「可動域はある程度あるけど、接地時に曲げると痛い」
「膝関節がうまく伸展できない」
「まだknee-inの動きが残ってしまう」
膝疾患の患者さんを対応していると
こういったケースは出てきませんか?
一見可動域もある程度出せてるように感じるけど
実際歩行時やランジでknee-inが出たり膝痛が出たりとなかなか症状を減らすことができない。
私も新人の頃大変でした・・・
今思うとこれを知っているだけでもっと早く解決できた患者さんはたくさんいたんじゃないかなと思ってます。
(当時の患者さんごめんなさい・・・)
そんな変形性股関節症をはじめとした膝関節疾患の患者さんをみていると
下腿が外旋しているケースは多くありませんか?
私も整形外科で臨床をしているときから非常に多く見るケースでした。
むしろ変形性股関節症や半月板損傷、腸脛靭帯炎の患者さんのほとんどが
下腿が外旋しています。
そもそもなぜ下腿外旋が良くないのか?
あなたもよく知っている膝関節のシステムが破綻してしまうのです。
膝のスクリューホームムーブメントですね。
このシステムが破綻すると、
膝に大きな問題が生じ、
気づいたときには病的変化を起こして痛みを起こすことになります。
私はそれに気づくのに数年かかりました。
気づいていれば、
もっと早く膝の痛みが改善できていたかも知れないです。
今回は、
下腿外旋と、スクリューホームムーブメントの問題についてお話します。
◯膝関節疾患の視点を増やしたい
◯なかなか膝疾患の痛みが取れない
そんな人にとっては今回の内容はお役に立てるかなと思います。
これを知るだけで膝疾患の人の痛みの変化は出せるはずです。
是非最後までお読みください。
スクリューホームムーブメントについて
そもそもスクリューホームムーブメントについてよく知らない!
そんな人もいるでしょう。
私もちゃんと理解できたのは臨床経験を数年やってきてからです。
(基本的に私は新人のときは本当になにもできないポンコツでした)
簡単に言うと
スクリューホームムーブメントというのは
膝関節が屈曲するときに下腿が内旋、伸展するときに下腿が外旋
という動きが伴うメカニズムです。

このような動きになる理由としては、
- 大腿骨の外側顆と内側顆の大きさの違い
- 前十字靭帯、内側外側側副靭帯の緊張
という構造的なものです。
あなたも膝関節の関節可動域のチェックの際には下腿の動きもチェックすると思いますが、
屈伸の際にやや下腿を内旋外旋に誘導するのは
このスクリューホームムーブメントの動きが膝関節にはあるからです。
しかし、このスクリューホームムーブメント
基本的には屈曲時に内旋、伸展時に外旋という動きが通常ですが、
そうではないケースがあります。
関節可動域のチェックをしていると、
屈曲時に内旋しない、むしろやや外旋に向かったり、
伸展時に外旋しない
というスクリューホームムーブメントの逆転現象が起きていることがあります。
私はこれを逆のスクリューホームムーブメントと勝手に読んでいます。
(これは私が勝手に名付けているので憶えなくて大丈夫です)
逆のスクリューホームムーブメントは膝OAになりやすい?
逆のスクリューホームムーブメントになるとどういう問題があるのか?
- 関節可動域に制限
- 前十字靭帯、外側側副靭帯が緩む(ピンと張って緊張するタイミングがなくなる)
- 靭帯が緩むことで脛骨大腿関節が不安定になる
- 脛骨の前方偏位が強くなる(さらに膝伸展制限に繋がる)
- 内側広筋が働きづらくなり、支持性が低下する
- 腸脛靭帯、半月板にストレスが掛かりやすくなる
これはやっかいですよね・・・
これらが続くことで膝OAのなっていきます。
OKCで膝屈曲して痛みがある人は
特にこの逆のスクリューホームムーブメントになっている可能性が高いです。
(逆にリバースを改善してあげることで痛みがなくなることが多い)
逆スクリューホームムーブメントになる原因としては
- 骨盤の後傾が強いことによる下行性運動連鎖の影響
- 歩行時の骨盤の横ブレからの強いknee-inの影響
- 内側縦アーチ低下による内側荷重と足部外転による蹴り出しの継続の影響
などがあります。
逆スクリューホームムーブメントは徒手的に通常の動きに促すことができるので、
ROMエクササイズで膝屈曲時に下腿内旋誘導、伸展時に外旋誘導を徒手的に行うことで、
一時的に逆スクリューホームムーブメントは抑えられます。
それによって痛みの変化があれば、
逆スクリューホームムーブメントの影響が大きいと言うことです。
(私は膝関節疾患の患者さんでは必ずチェックしています)
では逆のスクリューホームムーブメントが起きるケースはどんな治療が必要なのか?
逆スクリューホームムーブメントの改善方法
先程述べたように、
徒手的に誘導して痛みに変化があれば
逆スクリューホームムーブメントは早めに改善させたほうが良いでしょう。
流れとしては
- 膝関節周囲軟部組織のリリース
- 機能的な範囲での脛骨の内旋可動域を確保
- 膝関節の屈伸時の下腿外旋・内旋運動の制限を改善
- 徒手的に誘導しながらアクティブアシスティブで関節可動域運動
- 自動運動で筋力をつける(繰り返すことで脳にも動きの学習をさせる)
- CKCや立位、歩行に繋げる
- インソールで崩れる原因を抑制する
こういった流れで私は介入しています。
最初からインソールで改善はできないのか?という質問もよくあるのですが、
もちろん最終的にはインソールも活用しています。
インソールで直接逆スクリューホームムーブメントを改善するのは難しいですが、
多くの逆スクリューホームムーブメントの原因が、
歩行時の横ブレによる膝関節の屈曲軸がズレや、
足部のアーチ低下やアライメント不良により外転での蹴り出し
であると臨床上では経験します。
なので、
インソールで歩行や足部の動きの改善は最終的に必須になります。
むしろ逆スクリューホームムーブメントの大きな原因は歩行からなのです。
膝関節疾患においてインソールがどのような効果を出せるのかがまだ違和感がある人は、
是非膝OAの患者さんにもいれてください!
多くの膝OAの患者さんは逆のスクリューホームムーブメントが起きていると思います。
それを改善させるのは徒手療法や運動療法ですが、
その動きを作ってしまっている歩行を改善させるにはインソールが必要です。
フォームソティックス・メディカルは膝OAの歩行の崩れの改善には非常に有効です。
気になったら無料トライアルに是非申し込んでください。