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足底腱膜炎の痛みの由来

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「足底腱膜炎、痛みのとり方がよくわからない」

「ストレッチだけじゃなかなか変わらない」

「足底の痛みと言ってもどこ由来かわからない」

こういった相談を最近もよく受けるのですが

足底腱膜炎は整形外科や整骨院・接骨院でもたくさん経験する疾患の一つです。

もちろん疾患としての全体像はある程度はみんな把握できているでしょうが
実はその痛みの発生機序によってアプローチ方法は大きく変わります。

当時私はそれも知らずに
足底腱膜炎=これ!
というようなアプローチばかりしていました。

もちろんそれで良くなるケースも奇跡的にありますが、

多くの患者さんは
ダイレクトにその痛みの由来へのアプローチができておらず
痛みが長く続いてしまうこともありました。(お恥ずかしい限りです・・・)

やはりここで大事になってくるのが、解剖学ですね!

解剖学とその機能についてしっかり理解しておけば
評価する際の視点や選択肢が広がり、一辺倒なアプローチではなく
より個別性の高いアプローチができます。

今まで足底腱膜炎について深く勉強してこれなかった
でもこれからもっと足部疾患の患者さんを良くしていきたい!

そんな人にはこの記事はお役に立てると思います。

今回は

足底腱膜炎の痛みの由来を 解剖学を紐解きながら説明していきます!

ぜひ最後までお読みください!

目次

足底腱膜の構造と機能

まずは足底腱膜の構造について改めておさらいしましょう!

一般的に足底腱膜といった場合には
足底腱膜の浅葉を指しています。

足底腱膜浅葉のうち、母趾外転筋を覆う部分と小趾外転筋を覆う部分は比較的薄く、

母趾外転筋と短趾屈筋の間、小趾外転筋と短指屈筋の間は それぞれ内側筋間中隔、外側筋間中隔となり、
内側足底動脈・静脈・神経 外側足底動脈・静脈・神経 が走行しています。

足底腱膜は

荷重負荷に対して足部アーチを保持する役割をもち、
立位時に足部に加わる荷重の1/2は踵部へ伝達されるため、
踵骨付着部の足底腱膜は前足部よりも厚い構造をしています。

そこから広がった足底腱膜は
中足骨頭付近で5束に分離し、中足趾節関節の高さで2束に分かれ、
底側靭帯と基節骨に付着します。

めちゃくちゃ細かいです・・・

これを一つ一つ暗記するのは難しいですよね。
余裕があればやってくださいね。しn

大事なのは、

これらの細かい機構により

足趾を伸展させると、足底腱膜の前方部分は遠位側に滑走し、
足底腱膜の緊張が高くなることで、前足部の剛性が高まるのがウインドラス機構であるということです。

歩行時の立脚後期の蹴り出しにおいて
前足部の剛性を高め、しっかりと床面を蹴り出すためには 足底腱膜の緊張が不可欠になります!

足底腱膜炎の痛みの発生機序

足底腱膜炎では踵部の疼痛が多いので

もちろんそこへのアプローチが大事になるのですが

実はその痛みには解剖学的に種類があります。

①足底腱膜由来

②脛骨神経由来

③踵骨下脂肪体由来

この3つがあるのです!

もちろん私は足部の勉強を深めようとした際に

「え、そんなに種類があるの?! 同じだと思ってた・・・」

というような感じでした・・・

「そんなの当たり前のことじゃん!」

って思った方、すんません・・・

ということで

まずはこの3つの由来とその機序についてお話します。

<足底腱膜由来>

足底腱膜は歩行や走行で繰り返される荷重負荷に対して

足部アーチを保持するために緊張します。

特に前足部で蹴り出す際にはウインドラス機構が機能し、

足底腱膜には強い牽引力がかかります。

ここまではなんとなくイメージができますよね?

足底腱膜の踵骨付着部は

組織学的には線維軟骨性付着部と言われています。

線維軟骨性付着部は、靭帯・腱からの強い牽引力が生じる場所に存在し

付着部への牽引力を抑えてくれる機能があります。

しかし

歩行や走行によって

踵骨付着部に繰り返し強い牽引力がかかり続け

線維軟骨性付着部に損傷が生じることで

結果として踵骨付着部に疼痛が生じるのです。

これは一番イメージしやすい足底腱膜炎の症状の機序になると思います。

<脛骨神経由来>

脛骨神経は

坐骨神経から分岐し、ヒラメ筋腱弓の深層を通過し内果に向かって下行

そこから内側・外側足底神経、内側踵骨枝に分岐します。

つまり、脛骨神経は足根管内部で足底を支配する3つの神経に分岐しているということになります。

足底の知覚はこの3つの神経によって支配されているため、

足根管で脛骨神経が絞扼されると

足底に疼痛としびれ感が出現することになります。

これを足根管症候群と良いますね。

しかし!

あなたもお気づきかもしれないが

足根管症候群は、踵部を含まない足底内側に症状が出ることが最も多い疾患です。

踵部痛に当てはまらないじゃないか!

と思われるかもしれません。

(私はそれにすら気づいておりませんでした・・・)

ただ、それに次いで2番目に多い疼痛の領域として

足底面全体と踵部を含んだ足部内側領域と言われています。

なので疼痛部位が異なるのです!

それもそのはず、脛骨神経からの分岐がいくつもあるので、

足根管部でも症状が出やすい神経と出にくい神経があるということですね。

なので

Tinel sign

という内果後方への圧迫で放散痛が出るかの確認をして

脛骨神経領域かどうかをチェックすることは大事になります!

