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膝関節の運動療法の考え方

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「膝関節疾患の患者さんへの運動療法ってなにをすればいい?」

「患者さんにどんな説明をすればいいの?」

「膝というよりも股関節や足関節が大事なのでは?」

膝関節疾患の患者さんに対しての運動療法を考えると

よくこんな質問がきます。

膝関節疾患で来院したクライアントに対して、

あなたは治療として、徒手療法や物理療法はもちろん運動療法まで、

痛みをなくす、動きを良くするために様々な方法をとられると思います。

これは至って普通な話!

これまでも治療をするにあたって

「なぜなんで」を突き詰めていくことが大事と私もお話していますが、

実際膝関節疾患の患者さんに対してどんな運動療法を行えば良いのか

そういえばちゃんと説明してませんでした・・・
(ごめんなさい 忘れてました・・・)

やはり現場で実践するための引き出しを増やしていけたほうが
臨床の最前線で戦う先生方にはお役に立てるかなと思っています。

ちなみに私が若手のころは

クアドセッティングとヒップリフトくらいしか思いつかなかったくらい引き出しもなく
膝関節の運動療法の本質も理解できぬまま臨床に臨んでいました・・・

もちろん良い結果を残すことができなかった時期もありました。
(その頃の患者さん本当にごめんなさい・・・)

今回は

膝関節疾患に対する運動療法の本質について

お話していきます。

膝関節疾患に対する運動療法に迷いがあったり

もっと膝関節疾患に対する引き出しを増やしたい

そんな人にはお役に立てつかも知れません。
是非最後までお読みください!

目次

膝関節の役割 Joint by Jointの法則

そもそも、膝関節の役割はなんでしょうか?

stabilityでしょうか?

mobilityでしょうか?

答えはstabilityですね。

動作など身体全体からみた時、膝関節の役割は安定性になります。

これはJoint by Jointの法則から考えるとわかりやすいですね。

この図はいろんな場面で出てくるものなので、もし初めてみたという人は是非覚えてください!

なので、 足部に重錘などをつけて膝関節伸展エクササイズをひたすら行うなどは、 実際に動作や姿勢を変える上ではあまり適さないことが多いです。 なぜなら可動性を重視した関節ではないからです。

もちろん当然と思われる人が多いでしょう。

ですが、

どうしても膝関節に可動性を求めてしまって、

安定性というイメージが薄れていってしまう方もいらっしゃいます。

これは私の新人の頃もわからなくなったところでした。

stabilityの関節はmobilityの関節で決まる!

今回はこれだけ覚えてもらえば良いかなと思います。

膝関節というのはstabilityの関節です。

その上下には股関節と足関節というmobilityの関節が存在し、それらに挟まれています。

そのため、まずはmobilityの関節の状態を考える必要があります。

stabilityの関節とmobilityの関節は相互関係にあり

Mobility関節が可動するからstability関節は安定するし、

stability関節が安定するからMobility関節が可動できる。

臨床で多いのは、

安定できないから可動関節が可動できないというよりかは、

可動関節が可動できないから安定関節が安定できない。

というパターンですね。

皆さんも経験があるかもしれないです。

膝関節が安定できないから股関節や足関節が機能しないのではなく、 股関節や足関節の機能不全があるため、膝関節が安定できない。

腰椎が安定できないから胸椎が動かないのではなく、 胸椎が動かないから腰椎が安定できず動くしかなくなる。

臨床での運動療法のポイントは

mobilityの関節の可動域をしっかり獲得する

stabilityの関節の安定性を獲得する

可動すべき関節の関節可動域をある程度獲得してから、 安定関節を安定させた状態で可動関節を動かせるような モーターコントロールのエクササイズが有効なケースが多いですね。 (可動域だけ出して終わりにすると、どこも安定しなくなるので、可動域だけ出せばなんとかなる!ではないので注意です!)

ではその膝関節を安定させるためには 隣接する股関節と足関節はどのような状態が理想なのでしょうか?

膝関節を活かすための股関節と足関節の役割

膝がしっかり安定するには各関節はどんな役割が必要なのか 分けて確認してみましょう!

<膝関節の機能>

膝関節は伸展した状態では骨性に安定できるため、 筋作用はあまり必要とせず安定できますが、 動作を行なっていく際には、どの動作でも膝関節の屈曲と伸展の動きが繰り返されたりするわけで、 屈曲時には膝関節を筋肉と靭帯を使って制御する必要があります。

歩行時には、 膝関節はダブルニーアクションとして屈曲伸展が繰り返されるし、 起立動作では 膝関節が屈曲位から伸展していくため、 屈曲での制御が出来なければ膝関節は安定出来ません。

<股関節の機能>

大腿骨を外旋作用を行うためには、 大臀筋による外旋作用によって大腿骨を外旋方向に可動させます。 この動きを加えることで股関節が安定することに繋がります。

また、大臀筋の上部線維は外転作用。大臀筋下部線維は内転作用。があります。

臨床では、 大臀筋の下部線維が作用しにくい状態にあることが多く、 大臀筋の下部線維は股関節を伸展する際に上部線維と比較して大腿骨の伸展に作用するため 下部線維の作用が重要になります。

