走るときの蹴り出し時に痛みをとりたい
スポーツ中の強い接地で痛みに悩んでいる
復帰後も痛みが出そうで怖い
スポーツ選手をみている先生なら、
このような相談をされたことはあるのではないでしょうか?
私がいた整形外科はアスリートに特化していたわけではないですが
怪我をした地元の学生の部活生であったり、
体育大学でがっつりスポーツに取り組んでいる人が
たまたま多かったので、このような相談をたくさん受けてきました。
もちろん
規定の安静期間は経っているし、炎症も治まっている
だけど実際に復帰してみると
「まだ痛みがある」
「蹴り出しは結構きついです」
「接地が痛い」
というような声もたくさんありました。
院の中でスポーツ動作をどこまでやれるかにもよるかもしれませんが
どういう状態なら復帰させても大丈夫なのかは不安になりますよね
私も新人の頃は
スポーツ動作をやらせては痛みが出ては戻ってくるという
悪い循環にさせてしまった経験があります。
それは痛みがなんででているのかという評価も足りなかったことになります。
これを読んでいるあなたはそんなことはないはずですが
もしこれからもっとスポーツ疾患への対応を増やしていきたいなら
今回の内容はお役に立てるかなと思います。
スポーツ復帰について知りたい!
足部の痛みの戻りを減らしたい!
そんな人は是非最後までお読みください!
足部後方の痛み仕組み
そもそも足部の痛みというのは
どういったものが痛みを出していて
何が原因なのか?
これを理解していないと
どんなにアプローチ方法やエクササイズが優秀でも改善はしません。
足部の後方に痛みがあるケースだと
蹴り出しでの強い底屈であったり、ジャンプからの着地による強い背屈で起こりやすいですね。
底屈では組織は伸ばされるため
→伸張ストレス もしくは 摩擦ストレス
背屈では組織は押しつぶされるため
→圧縮ストレス
というものがかかります。
伸張ストレス 摩擦ストレスなら
→後脛骨筋腱、腓骨筋、アキレス腱
圧縮ストレスなら
→Kagers fat pad、長母趾屈筋腱
あたりが痛みを出している可能性があります。
このあたりは大丈夫そうでしょうか?
特に術後の患者さんはこのあたりの組織の動きが悪くなっているため
滑走ができない状態になっています。
これらは徒手的な介入で動きを出してあげないとメカニカルストレスはかかり続けてしまいます。
まずは組織や関節の動きを出すことは改善のための最初の1歩目になりますよね!
しかし!
それで終わってしまってはいけません!
これは私が新人の頃にやってしまっていたことで
お恥ずかしいことではありますが・・・
スポーツの動きで痛みがある患者さんに対して
滑走性のでていない部位を評価して見つけ
徒手的アプローチで動きを出すところまではできていました。
それで終わってしまっていたんです・・・
その場では滑走性もでているので
動きもある程度変化するため
患者さんもその場では「痛みもなくていい感じです!」と良います。
ですがそれは組織の動きを出しただけに過ぎません。
その動きをコントロールさせるための動作指導も筋力強化も足りていませんでした。
案の定
その患者さんは激しいプレーをしたあとに痛みが戻ってきてしまいました。
動きを出すことそのものはそんなに難しくありません。
徒手療法で滑走性を出し、ストレッチで組織を伸ばし、アライメントを整えれば
その場ではある程度良い動きがとれてしまいます。
ですが
なぜそもそも滑走性が悪くなったのか?
その原因を考えておかないと
また同じ動きをプレー中に起こしてしまい
同じ場所に負担がかかって痛みが出てしまいます。
これではもったいないですよね?
ではどうすればいいのか?
モーターコントロールを強化しよう!
症状が戻ってしまう原因の多くが
負担のかかってしまう動きを続けてしまっている
他動的には可動域はあるけどその範囲を制御できていない
というものになります。
他動的な可動域を改善させれば動きが良くなるわけではありません。
自動的に動かしてはじめて、
センサーである固有受容器を介して脳が動きを理解して
可動域範囲内をコントロールすることができるのです。
蹴りだしのための足関節底屈
接地のための足関節背屈
これらも他動的な関節可動域では問題なかったとしても
CKCの中で
どの範囲内でも動かせるのか?
どの範囲でも維持することができるのか?
これが重要です。
さらにこれは足部だけの話ではなく
股関節の話にもなってきます。
蹴り出しの際には
股関節と膝関節の伸展を大殿筋、ハムストリングス、腓腹筋でコントロールできるか
接地の際には
股関節屈曲を腸腰筋、中殿筋、ハムストリングス、内転筋でコントロールできるのか?
このあたりも把握しておく必要がありますね。
蹴り出しや接地は確かに底屈と背屈が重要になりますし、
症状が足部にでていれば、足部に関して重点的にみてしまうと思います。
しかし
身体を支持するためには、大きな関節や筋肉が存在する骨盤帯が非常に重要な存在になります。
足部の動きやアライメントを整えても症状が残る場合は
骨盤帯のコントロールが不十分である可能性が高いです。
(臨床現場的にはこれが一番大きいです)
ではどんなことをすればいいのか?
モーターコントロールを向上させる運動療法
大前提として、
関節可動域に制限があったり、組織に滑走不良があったり、炎症や硬結などがあれば
徒手療法や物理療法などで改善させる必要があります。
その後ですね!
その可動域をコントロールするためのエクササイズを行い
動きの再学習をしていきます!
スポーツ復帰する前にチェックしておいてほしい動きとしては
●フロント及びサイドランジ
●ボックスアップ
●シングルレッグでジャンプ着地
このあたりが骨盤や膝の横ブレなく実施できていることが必要です。
できていない場合は急に復帰はさせていません。
この3つの動きができるようになるためにはいろいろな運動療法を行いますが
私が活用しているエクササイズを紹介しておきます。
<蹴り出しの動きのモーターコントロールエクササイズ>
<接地時の動きのモーターコントロールエクササイズ>
もちろん患者さんの状況によって様々なエクササイズを使い分けるため
思考停止でこれらのエクササイズをやれば動きが良くなるわけではありませんが
エクササイズもあるということを覚えておいていただければと思います。
そして
こういったエクササイズを正しいアライメントで実施するなら
インソールが非常に役に立ちます。
フォームソティックス・メディカルのような矯正インソールは
正しいアライメントの中で運動療法を行うため上での環境づくりとしては
非常に優秀なインソールの一つです。
(私は運動療法×フォームソティックス・メディカルの組み合わせを良く使っています)
徒手療法や運動療法の理解が優先度は高いですが
それらを上手く活用するための武器として、
インソールも是非使ってみてくださいね!