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ビジュアルで学ぶ足根管症候群

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「先生、足の裏が痺れるんです」

こんな風に患者さんから言われたことありませんか?

思い出すと、私もよく同じような内容の相談を患者さんからされた記憶があります。

足部を学ぶ前は、

「腰の問題かな?」

くらいしか考えていませんでした。

でも足の裏が痺れるなら、足に問題があることも当然選択肢として考えなきゃいけないですよね。

今日は、足底に痺れや痛みを感じる疾患である、足根管症候群についてイラストや動画を用いて解説していきます。

目次

足根管とは

まずは足根管の解剖から解説します。

足根管とは、内果踵骨の間であり、屈筋支帯(くっきんしたい)と呼ばれる強い繊維性のバンドがこのトンネルの屋根の役割を果たしています。

そして、足根管には、以下の重要な組織が通っています。

・後脛骨筋 Tibialis posterior 
・長趾屈筋 flexor Digitorum longus
・後脛骨動脈  Posterior Tibial Artery
・脛骨神経 Tibial Nerve
・長母趾屈筋flexor Hallucis longus


そして、これらの組織がどのように位置しているかの覚え方があります。

「Tom ,Dick,an Harry」
※英語で「誰でも」「ありふれた人々」を意味する

これは組織が腹側から背側へ通過する順番の英語の頭文字をとったものです。

単純に覚えるよりは、覚えやすいかもしれません。

1つの覚え方の参考にしてください。

脛骨神経の走行と支配領域

ここで脛骨神経の走行と支配領域を確認しておきましょう。

この部分が理解できていると、どの位置にどのような障害が起きるか、また何が原因で神経が絞扼する可能性があるかがわかります。

足根管症候群とは


足根管症候群は、足根管内における後脛骨神経とその枝の圧迫によって起こる神経障害です。


これは他の圧迫性神経障害と比較して発生率は低いものの、しばしば過小診断されたり、足底筋膜炎と誤診されたりします。

主な症状
・足首の内側の痛み
・足の裏への痛みの放散
・足の裏の感覚異常
・錯感覚
・しびれ
・チクチクする痛み
・灼熱痛

足根管症候群の原因


足根管症候群の原因は内因性と外因性に分けられます。

外因性
足首の骨折や捻挫の後遺症
足の変形(扁平足、内反足、外反足)
肥満
全身性疾患(関節リウマチ、変形性関節症、高脂血症、糖尿病)など

内因性
神経周囲線維症
神経外ガングリオン嚢胞
長母趾屈筋腱の痛風結節性腱炎
骨棘
屈筋支帯の肥厚
踵骨骨軟骨腫
脂肪腫やその他の腫瘍
腱や副筋
血管奇形

ここでは、扁平足によって足根管症候群が起こるイメージを動画で見てみましょう。

足根管症候群の治療


足根管症候群の治療は大きく分けて、保存的な治療と外科的な治療に分けられます。

外科的な治療
足根管症候群の手術適応は、保存的治療の失敗と、絞扼の原因が明確に特定された場合です。このような状況下では、結果は通常良好です。
外科的治療では、内果近くの近位付着部から距骨載距突起までの屈筋支帯を切開し、後脛骨神経の末梢枝の圧迫を解消するために、外転母趾筋の深筋膜を切開します。

保存的な治療
活動の変更
鎮痛剤
理学療法
矯正靴、インソール

基本的には保存療法が第1選択肢として考えられることが多いようです。

患者さんと適切なコミュニケーションをとって、活動の内容を変更をする。

後脛骨筋の筋力強化をする。

靴やインソールを処方する。

こういった対応が私たちの取るべき、重要なポイントになりますね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

足根管症候群のイメージがビジュアルで理解できたのではないかなと思います。

もし、患者さんから「足の裏が痺れる」という相談があったら、足根管症候群を1つの可能性として考えてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

今回は脛骨神経をピックアップしましたが、もし足関節・足部に関係するすべての神経をビジュアルでわかりやすくみたいという方はこちらも確認してみてください!
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