に右に落下するような歩行
(左がしっかり蹴れていない状態)
- FPIは右+5、左+4
- 開張足あり
動画も拝見しましたが、
- 立脚初期には後足部の強い回内は左優位にあり。
- 上部体幹の右方向へのブレが立脚中期にみられます。
- 左立脚後期が早く、右に落下するような歩行
このような歩行でした。
フォームソティックス・メディカルを入れることで動きとしては軽減しましたが、
全体的には残っている印象。
ここでカスタムパーツを入れるかどうか?
ということですね。
原因は左にあり
症状的な意味で気になるのは右の外反母趾ではありますが、
今回特に注目するべき左です。
カスタムパーツをまず試していくとしたら、左から試します。
左には3Dリアフットウェッジ、3Dアーチパッドを追加してアライメントを整えてみます。
これは左足関節の背屈制限を確認したため、その代償として立脚後期が早くなったと考えたためです。
立脚初期の後足部の回内は左も強かったので、
それにより距骨の動きに制限が出て背屈制限に繋がったと考えます。
もちろん徒手的な介入も必要ではありますが、今回はあくまでパーツについて話しますね。
カスタムパーツでより後足部のアライメントを整え、距骨の動きがとれる環境を作ってあげることで、
左立脚期の動きをスムーズにしてあげることが、右への落下するような歩行の防止に繋がります。
もちろん右に関しても開張足があるため、
カスタムパーツで補正してあげることは大事ですが、
まずは右への落下を抑えてからでいいでしょう。
ここで大事なのは、
「蹴れないほうの脚をみること」
になります。
歩行では右に倒れるようなブレがあり、
こういうときは右の立脚期に問題があると考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、歩行は右から左、左から右へと連動して動くものです。
左が蹴れないことで右へ正しい荷重を促すことができなくなります。
今回の相談ではすでに
「左足が蹴れないのではないか?」
という見立ても立てられていました。
↑
正解でございます!
こういった場合は
カスタムパーツで補正してあげて可動域がしっかり出せればカスタムパーツは有効です。
(もちろんその他の静的なテストでの確認もしますよ。)
カスタムパーツも仮説検証作業が大事
フォームソティックス・メディカルのカスタムパーツも
仮説検証作業として積極的に活用して問題ありません。
もちろん徒手療法や運動療法も取り入れられるなら、
そちらで整えてあげることも大事になります。
今回のケースも背屈可動域の確保が大きな要素でした。
ただ、どこを補正したら動きが変わるのかは
正直入れてみないとわからないことが多いです。
私も入れたり外したりを何度も繰り返しています。
そして、入れてみても変わらなかったら
それはカスタムパーツが悪いのではなく
アライメント調整よりも徒手療法や運動療法の優先度が高いと考えればOKです。
今回のケースは
左の後足部のアライメント不良からの立脚期の動きに問題があり、
右へ落下するように接地し、右足部の荷重負荷が強くなることで右優位で外反母趾が強くなった。
というケースでした。
私が現場にいたら
- 徒手療法に背屈可動域の改善
- 股関節伸展の収縮コントロール
- カスタムパーツでのアライメント調整
という流れで介入していたかなと思います。
(実際に現場にいないので想像でしかないですが…)
カスタムパーツを入れるかどうかに関しては
徒手療法、運動療法を行ってからの判断です。
しかし、どのように修正したら動きが変わるのかは知りたいので、
積極的にカスタムパーツは仮貼りして動きの変化を確認します。
使うか使わないかの基準でいえば、「入れてみて動きに変化があれば入れる」になります。
だからこそ、基準に関わる動きを見れるようになることが大事になりますね!
今回とりあげたフォームソティックス・メディカルのカスタムパーツですが、
こちらはJPA中級セミナーの受講後に取扱が可能になります。
フォームソティックス・メディカルだけでは今回のように動きにブレが残るなどの悩みがあれば
カスタムパーツを取り入れることで、
より変化をさせる仮説検証作業のための選択肢が更に増えます。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
また、
今回のようにご自身の現場での臨床のケースで困ったことなどがあれば
是非JPA公式ラインにご相談ください。
「こんな症状があってなかなかうまくいかない」
「この考え方合ってますか?」
「この人の動きがよくわからないから見て」
多くの先生方から現場での疑問を共有いただいています。
特に動作分析に関しては私が可能な範囲でお答え致します。
「え? こんなレベルでも良いのかなぁ?」なんていうレベルでも大歓迎です。
日本足病学協会は、
毎日現場で患者さんに向き合っている先生方を
全力でサポートする態勢を整えています。
いつでもお気軽にご相談くださいませ。