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足根管症候群の評価の思わぬ罠とは?

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下肢疾患の中でもたまに現れるケースである

「足根管症候群」

手根管症候群の方が聞き慣れている方は多いかも知れないですが、

足根管症候群も来る確率は十分にあります。

そんな足根管症候群の患者さんが来たとき、

あなたは慌てずに評価ができますか?

ちなみに私は初めて足根管症候群の患者さんを対応したときは

あまりうまく治療を進められずに悔しい思いをしました。

今回は自分の過去のとある罠にハマったケースを紹介しつつ、

足根管症候群の評価についてご紹介したいと思います。

足根管症候群についてあまり知らない人

より多くの下肢疾患に対応できるようになろうという人はぜひ最後までお読みください。

目次

足根管症候群とは?

足根管症候群というのは、

足部の内果周囲を通る脛骨神経が圧迫されることで起こる絞扼性神経障害のことです。

足根管症候群の基本的な症状としては、

踵を除く足底異常感覚が主な訴えとしてあります。

そんな足根管症候群のケースの中でも、

しばらくじっと座っていて、

その後立ち上がり、歩行開始数歩までで足底の前半分の範囲で症状が出現する

というケースがありました。

歩くと症状が軽減してしまうので、

来院するときは自覚症状は特にありませんでした。

しかし、

その時末梢側に目を向けていなかった愚かな私は、

漠然と中枢側の絞扼からではないかと考えて介入したため、症状の改善が十分に得られませんでした。

まさかこれが原因だとは・・・

母趾外転筋による足根管症候群の評価の重要性

圧痛を確認してみると、

他の足底腱膜や母趾内転筋部などの圧痛はないにも関わらず、

母趾外転筋部にだけ強い圧痛がありました。

そこで筋や神経の走行をエコーで確認したところ、

脛骨神経から枝分かれした内側足底趾神経が

ちょうど母趾外転筋の下を通って足底に向かって伸びている部分があるのですが、

その部分の動きが悪くなっていました。

これは超音波エコーでみれば滑りが悪く動きが悪くなっているのはわかりやすいです。

この滑走が悪いところは徒手的にリリース(触診がしっかりできれば組織感リリースなども有効ですね)

を行って滑りを良くすることでかなり改善ができました。

こういったケースは結構あるので、

このあたりの触診や走行についての学びが怪しいなと思った方は是非改めてチェックしてみてください。

エコーの見方などは全然わからないという方は、

エコー画像なども使って細かい初見を教えてくれる「山中塾【実践会】」も是非チェックしてみてくださいね。

足根管症候群の評価チェックポイント

母趾外転筋による足根管症候群の評価のチェックポイントをまとめておきますと

  • 母趾外転筋に圧痛があること
  • 下腿・足根管への圧痛がないこと
  • Morton病の所見がないこと(足部圧迫テストが陰性)
  • 足趾屈筋群の筋力低下があること
  • 足底の異常感覚があること
  • 超音波エコーで神経及び筋の滑走が悪くなっていること

足部は細かいので

他の評価とも合わせて実施しないとどこが原因かがわからなくなります。

もちろん超音波エコーがあれば早いですが、

ない方はチェックポイントを確認してみてください。

脛骨神経は、

深部後方筋区画では後脛骨動脈とともに神経血管束として末梢へ続き、

深層の屈筋腱とともに足根管を通過して足底に出ていきます。

足根管は、

屋根に当たる屈筋支帯、後脛骨筋腱及び長趾屈筋、長母趾屈筋で構成するトンネルを指し、

この狭いトンネルで血管や神経が接触していることが病態とも関わりがあると言われていますし、

多くの治療家がこのように理解をしています。

(私もそうでした)

だから今回のように気づけなかったというのもありますが・・・

今回のケースはそれよりも遠位で生じた母趾外転筋での絞扼性障害です。

脛骨神経から枝分かれした内側足底趾神経は

母趾外転筋を通過する過程で筋枝と総底趾神経へと分かれていきます。

この部位での絞扼は足底の感覚障害や屈筋群の運動障害を引き起こす可能性があります。

研究レベルで言えば

骨折などの外傷後に免荷期間が長かったり、

外傷の影響で母趾外転筋に拘縮が起こることで

内側足底趾神経領域の障害を生じた報告があります。

母趾外転筋、下腿深屈筋膜の緊張が高まると、

絞扼性障害として支配神経領域である足底や踵部の痺れや疼痛が発生するとも言われています。

目立った外傷だけをみるだけでなく、生活の中での習慣や動作の中で、

もし「これ母趾外転筋あたりにも負荷かかってそうだなぁ」という要素があれば、

母趾外転筋による足根管症候群も疑って評価してみてください。

あとは実際にどのようなアプローチをすれば良いのか?

インソールは足根管症候群改善の大きな武器になる

今回のように症状が出た場合には

もちろん滑走不良が出ている部位に対してのリリースなどの徒手療法が必要になりますが、

・母趾外転筋が機能できていること

・足趾全体が機能できていること

・後足部のアライメントが整っていること

これらがとても大事になります。

徒手療法に加えて効率よく促通させるなら、インソールはとても有効です。

特にフォームソティックス・メディカルは、

足趾の機能促通、後足部のアライメント修正に非常に適したインソールです。

私も徒手療法で症状が軽減した患者さんには

インソールを入れてアライメントの抑制と足趾の機能促通を行っています。

緩めて癒着をとるのももちろん必要ですが、

それだけではまた戻ってしまう可能性があります。

そのために足趾が機能できて後足部が崩れにくい環境にしてあげることは、

できるだけ良いコンディションでいてもらうために重要なことです。

もし、足根管症候群に悩む患者さんがいたら、

是非試してみてください。

無料トライアルも開始したので、

ちょっとでも気になったらまずは試してみてください!

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