こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
足部のアーチ機能ってやっぱり大事だよねぇ
アーチ機能は高めておいたほうが良いよねぇ
そう思う人は多いでしょう。
でもそれだけだとちょっと曖昧ですよね?
実際にあなたはどこまで足部アーチ機能のことを
理解できていますか?
せっかくインソールや歩行分析について学びを深めているのなら、
足部アーチ機能についてもしっかり理解しておきたいですよね!
理解がちょっと怪しいなぁ
そう思ったあなたも安心してください。
今日の記事で改めて足部のアーチ機能について理解をすることができます。
もちろん足部が難しくてなかなか理解が進んでなくても大丈夫です。
明日から足部をみるのが少し楽しくなると思いますよ。
足部アーチは3つです。どこが頂点ですか?
アーチが3つ存在していることなんてのはなんとなく知っていることでしょう。
では、その頂点となる骨がどこなのかはわかりますか?
改めておさらいしておきましょう。
内側縦アーチ:頂点となる骨は舟状骨
外側縦アーチ:頂点となる骨は立方骨
横アーチ:頂点となる骨は第2中足骨、中間楔状骨
アーチをみる時はまずは「どこが頂点なのか」が大事ですね。
内側縦アーチ
構成している筋肉は
- 長腓骨筋
- 後脛骨筋
- 母趾外転筋
- 前脛骨筋
- 長母趾屈筋
- 短母趾屈筋
- 長趾屈筋
メインになるのが後脛骨筋ですね。
(後脛骨筋の機能不全が起きると扁平足に繋がります)
静的な支持機構としては足底腱膜が寄与率79.5%でメインになります。
(バネ靭帯が8%、長短足底靭帯が12.5%)
臨床的な評価としては
Foot Posture Index
がわかりやすいですね。
外側縦アーチ
構成している筋肉は
- 小趾外転筋
- 長短腓骨筋
- 短指屈筋
内側縦アーチが大事というのは扁平足の観点から多くの人が理解していると思いますが、
臨床的には外側縦アーチもかなり大事になります。
外側縦アーチが低下すると…
- 外側荷重になりやすい
- 内反捻挫を起こしやすい
- スポーツにおけるストップ動作で止まりにくくなる
- 外側の圧が強くなる
- 歩行時に外側への動揺が強くなる
どちらから評価するべき?
多くの人は内側縦アーチを先に気にするでしょう。
ですが、先に外側縦アーチから評価しましょう。
なぜなら外側縦アーチが構成されてからはじめて内側縦アーチが機能するからです。
外側縦アーチが低下
↓
5列が相対的に背屈位となり不安定になる
↓
ショパール関節が内転する
↓
内側縦アーチが崩れてくる
という機序があります。
なのに、内側縦アーチに対して外側縦アーチの評価が確立されてないのも事実です。
臨床的に使う内容として、
- 立方骨を足底から触れて明らかに触りやすい
- 立方骨部分に圧痛がある
- 小趾外転筋の硬さが触診でわかる
- 立位で立方骨の下に指を入れると全く抜けない
- 歩行時や片脚立位の時に外側への動揺が大きい
このあたりをチェックしておくと良いでしょう。
横アーチ
構成している筋肉は
- 長腓骨筋
- 母趾内転筋
- 後脛骨筋
横アーチで問題になりやすいのは、
外反母趾や第2-4中足部の負担ですね。
その対策として中足骨のアライメントを整えてアーチを正常化させます。
└パッドを使って微調整させるとやるやすいです。
母趾外転筋周りの軟部組織の癒着や内在筋の筋力低下も関係してきます。
横アーチに関しても評価が確立されていないので、
現場レベルだと、
- 非荷重時にすでにアーチがない
- 中足骨、楔状骨部分を下から押した時にアーチができる
- フットプリントなどで圧を確認する
横アーチの機能改善には以下の地味なトレーニングが最も効果的です。
・カーフレイズ(後脛骨筋、長短腓骨筋、足趾の屈筋群)
・足趾のグーパー(母趾、小趾の外転筋と内転筋)
・タオルギャザー(内在筋)
もちろんインソールでの補整も有効ですが、長期的に考えてこの3つはしっかりやれると良いです。
足部アーチ機能の治療機序
実際に足部アーチ機能をどうやったら高められるのか?
基本的には
アーチは縦、横、内側、外側全てにおいて機能している必要がある。
(どこかが崩れていると他も崩れる)
このことから、外側→横→内側の順番で整えてあげることが大事です。
距骨下関節を固定している軟部組織(下腿三頭筋と足底腱膜、足底の軟部組織)を整える。
↓
ショパール関節が動きやすくなる
↓
小趾外転筋と脂肪組織のリリースとショパール関節の外返しもモビライゼーション
↓
ここまでで内側縦アーチが機能しやすくなってくる
↓
MTP関節の背屈可動域を上げて下腿三頭筋のトレーニング
↓
出力がしやすい環境になったところでインソールで無意識下での促通
インソールを入れるにも、インソールの効果が発揮しやすいようなフィジカルにすることが大事ですね。
徒手的に機能しやすい様な状態にしてインソールを処方することで、
その効果を最大限発揮できるようにします。
もちろんその他の前提条件次第で治療方法は変わりますが、
私が現場レベルで大事にしている流れになります。
- 外側→横→内側の順番で治療する
- 癒着している足部周囲の軟部組織のリリース
- 各関節の可動性(自由度)の確保
- 足趾トレーニング
- インソールでサポート
この5つの流れです。
こうやって見たらシンプルじゃないですか?
(いくらでも細かくすることはできますが、基本的に私はシンプルに考えるようにしています。)
是非明日からの臨床で足部疾患の患者さんのプランニングに役立ててください。
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