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立脚後半の足関節背屈制限の謎

立脚後期の動きの写真
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徒手による足関節背屈制限は解決できたのに
何故か歩行では立脚後期に足関節の背屈がうまく出ずにブレてしまう。
なんででしょうか?

立脚期の後半の蹴り出しの際には足関節が背屈しないと重心を前に移動できません。

徒手で関節可動域を改善させれば歩行時の動きも改善するのではないか!?

と思いきや、後半に重心移動がスムーズにできず横ブレが発生してしまう。

実は結構多いケースで、よく相談もされることなので、

今回は「立脚時の足関節背屈制限の謎」について解明していきたいと思います。

可動域の改善させたのに歩かせると動かないなぁと悩む方

歩行時の崩れの原因対策を1つでも増やしたい方

ぜひ最後までお読みください。

目次

起こりやすい疾患は足底腱膜炎やリスフラン関節症など

現場レベルで一番多いなと感じるのが、足底腱膜炎やリスフラン関節症の患者様。

歩行の立脚後期に痛みが出るケースが多く、足関節背屈制限であることも多いです。

足関節背屈制限に関しては、

  • アキレス腱、下腿三頭筋の柔軟性低下
  • 後足部の過回内
  • 距骨の後方滑走の制限
  • 皮膚の滑走制限

などがあるでしょう。

このあたりは、徒手療法で可動性や滑走性を改善できますし、

後足部の過回内はフォームソティックス・メディカルなどのインソールで修正することができます。

今回相談いただいたケースも

リスフラン関節捻挫という診断で、初期の疼痛や腫脹は改善されたものの、

徒手的には足関節背屈制限改善したのに歩行になるとうまく出ない。

という感じです。

OKCの背屈制限は改善傾向にある

しかし荷重した時のCKCの背屈には制限があるとのこと。

ここから考えると、

背屈制限の原因は他にあるのではないかと考えます。

ポイントは脛腓間のアライメント

歩行動画やアライメント写真を送っていただいていたので、

そこから分かる範囲で予測していたのですが、

今回はその中でも気になった点、脛腓間のアライメントから考えていきます。

どこが気になったかというと

外果の位置です!

脛骨の延長である内果に対して、腓骨の延長である外果のポジションはやや下方にあります。

しかし、この距離の差が左右で大きく違ったのです。

「腓骨が下制しすぎている」という状態ですね。

これはなにを意味するかというと、

腓骨を下から支えてくれている筋肉の1つが長腓骨筋ですね。

この長腓骨筋の張力が低下すると、腓骨が下制してしまいます。

腓骨が下制してしまうと、

脛腓間のアライメントが崩れるので、その中を通る距骨の動きが悪くなります。

距骨の動きが悪くなるということは、足関節背屈制限が起きるということになります。

特に腓骨が下制し易いタイミングは、やはり荷重時です。

骨盤を支える多裂筋から張力が低下していると、

付着するハムストリングスの張力が低下し、

さらにそこに付着する長腓骨筋の張力が低下する。

意外と徒手的にOKCで背屈させると動くのに、

荷重した時にうまく背屈できないときはこういう状態を疑います。

まだ仮説の状態なので、

実際にそれが合っているのか検証する場合は

ハムストリングスの出力促通をさせて、付着する長腓骨筋の張力を上げてみることです。

(なぜハムストリングスかというと、出力させやすいからです)

これで長腓骨筋の張力が上がるので、外果の位置も変化します。

これでもう一度歩いてみて荷重時の背屈の動きが変化したり、立脚の後半に出ていた横ブレが軽減していたら

脛腓間のアライメントの問題だったと考えられます。

もちろん歩行やアライメントから

  • 立方骨の低下もあるのではないか?
  • 横ブレは股関節外転筋の問題か?
  • 足根骨の可動制限やアーチの低下もあるのではないか?

なども考えられます。

これらも検証していく必要があります。

違っていたら別を試します。

今回は仮説検証作業のアクションの1つとして

「脛腓間のアライメントの改善をしたら背屈制限が変わるのではないか?」

という見立てでやってみただけです。

なぜなら結構多いケースだから。

是非明日から足部疾患で悩んでいる患者さんに背屈制限がありましたら、

脛腓間のアライメントもチェックしてみてください。

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