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意外と知らない?中足部を安定させる5つの靭帯

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こんにちはPTタイガーです!

あなたは足部の靭帯といえば、どの靭帯を思い浮かべますか?

まずは

・前距腓靭帯
・踵腓靭帯

あたりですかね。

続いて、

・遠位脛腓靭帯
・三角靭帯

ここら辺が一般的に思いつきやすいでしょうか。

これらは主に足関節を安定させる靭帯です。

しかし、足部にはたくさんの骨、関節があるため、これらの靭帯以外にも重要な靭帯があります。

Vargusらは、中足部の捻挫による靭帯損傷は、見逃される可能性が22-40%あると言われています。

これらの靭帯損傷は、固定が主な役割である中足部の不安定性を引き起こす可能性があります。

そして、中足部の不安定性は膝の不安定性とも関連していると言われています。

今回は、そんな中足部の安定化に重要な靭帯を5つをその機能と解剖学的特徴とともに紹介したいと思います。

目次

長足底靭帯

この靭帯は足底の踵骨と立方骨〜中足骨をつなぐ靭帯です。
中央から外側を走行するため、外側アーチの安定性にも寄与していると思われます。

解剖学的特徴

○踵骨の後結節と前結節の間の下面に後方で付着
○長腓骨筋腱の通る溝の屋根を形成し、溝と融合してから2-5中足骨底に付着
○形状は、長方形(タイプI)、砂時計型(タイプII)、三角形(タイプIII)の3種類に分類される
■タイプI:12%
■タイプII:62%
■タイプIII:26%
○形状の違いによる機能的な違いはないと考えられている

短足底靭帯(SPL) 底側踵立方靭帯

足底の踵骨と立方骨を結ぶ靭帯です。
踵立方関節の安定化に寄与しています。
ジャンプの着地では、足部の外側から接地するため、この靭帯に負担がかかると考えられています。

解剖学的特徴

○踵骨の前結節から前内側に広がる帯として、長腓骨筋腱の隆起の後方の立方骨の足底面に付着
○踵立方関節包と融合して補強すると言われている
○線維束の数により、タイプI-a、タイプI-b、タイプIIに分類される
■タイプI-a:単一(浅)線維束 – 26%
■タイプI-b:浅線維束と深線維束 – 60%
■タイプII:浅線維束(内側と外側)と深線維束 – 14%
○形状はすべて長方形
○踵立方関節包を補強する深線維帯は、踵骨への明瞭な付着を認め、より斜めの走行を示す
○線維束の数と浅部線維と深部線維の間には、機能的な違いがあると考えられている

底側踵舟靭帯(スプリング靭帯)

この靭帯は、踵骨と舟状骨をつなぎ、距骨を下から支える構造になります。
この靭帯の緩みがある場合、扁平足になると言われています。

解剖学的特徴

○距骨頭を踵骨に接続し、距骨下関節を支持する役割を担っている
○上内側縦束、中足底斜束、下足底縦束の3つの部分から構成
■上内側縦束は、踵骨載距突起の前縁から起始し、舟状骨粗面と三角靭帯の脛骨-スプリング靭帯成分に広く付着
■中足底斜束は、踵骨の鈎状窩から起始し、内側に伸びて内側舟状骨に付着
■下足底縦束は、3つの構成要素の中で最も厚く、鈎状窩に起始し、最も外側に突出して足底舟状骨頂に付着

二分靭帯

○踵骨溝に付着する近位主茎を持ち、遠位に分かれて舟状骨と立方骨の背内側に付着するY字型の構造
○背側踵骨舟状靭帯(CNL)と背側踵骨立方靭帯(CCL)の2つの構成帯からなる
○足根洞の重要な靭帯であり、踵立方関節の背外側面に沿って主要な支持体として機能
○多くの足で、近位の踵骨舟状靭帯と踵骨立方靭帯は互いに、そして足根洞の靭帯とも混ざり合って連続している

踵骨舟状靭帯(CNL)

■すべての足に存在している
■通常、索状で(53足のうち36足)、平行またはらせん状の繊維配列をしてる
■平均して、CNLはCCLの2倍の長さと2倍の厚さ

踵骨立方靭帯(CCL)

■9.4%の足に存在していない
■通常、扁平な形状で(48足のうち40足)、平行または扇状の繊維配列をしている
■CCLは、CNLに比べて遠位で幅広になる傾向があり、先細りになっていた

まとめ

これらの靭帯は、主に後足部から中足部、中足部間をつなぐ靭帯であり、足部の安定化に役立っています。

また、捻挫でもこれらの靭帯損傷は、単独損傷は少ないものの、見逃されやすい靭帯として挙げられています。

ぜひ、捻挫後の後遺症を持つ患者さんで、足部の不安定間が強い人(特に中足部)に関しては、これらの組織への介入を頭に入れていただけると良いかなと思います。

もちろん、距腿関節や距骨下関節にも重要な靭帯が多く存在していますので、詳細はこちらも確認してみてください!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

それでは最後までお読みいただきありがとうございました!

参考文献

Kafka RM. Anatomico-radiological Study of the Bifurcate Ligament of the Foot with Clinical Significance. Cureus (2019)

De Dea M. Talonavicular ligament: prevalence of injury in ankle sprains, histological analysis and hypothesis of its biomechanical function. Br J Radiol (2017)

Vargas B. Imaging evaluation of midtarsal sprains. Austral J. Imaging. (Engl. ed.) (2024)

Edama M. Morphological characteristics of the plantar calcaneocuboid ligaments. Surg Radiol Anat (2021)

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