「足部疾患の対応で後脛骨筋が重要とは聞くけど、なんでなのかわからない」
「後脛骨筋ってなぜ重要な筋肉なのかイマイチ理解できていない」
「後脛骨筋に関わる疾患ってなに?」
毎日の臨床で足部疾患に対応しているとこんな疑問は出てきませんか?
今でこそ足部疾患へのアプローチで後脛骨筋は優先的に見ている筋肉の一つですが、
私は最初は後脛骨筋のことなんて気にできずに臨床に臨んでいました。
今思えばそれがどんなに恐ろしいことか・・・
足部疾患をもっと良くしていきたいけど、
足部に関して苦手意識を持っている人は
「後脛骨筋がどんな疾患に繋がっているのか?」
「歩行においてどんな機能があるのか?」
理解しきれていないなんてこともあると思います。
(私は完全にそうでした・・・)
足病学の学びを深めている先生なら
「いやいや、後脛骨筋が重要なことくらい知ってるよ」
「そんなこと常識だよ!」
とおっしゃるかもしれません。
ですが
私は後脛骨筋の重要性に気づくのに数年かかりました。
お恥ずかしい話です。
そんな私のようにならないように
ここで改めて後脛骨筋の重要性をお伝えしていこうと思います。
これから足部疾患を深めていきたい!
足部を新たに学び直したい
足部について苦手意識がある
そんな人にはとてもオススメの内容になるので
ぜひ最後までお読みください!
そもそも後脛骨筋の機能は?
まずは後脛骨筋ってどんな機能があるのか?
後脛骨筋の主動作は
◉底屈
◉内転
◉回外
主に内側縦アーチを保持する機能を持っています。
(特にここが大事ですね)
そして中足骨と足根骨に広く付着しているので
その張力で骨を支えることができ、前足部の安定性にも関与します。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2024/03/2024-03-05-14.37.07-1.jpg)
筋肉ってどうしても起始停止の付着部と動きの機能を覚えがちですが
付着部位や走行でどのような機能があるのかを考えることも大事になりますね。
なので
全体的には後脛骨筋というのは足部のアーチや安定性に大きく関係しているということです。
そのため後脛骨筋腱がなにかしらで傷害されると、
結果的に縦アーチ、横アーチ両方とも破綻してしまう可能性があるのです。
歩行時の機能としては
他の多くの回外筋と比較して長く
立脚期の足底接地(イニシャルコンタクト)から踵離地(ターミナルスタンス)までの間活動します。
足底接地の直前から立脚中期までは回内運動中の後足部を減速させ、
下制しやすい内側縦アーチの制御を補助してくれます。
立脚後期の踵離地以降の蹴り出しで
舟状骨を内転・底屈させ、距骨下関節を介して間接的に踵骨を内反させることで
ショパール関節をロッキングさせて体重を支える硬い足を作ります。
更に蹴り出しの際の足関節底屈を補助する機能もあります。
いやいや、有能すぎるでしょ!
要するに
歩行の立脚期において足部崩れないようにコントロールしてくれる屋台骨的な存在の筋肉
ということです!
ではそんな後脛骨筋はどんな障害と関連しているのでしょうか?
後脛骨筋に関連する障害
後脛骨筋と関連する障害は大きく2つあります!
◉後部シンスプリント
◉後脛骨筋機能不全
この2つになります!