<踵骨下脂肪体由来>

最後は踵骨下脂肪体になります。

これは膠原線維が蜂の巣状になっており、その蜂の巣の小部屋に脂肪が詰まっている感じです。

そのため、荷重が加わっても脂肪が荷重の加わっていない部分に移動することなく荷重応力を緩衝してくれます。

この踵骨下脂肪体は加齢によって柔軟性が低下します。

また、足底腱膜炎に限らず踵部に疼痛を訴える症例においては、

踵骨下脂肪体の柔軟性が低下していることが知られています。

若年者の慢性的な足底腱膜炎の症例では

踵骨下脂肪体の厚みが薄くなってしまうことも知られています。

これはエコーなどで確認する必要があるかもしれませんが

運動療法を実施する際には厚みや柔軟性を考慮する必要もあります。

この3つが踵骨部での疼痛の種類になります。

それぞれ痛みの出どころが全然違うので

どこに痛みが出るのかを評価した上でアプローチすることが大事ですね。

なんで内側縦アーチを挙げると疼痛が軽減するの?

足底腱膜炎は内側縦アーチを修正すると症状が軽減するケースを多く経験しますが

そもそもなんで内側縦アーチを挙げると症状が軽減するのか?

これは後足部回内を抑制する理由としても、 なぜ?なんで?を説明できるようにするために必要なことです。

理由は大きく2つあります。

①荷重時における足部内側縦アーチの挙動

②小趾球荷重への対応

①荷重時における足部内側縦アーチの挙動

静止立位において重心線は内果の前方を通ります。

そのため、距骨より後方に位置する踵骨には底屈モーメントが発生し、
舟状骨・立方骨より遠位の部位には背屈モーメントが発生します。
(ここはモーメントの話になりますね)

そのモーメントを制動するためには
各関節の可動性が重要になるのです。

最近の足部の各関節の運動を評価した研究では
距舟関節や楔舟関節の挙動が重要視されているそうです。
そのため、舟状骨や楔状骨に付着する後脛骨筋がキーになります。

距舟関節を制動する靭帯としては底側踵舟靭帯(バネ靭帯っていわれてるやつですね)
やこのバネ靭帯と連続する内側側副靭帯が重要になります。

内側縦アーチを挙げることで、各関節が適正位置になることで
モーメントを制動しやすい可動性を獲得できます。

②小趾球荷重への対応

荷重位で背屈運動を行うと
距骨が過度に前内側へ移動し、距舟関節が外転位となるケースがあります。
こういった症例に対して内側縦アーチを上げてしまうと
距舟関節が内転位となり、小趾球荷重で不安定性が上がります。

小趾球荷重でのスポーツ動作は足関節捻挫を引き起こしやすいため、
足部を外がえしさせて母趾球荷重させようと代償する戦略を取ることもあります。

これが続くと、
母趾の底屈作用がある短母指屈筋や長母趾屈筋の短縮が生じます。

特に長母趾屈筋は距腿関節の後内側を通過するため、
足関節背屈時の距骨の後方への滑り込みを制限します。

上記から

足部アーチの低下に対して
筋力トレーニングで終わらせるのではなく、各部の可動性を評価し、
可動性の低下した部分に対してそれを高めるアプローチを行う必要があります。

short foot exerciseなどの足部内在筋のトレーニングや、
後脛骨筋のトレーニングが大事とこの足病学ブログでもお伝えをしてきましたが

これらを行うだけでなく

長母趾屈筋や短母趾屈筋の伸張性も上げていく必要がありますね!

発生由来ごとのアプローチ方法の考え方

<足底腱膜由来>

これは一番ベーシックな考え方になりますが
足底腱膜に対する過度な伸張力が問題になるので
足底腱膜の柔軟性を高めるストレッチングが最も有効になります。

また、アキレス腱(腓腹筋やヒラメ筋)及び短指屈筋などの足底腱膜に付着する筋肉の柔軟性の改善も、
足底腱膜への張力を弱めるのに有効です。

<脛骨神経由来>

絞扼部位における神経の可動性を維持することと、脛骨神経全体の滑走性を高めることが必要です。

最も多いのが足根管で、
長趾屈筋と長母趾屈筋、後脛骨動脈の間で滑走不良が生じることがあります。

後足部のリアライメントで内側縦アーチの支持により
アーチ支持筋としての母趾外転筋の負荷が減り、筋緊張が低下するため絞扼の緩和に繋がります。

<踵骨下脂肪体由来>

脂肪体の硬度を下げるための徒手療法などが有効になります。

踵骨下脂肪体は荷重によって内外側や前後に拡がりながら厚さが薄くなっていきます。
過度に拡がらないようにアライメントを整える必要があります。

以上を踏まえた上で適切なアプローチ方法を選択していきましょう!

インソールは足底腱膜炎に有効なのか?

これはもちろん有効です!

もちろん徒手療法や運動療法で滑走性や可動性を出すことがまず大事になります。

ですがどの由来においても

筋肉に過度な負担をかけない環境を作ること

張力がかかりすぎない、筋緊張が上がらない状態にすること

そのためにインソールによって正しく機能しやすい環境を作ってあげることは非常に重要です。

なぜインソールを入れると足底腱膜炎の症状が低下するのかは
こういった機序から考えることができます。

特に医療用矯正インソールであるフォームソティックス・メディカル
後足部のリアライメントと内側縦アーチの支持が非常に優秀なインソールの1つです!

筋肉や神経の滑走性の向上
筋肉の過度な緊張の抑制
重心位置のコントロール

これらによって負担のかかりにくい状態に導くことができるのです。

是非明日から

足底腱膜炎で悩んでいる患者さんがいる場合は
どの由来の症状なのかを評価し
そのうえで改善させうための徒手療法や運動療法を選択しましょう。

そして最後に良い状態を保つために、インソールは積極的に使っていきましょう!

まだフォームソティックス・メディカルを使ったことがない方!
是非トライアルを試してみてください!

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