こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
スポーツ選手のコンディショニングや治療も積極的にやっていきたいけど、
何を勉強したら良いかわからない。
そんな相談を受けたりします。
特にスポーツ選手の足部について
「一般の患者さんと比べてどれくらいのレベルが求められるのか?」
これがイマイチわからないからどこまでやればいいのかがわからない。
これは私もスポーツ選手のコンディショニングを始めようと思った時に悩んでいたことです。
確かに身体の本質は一緒ではありますが、
やはりアスリートだからこそ求められるフィジカルレベルはあります。
今でこそ何が必要かはわかりますが、これがある程度理解できていれば、
どんなスポーツ選手が来ても慌てずに自信をもって対応ができるのではないでしょうか?
今回はスポーツ選手の足関節について説明していこうと思います。
「これからスポーツ選手も積極的にみていきたい」
「今みている選手のコンディションをもっと上げたい」
そんな人は是非最後までお読みください。
スポーツ選手の身体的な特徴
オリンピックでの帯同や、プロアスリートのコンディショニングを何年もやってきた結果
評価や治療をしていく中での経験を元にお伝えします。
(あくまで私の現場レベルの話です。)
まずは絶対にはずしてほしくない原則です。
人間がスポーツをするとき、ひいては運動する時
脊柱
↓
肩甲骨、骨盤
↓
四肢
この順番で運動が波及します。
この連鎖や波及が崩れたり小さくなると、最高のパフォーマンスは出せなくなります。
なので、中心部分からエネルギー生産を考える必要があります。
(ここでいうエネルギー生産というのは、力を発揮するということ)
中心部分のエネルギー生産=脊柱 ←背骨が一つ一つしなやかに動く
それをつなぐシステム=肩甲骨、骨盤、四肢の連動性
素早い動きが求められることが多いスポーツでは、
これらを意識的に動かすのではなく、伸張反射で動かしていくことが大事になります。
(脳への運動学習が大事と言われるのはそういうことですね)
筋肉を強くする=スポーツパフォーマンスが良くなる ではないということです。
この原則を理解した上で足部についてお話します。
脛骨荷重による素早い動き出し
スポーツ選手ってなぜあんなに動き出しが早いのか?
それがトップ選手であればなおさら。
動き出しの速さには「どこに体重をかければいいか?」がキーポイントになります。
- つま先荷重では下腿三頭筋が働き→動き出しが遅くなる
- 踵荷重では重心を前方に移動させるのに遅れが出る
- アーチ部分では少し前過ぎてしまう
色々試してみて、脛骨荷重が最も動き出しが速くなりました。
選手の体感的にもこれがもっともハマりました。
最初は脛骨荷重にしようとするとフラフラする感じがします。
ですが、慣れてくると大腿四頭筋の緊張が抜けてハムストリングスや大殿筋が機能するようになってきます。
そしてフラフラする状態から棒を倒すように身体を倒すと余計な力みなく動けるようになります。
これをニュートラルとして、あとは場面によって変えていきます。
ストップ動作や切り返しのときは足趾が使えるほうが安定するのでやや前足部にかけます。
ニュートラルがしっかりしていれば、それを基準に体重をかける場所をかえていけば良いのです。
大事なのはニュートラルを作った上で各方向に場所を変えられる対応力です。
トップ選手は重心移動の対応力がずば抜けて良いです。
アキレス腱周囲が細い
トップ選手のアキレス腱周囲は自然と細いのです。
それはトップ選手で絞られているからだよ!
ではないんです。
足部の末梢で動き出しをコントロールするのは非効率だからです。
スポーツするときの身体の動きの原則は
脊柱
↓
肩甲骨、骨盤
↓
四肢
ですね。
なので、アキレス腱周囲が太いということは、
普段から下腿三頭筋を優位に使っていたり、足部周囲が硬くなっている可能性が高いです。
これは速く動くためには非効率です。
末梢のコントロールよりも、中心部分からの波及をいかに減速させないで末梢に伝えるかが大事です。
特に下腿三頭筋は本当に使いやすい筋肉なので、硬くなりやすいです。
下腿三頭筋が硬くなれば、足関節の背屈制限にも繋がり、歩行時にも横ブレが起きやすくなります。
下腿三頭筋優位となる動きの改善には
- 足部周囲の軟部組織のリリース
- 立位時の体重を脛骨にかける(フラフラする感覚を掴む)
- 動き出しにおいて、脊柱→骨盤→股関節の連鎖を深める →足部メインの動き出しから体幹・股関節に変えていく
これを繰り返していく必要があります。
足関節の底屈と背屈の最大可動域がとれる
これが最も重要なことなんじゃないかと個人的に思うことです。
それだけ足関節に可動域制限がある人が多いです。
最大背屈ができない→低い重心域でのコントロールができない。踏み込めない。
最大底屈ができない→足趾を最大限利用できない。蹴り出しきれない。
深くしゃがむことができないということは、
低い体勢から下腿三頭筋のバネを使って蹴り出すことができません。
サッカーでも、野球でも、バスケでも、
動き出しの素早すを求められるスポーツにおいて、足関節の可動域制限は大問題なのです。
スポーツ選手のコンディショニングをするにあたって、
めっちゃくちゃ特別なことをしているわけではありません。
ただ、どの要素が大事なのかという本質は抑えようとしています。
その上でこの選手のフィジカルの中でこれが足りてないかもしれない。
その足りてないところを改善させて、動ける身体を作ってあげる。
私ができるのはここまでです。
フォームを変えたり、トレーニング内容でこうしたほうが良いなどは言いません。
(それはコーチの役目だから)
コーチが求める動きに応えるためのフィジカルを作ることが治療家やトレーナーの大きな役割です。
今スポーツ選手をみている、これからスポーツ選手もみていきたいなら、
今回の内容、是非チェックしてみてください。
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