「走ると膝が痛い」
「痛みが長引いて全然練習できない」
「どんな対応をすればいいかわからない」
多くの成長期の学生に起こり得るオスグッド・シュラッター病
軽い症状の人もいれば長いと2年くらい症状が続いてしまう厄介な疾患です。
成長期の膝痛が原因で、
部活動を思い切り楽しめない子どもたちをたくさん見てきました。
私も高校時代に
仲間がオスグッド・シュラッター病で走れなくなり
結果的に部活をやめてしまうということを経験しています。
その時から
こういった痛みなく3年間という短い学生期間を全力で走り抜けるには
どういったケアとかをすれば良いのか?
というのをずっと考えていました。
理学療法士になってからもずっと課題です。
オスグッド・シュラッター病で来院する学生の治療で
どうしても長引いてしまうことも多く
学生からしても「早く走りたい」「早く試合に出たい」という声を何度も聞いてきました。
どうしても骨端線が閉鎖するまで痛みが出ることはあるのですが
そこにストレスを掛けないようにするにはどんなことをすればいいのか?
どんなフィジカルが必要なのか?
ということを常に考えながら治療にあたっています。
最近では
オスグッド・シュラッター病にならないようにするための
ストレッチの工夫もできるようになってきて
競技復帰までの時間は少しずつ短くできるようになってきました。
そこで今回は
オスグッド・シュラッター病に対するエクササイズ
について私が現場レベルで実践していることお伝えしていきます。
学生さんの治療ケースが多い
これからスポーツ疾患もやっていきたい
膝痛の患者さんをもっと救いたい
私と同じようにオスグッド・シュラッター病の治療で困っていた
そんな人にはお役に立てる内容かなと思います。
是非最後までお読みください!
中学生の発育過程とオスグッド・シュラッター病の発症について
中学生の発育段階で発症するのがオスグッド・シュラッター病ですが
そもそもどんな形で発症するのかというのを知っておきましょう!
オスグッド・シュラッター病というのは
8−15歳ごろにおいて発症する脛骨近位部骨端症のことです。
症状は骨端線の閉鎖に伴い消失しますが、
症状が長引くケースだと軽快までに2年くらいかかることもあります。
日頃からストレッチをしっかり行うというのがシンプルに大事なことなのですが
オスグッド・シュラッター病の予防や増悪抑制のための適切な方法というのは
実は確率されていないのです。
長管骨の長径発育から身長が増加していきますが、
この時期は骨の発育に対する筋の発育の遅延から
筋肉の伸張抵抗性が増加するため筋緊張が上がります。
その中でも、発育速度が早い人ほど
つまり短期間に著しい成長を示す人ほど
オスグッド・シュラッター病を発症する傾向にあるというのが研究でわかっています。
これは実際セラピストやトレーナー側でコントロールすることができない上、
予測もできません。
以前こんな研究がありました
サッカーをしている小学5年生を対象に
筋柔軟性ならびにキック動作について前向きに調査を行った。
その結果、調査期間中に33.3%にオスグッド・シュラッター病発症が認められた。
発症前に調査した形態・身体調査に関する結果では
オスグッド・シュラッター病発症者は、非発症者と比較して
身長、体重、BMIの数値が高く 筋柔軟性では大腿四頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋の数値が低い
という結果が示されました。
さらに、
キック動作ではfoot contact時の軸足外果と重心位置との距離が遠いほど発症しやすいことが示されました。
ということは
発育が顕著であると同時に
大腿四頭筋と下腿三頭筋の柔軟性が低下している選手に関しては
まずは柔軟性の改善を速やかに必要であるということになります。
これは私の普段の評価で確認しているのですが
スクワット動作で
身体重心が後方にあり、股関節が屈曲できていない人は
大腿四頭筋が優位に働きやすいため、オスグッド・シュラッター病のリスクが高いと感じます。
基本的にはスクワット動作というのは
足底からくる重心線が膝関節の真ん中を通っている必要があります。
そうすることで、
前面後面どちらに対しても過剰な負荷はかかりません。
ポイントとしては
股関節がしっかり屈曲できていることですね。
スクワット動作を行ってもらって、
膝屈曲が優位の人ってたまにいますよね?
そういった人は股関節屈曲ができておらず、
自然と骨盤も後傾し身体重心も後方に残りやすいです。
(サッカー選手やバスケ選手に特に多い印象)
このとき大腿四頭筋が過緊張しており、
ハムストリングスの張力が発揮されていないことが触れてみるとわかります。
(これもしやっていなかったら是非やってみてくださいね!)