膝関節伸展位で膝関節は安定するため、 股関節伸展作用と外旋作用を伴う大臀筋の作用は重要になってきます。

そして膝OAなど慢性的な膝疾患で多いのが、 前額面上での姿勢制御が行えずに膝関節が内反・外反など膝関節には存在しないような動きが伴ってしまうことで 痛みなどの機能障害に繋がります。

そのため、 前額面上での姿勢制御を行う中臀筋が大切になってきます。

この中臀筋や大臀筋が作用するためには、 股関節の深部に存在する小臀筋が作用することが重要。

股関節前面には腸腰筋があり、骨盤前傾に腸腰筋は作用しますね。

膝関節疾患に多いのが大腿四頭筋を過度に使用してしまうパターンがありますが、 上半身の質量重心や骨盤が後傾アライメントにあることによって 重心の前方への移動が困難になり大腿前面を過度に使用してしまうことがあります。

そして、 大腿四頭筋が過度に作用すると、 相反抑制として生理学的作用として拮抗筋のハムストリングスが作用しにく状態になり、 ハムストリングスが作用できないと、ハムストリングスと連結のある腸腰筋も働きにくい状態になります。

<足関節の機能>

足関節の動きとしては、特に重要になるのが後足部。 (まあこれはいつも話していることですね!)

距腿関節による足関節底背屈運動。
距骨下関節による回内・回外運動。

足関節背屈位にあると必然的に膝関節が屈曲位にあり、 足関節底屈位にあれば動作の際の重心の前方移動ができなくなります。

そして、 足関節背屈可動域制限があると、 アーチ機能を自ら破綻させた状態を作ることで背屈運動の代償を行おうとします。

代償がなく、足関節を背屈・底屈できるのか。

距骨下関節が回内・回外のどちらに可動しやすく可動しにくいのか。

中でも膝関節を安定させるためには、下腿を内旋させる作用が必要になってきますが、 下腿を内旋に直接的に関与する筋肉はないと言われています。

しかし、
荷重をした状態であれば、 前脛骨筋の作用により下腿が内旋すると文献的には報告されています。

前脛骨筋の作用としては、 内側縦アーチや横アーチを構成する作用があります。

内側縦アーチや横アーチを構成するためにはまず外側縦アーチが必要であり、
外側アーチが破綻していると、荷重した状態で内側縦アーチ・横アーチともに潰して足部を接地します。

つまり、
下腿内旋をするために必要な前脛骨筋に関しても
内側アーチや横アーチの状態はどうなってるのかということを気にしておく必要があります。

そして、
もし内側縦アーチ・横アーチが破綻しているのであれば、
アーチ破綻の要素を探っていく必要がありますね。

これらの各関節の役割や重要な動きを知った上で 膝関節の運動療法をどのように考えていくか?

膝関節の運動療法の考え方

膝関節は上下の隣接関節からの影響を大きく受けますね。 なので膝関節エクササイズでよくある「クアドセッティング」に関しても、 股関節と足関節の位置関係を考えた上で運動療法を行っていく必要があります。

運動療法を行う際に、 膝関節の動きとしては、前額面上の動きは関節運動としては存在しないため 前額面上での制御としては、足部と股関節で行う必要があります。

股関節及び足関節の可動域に制限があれば

当然その制御は難しいため、代償が出て正しい運動療法になりません。

膝関節の動きは基本的には屈曲と伸展のみであり、 ネットで調べれば色んな運動療法やトレーニング方法が出てきます。

正直言いますと

特別なことはする必要はないと私は思っていて、 目的とする運動が行えることだったり、使いたい筋肉を目的とする筋収縮のパターンなどで行える運動療法が行えればOKです!

複雑なことをする必要はなく、シンプルな運動療法で行っても十分変化は出ます。

以下は股関節と足関節の可動性向上を狙ったエクササイズの1つです
膝をコントロールしようではなく、
股関節と足関節をコントロールさせて、結果として膝関節を守るというの理想です!

膝関節の運動療法にインソールは活かせるのか?

結論から言うと活かせます!

運動療法×インソール

これは非常に効果的だと私は考えます。

膝関節の動きを制御するためには
股関節と足関節のコントロールが必要です。

足関節が崩れた状態ではそれはなかなか難しいです。

足関節の崩れはそのまま重心も変わって代償も入りやすく、股関節の動きも阻害します。

これはインソールを扱っている人はなんとなくイメージしやすいかも知れませんね。

運動療法を行う際、足関節も股関節も全ての動きを意識しながらエクササイズを行うのは正直難しいです。

というか無理だと思います。
(もちろん」私の指導力、誘導力の低さからかも知れませんが・・・)

インソールはアライメントを無意識下でコントロールしてくれる環境になります。

足部に意識を向けずにすめば、あとは可動関節である股関節に意識を向ければ問題ありません。

これでより効果的に運動療法を行うことができます。

私も環境作りを徹底してから運動療法の効果が大きく変わったなと感じています。

運動療法やっているけど、 なかなか動きそのものができてなかったり、 患者さん自身の動きのコントロールが難しい

ということで困っていたら、是非インソールはによる環境づくりを試してみてください!

大前提ですが

股関節や足関節の可動域や筋組織の滑走性に制限がある場合は
先にそっちの改善をしましょうね!
(何でもかんでもインソールにしよう!と言っているわけではないですよ!)

上手く活用することで、運動療法の効果が飛躍的に上がるので

日々の臨床がもっと面白くなりますよ!

気になったら是非チェックしてみてください!

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