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2024/03/2024-03-05-14.22.05.jpg)
<後部シンスプリント>
後脛骨筋の障害の一つは後部シンスプリントです。
ランニング障害として有名な疾患ですね。
シンスプリントには前部と後部で分けられており
前部は前脛骨筋の牽引ストレスによる骨膜や骨間膜の炎症のことを良います。
症状としては
起始部である脛骨内側中下1/3のやや広い範囲での運動時痛・圧痛があります。
足部の回内接地に伴う内側縦アーチの低下によって、
ヒラメ筋や後脛骨筋が過伸張や過収縮することが原因で生じます。
内側縦アーチの指標となるショパール関節の回内運動は
距骨下関節の回内によって増大するため、
後足部過回内はシンスプリントに大きく関わることになりますね。
<後脛骨筋機能不全>
もう一つは
後脛骨筋機能不全(Posterior tibial tendon dysfunction)です。
後脛骨筋機能不全は、 急性外傷、力学的なオーバーユースや全身性疾患に続発する滑膜炎や腱変性に伴って、 後脛骨筋の筋力低下、後脛骨筋腱の機能不全や疼痛がある状態のことです。
因子としてはまだ研究データはそんなに多くないと言いますが
外脛骨と関連があったり、ばね靭帯損傷との関連もあると言われています。
(これは私も調べ中です)
それらの何かしらの要素により
後脛骨筋腱が機能しなくなりショパール関節をロックできなくなるため
足部の剛性が弱い状態になります。
この状態が長期にわたると、
足底や三角靭帯を含む足関節内側の靭帯機能が次第に破綻し
筋収縮が変形増悪因子となって扁平足を促進させてしまいます。
後脛骨筋へのメカニカルストレス
シンスプリントや扁平足を改善させるためには
後脛骨筋へのメカニカルストレスを減らす必要があります。
後脛骨筋へのメカニカルストレスの要因は
足部アーチの静的支持機構である靭帯組織の破綻や足部内在筋の機能低下などに伴う
内側縦アーチや横アーチの低下にあります。
これを抑制するため動的支持機構である後脛骨筋腱に負担がかかっているのです。
力学的な観点で言えば
荷重下において
床反力ベクトルが足関節の外側を通る場合
足関節には外反方向への回転モーメントが発生します。
それと平衡を保つために内反方向への関節モーメントが発生することとなり
内反するための筋肉である後脛骨筋の筋活動が増大することになります。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2024/03/2024-03-05-13.58.29.jpg)
更に同時に
内側縦アーチの下制を伴う回内運動を繰り返す場合(接地時に過剰な後足部の回内など)
アーチ保持に必要な後脛骨筋は過剰に活動しなければならないのでメカニカルストレスになります。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2024/03/2024-03-05-14.03.29.jpg)
後脛骨筋へ過剰な負荷をかけずメカニカルストレスを抑えるためには
内側縦アーチや横アーチの保持が絶対的に必要になります!
アライメントを修正するインソールが非常に効果的!
内側縦アーチや横アーチの低下に加え
接地時に後足部の過回内が
後脛骨筋に過剰な負荷をかけていることは明確です。
これらを改善させるため最も効果的な方法の一つがインソールによるアライメント修正です。
◉内側縦アーチや横アーチの低下
◉接地時の後足部の過回内
どちらも筋力強化やストレッチなどは
メカニカルストレスを減らすという観点で言えば十分でないことが多いです。
ですが、
力学的にアライメントの修正をすることで後脛骨筋への過剰な筋活動を抑えられたらどうでしょうか?
メカニカルストレスを抑えることが十分可能になります。
インソールによる土台でアライメントが修正できればそれが可能になります。
そんなインソールの中でも、
フォームソティックス・メディカルは足部アライメントを正しく修正できる優秀なインソールの一つです。
まずはフォームソティックス・メディカルを入れるだけでも、
◉内側縦アーチや横アーチの低下
◉接地時の後足部の過回内
この2つの要素を力学的に抑制することができるので、
後脛骨筋への過剰な負荷を抑えることができます。
足部疾患や歩行において
後脛骨筋というのは非常に重要な役割を持っている屋台骨のような存在です。
そんな後脛骨筋が正しく機能できるような環境を作ることは、臨床においてとても重要です。
是非積極的に活用してみましょう!
▼フォームソティックス・メディカルとは?
日本最大規模となる1936名が認定され、
全国47都道府県704院で導入されている世界的なインソールです。(2023年10月現在)
足病学エビデンスに基づく世界的な矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは、
足病学先進国であるニュージーランド、オーストラリアでトップシェアであり、
矯正インソールの業界で唯一40以上の論文が発表されている、
エビデンスに基づく信頼性の高いインソールです。
フォームソティックス・メディカル取扱認定の詳細はこちらから