オスグッド・シュラッター病の患者さんで
このスクワット動作が綺麗にできている人を見たことがないです。
キック動作や着地動作において
接地ポジションが後方であれば、
常に大腿四頭筋の過緊張が起きてしまうため
この動作に関しても修正が必要です。
発育への介入というのはセラピストやトレーナーは困難なので
柔軟性や動作の改善が必要になります。
オスグッド・シュラッター病に対するストレッチの工夫
では柔軟性や動作の改善にはどんな工夫をしているのか?
オスグッド・シュラッター病を発症する年代は若いので
外傷というよりも障害を多く発症させるため
日々のコンディショニング(自己管理)が大事になってきます。
しかし
この年代は障害に対する意思は薄いため、
基本的に方法を適切に行えるように指導することが大切ですね。
(これがめっちゃ大変なのですが)
発育過程にある中学生は
過度な筋緊張や未熟な身体機能による代償動作を伴った 不適切なストレッチを行ってしまうことが多いです。
背景となる身体状況を考慮して行う必要があるので、注意ですね。
側臥位にて行う大腿四頭筋のストレッチですが
床面の股関節・膝関節を屈曲させることで
骨盤による代償を抑制し、ストレッチを行う上で適切なポジションに調整しています。
大腿四頭筋の緊張が高い場合は、
股関節の屈曲角度を小さくしましょう。
ハムストリングスの柔軟性に関しては
直接的に優位な結果が出てはいないが
ハムストリングスの柔軟性低下は骨盤を後傾させ大腿四頭筋を伸張位にもっていくため
脛骨粗面への牽引ストレスを増大させてしまう可能性があります。
(これ結構多いケースです)
ハムストリングスをストレッチする際
ハムストリングスの緊張が高い場合胸腰椎による代償が大きくなり
十分にハムストリングスを伸張させることが難しいです。
なので、
足先に手を近づけるのではなく
股関節の屈曲(骨盤の前傾)をさせて伸長させるようにします。
そして
もう一つ大事な要素があります。
足関節の背屈です。
サッカーだと、
競技特性上足関節の背屈制限が起こりやすいです。
キック動作時に身体重心の前方移動が困難になるため、
オスグッド・シュラッター病の発症の要因になります。
背屈に関しては これまで足病学ブログでも結構出していますが
足関節の背屈制限というのは
下腿三頭筋の硬さだけではなく、足部のアライメントに問題があることが多いです。
特に若年層でも後足部のアライメントが崩れているケースはとても多いです。
そこから距骨の内方移動が起こり背屈に伴う動きが制限され、
結果として背屈制限をきたしてしまう。
足趾を使うような練習は結構地味なので
なかなか中学生たちはやりたがりません。
ではどうすればいいか?
距骨が内方移動しないようなアライメントを作れる環境にしてしまえばいいのです。
こういうときにインソールが非常に役に立ちます。
もちろんエクササイズで整えることもできるのですが
時間もかかりますし、意識的に行うのは難しいです。
(多分自分が選手側だったらサボります・・・)
なので、
インソールという環境で整えてあげれば、
本人が無意識でも足部のアライメントを整えることができるので
結果として背屈の可動域も維持することができます。
医療用矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは
こういうときに非常に有効です!
大腿四頭筋やハムストリングスに関しては
ストレッチ及びエクササイズで柔軟性を確保しなければなりません。
背屈にまで手がまわらないと思うので、
インソールに働いてもらいましょう。
フォームソティックス・メディカルはによるアライメント矯正は
後足部のアライメントはもちろんですが
重心位置の極端な崩れも抑制することができます。
背屈の可動域も合わせて、
重心位置の後方移動を抑えることができれば
大腿四頭筋の過剰な緊張も抑えることができ、オスグッド・シュラッター病の抑制になります。
インソールの良いところは「無意識下で整えられる環境」ということです。
その分しっかり大腿四頭筋やハムストリングスに時間をかけてあげれば
症状を増悪させにくくなるので、症状軽快を早めることもできます。
是非試してみてください!
まだフォームソティックス・メディカルを試したことがない方は
こういったスポーツ疾患を扱っていくなら、とても大きな武器になるので
下記からチェックしてみてくださいね!
▼フォームソティックス・メディカルとは?
日本最大規模となる1936名が認定され、
全国47都道府県704院で導入されている世界的なインソールです。(2023年10月現在)
足病学エビデンスに基づく世界的な矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは、
足病学先進国であるニュージーランド、オーストラリアでトップシェアであり、
矯正インソールの業界で唯一40以上の論文が発表されている、
エビデンスに基づく信頼性の高いインソールです。
フォームソティックス・メディカル取扱認定の詳細はこちらから