こんにちは、PTタイガーです!
今回は「感覚受容器」についてのお話しです。
「感覚受容器を学んで、本当に臨床が変わるの?」
と思う先生もいるかもしれませんが、
実はとても重要なんです!
身体の「センサー」ともよばれる感覚受容器。
どの組織に、どのくらい存在しているか知っていますか?
筋肉や関節ばかりを学んで偏ったアプローチをしていませんか?
もし心当たりがあるのなら
続きを読んでみてください。
感覚受容器の重要性
まずは、感覚受容器の重要性についてです。
感覚受容器と臨床を結びつけるわかりやすい例があります。
それは、捻挫後の慢性足関節不安定症(以下CAI)です。
CAIについてこんなことが報告されています。
CAI患者ではメカノレセプターの損傷と脱神経を引き起こしている。
負傷した足首の固有感覚(運動感覚および関節位置覚の両方)は、
負傷していない反対側の四肢および健常者と比較して、損なわれている。
そのためCAIの臨床管理においては、固有感覚欠損の回復のための介入が推奨される。
Xue et al 2021
捻挫による靭帯損傷の問題は、物理的な不安定性だけではないということです。
つまり、靭帯損傷後の介入として、「感覚受容器に対するアプローチ」は足関節を安定させ、機能的に使用するために常に考慮する必要があるのではないでしょうか。
感覚受容器の種類
さて、感覚受容器が私たち臨床家にとって重要であるとして、人体にはどのような種類の感覚受容器が存在するのでしょうか?
受容器に、どのような種類や機能があるのか、を知らなければ実施の臨床で介入することは難しいですよね。
ここでは、人体の動きに関連する代表的な感覚受容器を紹介します。
機械受容器(メカノレセプター)
機械的な力(圧力、振動、引っ張り、変形など)を感知する受容器です。
皮膚や筋肉、関節、内臓などに存在し、主に触覚、圧覚、振動、姿勢、平衡感覚を担います。
皮膚に存在する主要な機械受容器は主に5つです。
この4つの機械受容器は適応の速度と需要野の広さによって分類されています。
ゆっくりと適応(Slow Adaptation)
高速で適応(Fast Adaptation)
✖️
局所的な需要野(Ⅰ)
広域な需要野(Ⅱ)
図の4つに加えて、関節の動きに反応する皮膚の機械受容器があります。
続いて関節周囲(靭帯)に存在する機械受容器はTypeⅠ〜Ⅳに分けられます。
ルフィ二小体とパチニ小体は皮膚だけでなく、関節周囲にも存在していることがわかります。
続いて固有受容器(プロプリオセプター)です。
固有受容器というのは機械受容器の一部として扱われますが、より身体の位置や動きを感知するために特化された受容器と認識すれば良いと思います。
主な固有受容器は、筋紡錘と腱紡錘(ゴルジ腱器官)です。
ここまで、皮膚や関節、そして筋・腱に存在する感覚受容器について説明してきました。
最後に、これらの受容器が足部にはどのように存在しているか、をまとめて説明します。
足部に存在する感覚受容器
足底に存在する機械受容器
足底には4つの受容器が存在しますが、もっとも多く割合を占めているのは「マイスナー小体」です。
マイスナー小体はFA-Ⅰなので、適応が早く、需要野が狭い受容器です。
動的な皮膚の変形にも敏感であり、歩行や立位でのバランスに直結した機能を持つことがわかります。
足関節外側側副靭帯に存在する受容器
関節周囲にもっとも多く存在している受容器はパチニ小体です。
パチニ小体は高速で適応し、より広範な需要野を持っています。
関節全体の動きを即座にキャッチし、関節の安定化に役立っているイメージが湧きますね。
足底腱膜に存在する受容器
足底腱膜にはルフィニ小体とパチニ小体が存在しています。
足底の皮膚にはそれほど多く存在していない受容器があり、それぞれが補い合っている形になっていると思います。
筋肉に存在する受容器
筋肉に存在する筋紡錘は、内在筋に多く含まれています。
グラフを見ても腓腹筋やヒラメ筋のような大きな外在筋よりも、虫様筋のような小さな内在筋の方が、筋1グラムあたりの数は明らかに多いことがわかります。
これを見るとバランス能力を改善させるために、内在筋を鍛えることが役に立ちそうですね。
まとめ
人間の身体には多くの感覚受容器が存在します。
その受容器がセンサーとして、身体内部では関節の位置や動き、そして外界からの刺激を感じ取り、絶妙な動きのコントロールをしています。
これらの感覚受容器に対して目を向け、アプローチすることで、強化した筋力や拡大した関節可動域をパフォーマンスにつなげることができます。
今回は具体的な介入の方法は書いていませんが、また別の機会に、足部からの具体的なアプローチ方法は解説したいと思います。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
足部の神経・感覚受容器をより深く学びたい方はこちら
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