こんにちは、PTタイガーです🐯
本日は「外側縦アーチ」について解説していきたいと思います!
目次
■ 内側と比べて“地味”?でも重要な外側縦アーチ
外側縦アーチは、内側縦アーチや横アーチに比べて注目度が低く、研究報告も少ないのが現状です。
しかし、実は外側縦アーチも足部機能において極めて重要な構造であり、見落としてはいけません。
本日はこの“目立たないアーチ”を解剖学・バイオメカニクス・臨床応用の3つの視点から深掘りしていきます。
【1】解剖学:外側縦アーチを構成する要素
🔹骨
- 踵骨
- 立方骨(アーチ中央・要)
- 第5中足骨
🔹関節
- 踵立方関節(立方骨と踵骨)
→ 鞍関節様で、ロック機構あり
→ 内側アーチの距舟関節より硬い構造
🔹靭帯
- 底側踵立方靭帯
- 背側踵立方靭帯(二分靭帯の一部)
→ 強い内反捻挫で損傷することも
🔹筋肉
《外在筋》
- 長腓骨筋:立方骨下を通過、内側楔状骨へ
- 短腓骨筋:第5中足骨底に付着
《内在筋》
- 小趾外転筋:踵骨から第5中足骨へ
- 短小趾屈筋
【2】バイオメカニクス:内側縦アーチとの比較
🔹構成骨・関節数の違い
- 内側:骨5つ/関節4つ → 柔軟性重視
- 外側:骨3つ/関節2つ → 安定性重視
🔹関節の形状
- 外側:踵立方関節(鞍関節様)→ 安定性↑
- 内側:距舟関節(球関節様)→ 可動性↑
🔹アーチ底辺の長さ
- 内側縦アーチの方が長く、外側は短い
→ 短い方が構造的に安定しやすい
🔍評価基準と内側アーチとの関係
内側縦アーチは評価法が多い一方で、外側縦アーチの評価法は少数です。
🔸外側縦アーチの評価項目
- 踵骨–第5中足骨のなす角度
- 立方骨の高さ(立方骨高)
💡エコーを用いた評価では、レントゲンとの一致率が高いという報告もあります。
🔸相関関係の研究結果
- 外側アーチが高いと、内側アーチも高い傾向
- 例:立方骨高↑ ⇔ 舟状骨高↑
🦶ジャンプ着地時のアーチ挙動(研究紹介)
- 外側縦アーチ:回転(アーチ角度が緩やかに=潰れる)
- 内側縦アーチ:並進(第1中足骨が前方・下方へ移動)
➡ 外側縦アーチは初期衝撃吸収の役割を担っている可能性が考えられます。
【3】臨床応用:外側縦アーチに関係する障害
🔸代表的な障害
- 第5中足骨疲労骨折
- 立方骨症候群
- 腓骨筋腱障害(炎症・脱臼など)
➡ 原因はさまざまですが、足部外側へのメカニカルストレスによるものも多いと考えられます。
🏋️♂️外側縦アーチを支えるトレーニング
《外在筋トレーニング》
- 長腓骨筋の選択的抵抗運動
→ 母趾球を押し込むように動かすのがポイント - 短腓骨筋の外転運動
→ 抗重力位やセラバンドで外転方向へ抵抗を加える
《内在筋トレーニング》
- ショートフットエクササイズ
→ 小趾外転筋を含む表層内在筋を鍛える代表的手法 - トウ・スプレッド・アウト
→ 母趾と小趾を開いて地面に接地
→ 小趾外転筋・短小趾屈筋の活性化に有効
🎯まとめ
✅ 外側縦アーチは見落とされやすいが、構造的・機能的に非常に重要。
✅ 内側アーチとの関係性やジャンプ時のアーチ挙動にも注目。
✅ 評価・運動療法の視点で臨床応用が広がる。
ぜひ、臨床でも1つのポイントとして見てみてください!
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