下肢疾患の多くは歩行で崩れがあるというのはこのブログでもお話してきたことですが、
もう一つ、共通して崩れが起きるものがあります。
片脚立位
です!
あなたのもとに来る患者さんは正しく安定した片脚立位がとれますか?
下肢疾患の患者さんで正しく安定した片脚立位をとれる人は
ほぼいないはずです。
なぜなら
多くの下肢疾患はアライメントが崩れて不安定な状態が繰り返されることで病的変化が起こって痛みを出します。
逆に片脚立位が正しく安定している人は障害が少ないです。
痛みがない人でももちろん片脚立位がやや不安定な人はいますが、
痛みのある人で片脚立位が安定しているケースはほとんどありません。
もし歩行分析が苦手だったとしても、
片脚立位を確認することで、
「もしかしたら下肢をコントロールする筋肉や可動域に問題があるんじゃないか」
と予測することができるかもしれません。
今回は
良い片脚立位と悪い片脚立位の違いについてと、
改善のためのエクササイズの1つをお話していきます。
「今までなんとなくしか片脚立位を見ていなかった」
「歩行は苦手だけど片脚立位なら見れそうだ」
そんな方にとっては、
明日から臨床評価に片脚立位も活用いけるようになるはずです。
良い片脚立位と悪い片脚立位の違い
良い片脚立位は
上半身が左右にブレず、片足の真上に身体重心がある状態
写真でみるとこのような感じです。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/片脚立位-653a51f371bb7.jpg)
一方で
悪い片脚立位は
こんな感じです。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/NG.jpg)
片脚立位そのものを維持はできているかも知れませんが、
骨盤は外側へ変異し、体幹も側屈している状態です。
矢状面である横から見ると、骨盤が後傾していることもあります。
これは無理に態勢を維持しようとしているため、
筋肉も靭帯も負荷が通常より負荷がかかっています。
良い片脚立位と悪い片脚立位の違いは
前後左右にブレているかどうかです。
悪い片脚立位になる原因
悪い片脚立位になる原因はたくさんあります。
体幹かもしれないし
股関節かもしれないし
膝関節かもしれないし
足関節かもしれません。
可動域制限かもしれないし
筋力低下かもしれないし
アーチの支持性低下かもしれません
現場レベルでこれらを一つ一つ探すのは難しいですよね。
なので、崩れ(前後左右へのブレ)が大きい箇所から可動域と筋力をチェックします。
その中で多いなと感じるのは「股関節」です。
片脚立位でももっとも崩れが多いのが骨盤なので、股関節周囲のコンディションの影響はとても大きいです。
下肢疾患においても股関節の機能不全から膝や足部に影響を与えるケースを経験します。
特に股関節においては
最近にライフスタイルでデスクワークによる座り過ぎにより機能不全が起こりやすいです。
(機能不全:柔軟性の低下と筋力低下が主)
股関節は身体を支えるための肝となる関節、いつでも崩れず安定していることが、他の関節への負荷の軽減になります。
「インソールで足部からアライメントを整えてもイマイチ安定しない」
そんな経験はありませんか?
私はとても多かったです。
足部から整えてあげれば十分安定させられるだろうと思っていたら、
なかなか難しかったです。
逆に股関節を使えるようにエクササイズをしたら、インソールによるアライメントの誘導も更に高まり、
片脚立位や歩行も安定するようになりました。
足部ももちろんですが、足部からのアプローチの効果を最大化させるためには、股関節にも着目する必要がありますね。
片脚立位を安定させるエクササイズ
股関節のトレーニングと言っても
もちろんかなりの量があるので、
今回は2つ紹介します。
①
腹臥位の状態で両腕を前に出し指を立てます。
↓
そこから溝尾が軽く浮く程度まで身体を持ち上げ止めます。
(辛かったらもう少し低くてもOK)
↓
左右交互に脚を浮かせます。 (大腿が浮くことがポイントです)
大殿筋と反対側の広背筋の促通エクササイズになるのですが、
片脚立位の際は大臀筋と反対側の広背筋の収縮が骨盤と体幹を安定させる役割を持っています。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/1_1.jpg)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/1_2.jpg)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/1_3.jpg)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/1_4.jpg)
②
片膝立ちの状態
↓
前に脚を出している側の手を大きく後ろに回します
↓
このとき上半身も後ろを向くように回転します。
上半身の運動のように見えますが、
これは股関節安定のためのトレーニングです。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/2_2.jpg)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/2_3.jpg)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/2_4.jpg)
この運動をしている際は膝や骨盤はぐらついてはいけません。
崩れないようにコントロールしながら上半身を動かすのです。
それによって骨盤の安定を高めます。
もちろんこれだけではないですが、
この2つのトレーニングは現場レベルでもよく活用するので、
是非やってみてください。
股関節が安定すると、インソールの効果も最大限に引き出されるので、
より片脚立位も安定します。
片脚立位が安定すれば、関節や筋肉、靭帯へのストレスが軽減するので、
慢性的な疼痛は改善できます。
フォームソティックス・メディカルを入れるだけでももちろん片脚立位は大きく変わりますので、
是非試してみてください。
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