こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
足部障害で重要なのは内側縦アーチ
だけだと思っていませんか?
あなたは足部の体重支持はどこが大きく関わっているご存知でしょうか?
内側縦アーチでも横アーチでもありません。
外側縦アーチなのです。
足部には3つのアーチがあり、それぞれに大きな役割があります。
内側縦アーチ:運動性
横アーチ:柔軟性
外側縦アーチ:支持性
このように分けられます。
どうしても足部障害となると内側縦アーチがフォーカスされやすいですが、
外側縦アーチも非常に重要なアーチです。
特に体重支持で言えば外側縦アーチの方が大事なのです。
今回は、ちょっと見落としがちな外側縦アーチについて解説していこうと思います。
内側縦アーチはわかってきたけど、外側については全然わからないという方は
是非最後まで読んでください。
3つのアーチを構造と機能で分類してみると
内側縦アーチ:リスフラン関節、ショパール関節、1列の捻り合いにより移動→「運動性」
横アーチ:横アーチによる衝撃吸収→「柔軟性」
外側縦アーチ:体重支持→「安定性」
この3つから考えると、外側縦アーチは「安定性」が求められています。
この外側縦アーチが機能しなくなれば、歩行時の支持ができなくなるということです。
外側縦アーチの構成
<構成する骨、関節>
- 踵骨
- 立方骨
- 第5中足骨
- 距骨下関節
- 踵立方関節
- リスフラン関節
<構成する筋肉、組織>
・小趾外転筋
・長短腓骨筋
・短趾屈筋
・底側踵立方靭帯
外側縦アーチが潰れるとどうなる?
- 外側荷重になりやすい
- 内側縦アーチが機能しにくい
- 内反捻挫を起こしやすい
- スポーツでのストップ動作で止まりにくくなる
- 外側の圧が強くなる(第5中足骨疲労骨折)
- 歩行時に外側への動揺が強くなる
内側縦アーチの低下ももちろん様々な影響がありますが、
外側縦アーチも結構な影響を受けるのです。
外側縦アーチは内側縦アーチよりも先に評価、治療をしましょう
多くの人はまだ内側縦アーチの評価を先にすると思いますが、
外側縦アーチを優先的に評価、治療をしましょう!
なぜなら、外側縦アーチの低下が内側縦アーチの低下に大きく関係しているのです。
①外側縦アーチが低下(立方骨が低下)
②5列(小趾)が相対的に背屈位となり不安定(緩い状態になる)
③ショパール関節が内転
④結果的に内側縦アーチも崩れてしまう
という機序があります。
ショパール関節が内転してしまうと、内側縦アーチを作り出すことができません。
扁平足で内側のアーチを上げようとしてもなかなか上がらない、
内側をインソールで持ち上げたときに突き上げ感が強い人は、
外側縦アーチが崩れている場合があります。
このパターンの人はしっかりチェックして挙げてください。
外側縦アーチの評価・治療
別の記事でも紹介していますが、
外側縦アーチの評価は確立されていないので、現場レベルで使っているものを紹介します。
<臨床的評価>
- 立方骨を足底から触れて明らかに触りやすい
- 立方骨部分に圧痛がある
- 小趾外転筋の硬さが触診でわかる
- 立位で立方骨の下に指を入れると全く抜けない
- 歩行時や片脚立位の時に外側への動揺が大きい
- 第5列が過剰に背屈方向に不安定(小趾が浮いている)
これらの所見があれば、外側縦アーチの低下と捉えます。
客観的なデータがあったらぜひ教えてください…
<治療>
- 立方骨挙上、5列底屈方向へのモビライゼーション
- 距骨下関節回内方向へのモビライゼーション
- 小趾外転筋のリリース、収縮促通
- 短趾屈筋、小趾屈筋の収縮促通
動きを自由度を上げて、機能できるように収縮を促すという流れはどの関節でも一緒です。
特に足部に関しては内在筋の機能がとても大事になります。
さらに小趾外転筋は特に重要なところであり、外側のアーチを支える土台です。
この部分が硬くなって動きにくくなっていることが多いです。
小趾外転筋の筋力強化が片脚立位時における姿勢制御能力に及ぼす影響
まずは外側縦アーチを整えよう
外側縦アーチ、非常に重要であることはお分かりいただけたかと思います。
どうしても内側縦アーチが目につくとは思いますが、
この内側縦アーチの低下も外側縦アーチの低下が原因していることがかなりあります。
- まずは外側縦アーチの機能改善を優先する
- 各関節の自由度を上げる
- 収縮運動をさせて機能を戻してあげる
もちろん最終的にはインソールでサポートするのがベストですが、
その前にしっかりと徒手療法、運動療法で改善をさせてあげてください。
明日から外側縦アーチ、チェックしてみてください!
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