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妊婦と足部の関係

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こんにちは。PTタイガーです。

今日は「妊娠と足部の関係」というテーマでお話しします。

参考にした論文は、妊娠中および産後における足の生体力学的変化についてまとめたスコーピングレビューです。

https://www.mdpi.com/1660-4601/21/5/638

スコーピングレビューとは、特定のテーマに関して既存の文献を網羅的に整理・分析した論文です。

この論文では、妊娠と足部の関係について多くの文献を総合的にまとめています。

その内容を要約してお伝えします。

まず、妊娠によって足部にはいくつかの変化が起こります。

一つ目は足幅の増加です。前足部の幅が広がる傾向があります。

二つ目は足長の増加です。足の縦の長さが伸びる報告があります。

つまり、妊娠によって足全体のサイズが大きくなる傾向があるということです。

これらの変化の背景には、アーチの低下が関与しています。

アーチが下がると偏平足傾向となり、結果として足幅や足長の変化につながります。

さらに、足部の回内も報告されています。

回内はアーチの低下と密接に関連しており、アーチの低下=回内と言っても過言ではありません。

また、前足部の足底圧が増加することも確認されています。

中足骨頭部の足底圧が妊娠によって高まるという報告です。

このように、足部の形態的変化と圧の分布が妊娠中に変化します。

では、これらの変化の原因について解説します。

大きく分けて2つの要因があります。

まず一つはホルモンの変化です。

その中でも特に重要なのが「リラキシン」というホルモンです。

リラキシンは妊娠中に多量に分泌されますが、妊娠に限らず女性の月経周期や、男性でも前立腺からも分泌されています。

リラキシンには靭帯を弛緩させる作用があります。

それに加えて、骨リモデリングの促進、関節軟骨のコラーゲン分解酵素の誘導、滑膜への抗炎症作用、筋肉の修復促進、腱の成長・硬さの調整など、多岐にわたる作用があります。

筋骨格系に大きく影響を及ぼすホルモンです。

治療薬としても研究されており、滑膜の抗炎症作用を利用してリウマチ治療に応用されることも検討されています。

リラキシンは全身性ホルモンのため、足部に限らず全身の靭帯を緩めます。

例えば、アーチを支えるスプリング靭帯や、前足部を支える深横中足靭帯も影響を受けやすくなります。

次に、妊娠による身体重心の変化です。

妊娠によって腹部が大きくなると、重心が前方に移動します。

身体重心が足関節の回転中心よりも前に位置することで、前足部に大きな荷重がかかりやすくなります。

さらに、前方へのバランス崩れを補正するために体幹の伸展が生じます。

その結果、前足部の足底圧はさらに増加し、同時に腰仙部の負担も大きくなります。

これが妊婦に腰痛が生じやすい一因と考えられます。

最後にまとめです。

妊娠中の体重増加、ホルモンバランスの変化、重心移動などが複合的に作用して足部の変形が生じます。

これらの変化は産後も一部持続する可能性があります。

ホルモン分泌は産後に戻りますが、一度緩んだ靭帯が完全に元に戻らない場合、足部形態の変化が残ることがあります。

そのため、妊娠中からの適切なフットウェアやインソールの使用は、将来の足部変形を予防する上で非常に重要です。

特にホルモン分泌が高まる8週から12週頃からの早期介入が有効です。

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