数多くの医療従事者が取扱い、
世界でも最も多く研究もされているエビデンスに基づいた医療用矯正インソールである
フォームソティックス・メディカル。
結論からいうと、
このインソールは変形性膝関節症(以下膝OA)に非常に効果的です。
フォームソティックス・メディカルを入れることで
VASが10だったのが0になる事例もあります。
0までいかなくとも
その場でVAS10が3,4まで低下するなんてこともあります。
「今日来るとき痛かったけど、帰るときは全然痛くない」
そういった事例が普通によく起こるインソールなんですね。
こういった事例などをセミナーでお伝えしていると
このような質問が来ます。
フォームソティックス・メディカルは
後足部の過回内を抑制する効果があるインソールだと思うんですけど
なんで、O脚傾向(膝が内反していく)傾向にある膝OAに効果的なんですか?
これは至極真っ当な質問です。
フォームソティックス・メディカルは
確かに過回内を抑制する機能はあるんですが
過回内を抑制するだけではないのです!
「ただ内側上げているだけ」
「内側に倒れているものをぐっと持ち上げているだけ」
ではなく
固有受容器へ刺激を入れるという研究論文もありますし
バイオメカニクス的に見ても、
踵骨をニュートラルに持っていくという機能なので
実は過回外に対してニュートラルに誘導していくという機能もあります。
いろんな機能が複合的に発動するのです。
過回内がひどい人には、
過回内を抑制する機能が発揮されます。
それが顕著に目に見えて出るというだけです。
前提として
フォームソティックス・メディカルは過回内を抑制するという概念ではないのです!
これを前提として考えて
例えば
膝OAで内側がぶつかって痛いという人
膝が内反しているO脚の人は、膝が外に広がってしまっているから痛みがある。
ではそのストレスを膝の内反をまっすぐに戻せばいいと考えますね?
歩行時でいうラテラルスラストのことです!
(立脚時に膝がカクッと外側に流れていく感じですね。)
このラテラルスラストの動きを抑制すれば治るのではないか
と見立てを立てますね。
それ自体は間違っていません。
しかし、
膝関節はJoint by Jointの法則で
膝だけでコントロールすることはできません。
上下の股関節と足関節からアプローチするしかありません。
股関節は運動療法が非常に有効ですが、
足からはどうするか?
運動連鎖的に考えて
膝が外側にいっているんだから、
足部回外傾向だろう!
だから、回外を抑制するラテラルウェッジを入れる
ラテラルウェッジというのは踵の外側を上げるものです。
整形外科だと、
ラテラルウェッジの効果のある足底板を
義肢装具士さんが作ってくれますね。
O脚傾向、ラテラルスラストを抑制するために
足部にラテラルウェッジを入れたという患者さんがいます。
その患者さんはその見立て通りになるか?
全員が全員それで治るわけではないです。
効果的ではないというケースも多々あります。
むしろ、
効果が出ているのを見たことが少ない
というようなお声のほうが多いです。
この現実にどう向き合うかですね。
なんで下腿が外方傾斜しているのに
足部にラテラルウェッジを入れても
膝の症状が良くならないのか?
この何故の分析をしていきます。
今回は、
変形性膝関節症とインソールの関係性を
運動連鎖と歩行の視点からお伝えしていきます。
「インソールをより活かしていきたい!」
「変形性膝関節症のO脚を改善させたい!」
「運動連鎖と違う現象が起きていてパニックになる」
そんな方は是非最後まで読んでください!
実際の現象と力学のメカニズムは別
なぜ運動連鎖、キネティックチェーンの考えから外れた現象が起きているのでしょうか?
結論から話すと
起きているメカニズムと実際の現象は
必ずしも整合性がとれるわけではないです。
キネティックチェーンというのは力学的な話であり、
あくまで考えです。
実際に起きていないこともあるのです。
といっても、
教科書通りの運動連鎖は確実に理解していなければいけませんので
まずは教科書的な運動連鎖のおさらいをしましょう。
教科書的な運動連鎖
上行性運動連鎖でみると
足部が過回内して扁平足寄りだと
膝はどうなるでしょうか?
膝は外反と言って、
動作の中でいうとKnee-inという状態になりますね。
距骨下関節が過回内すると、
脛骨は、内旋・内転していく方向になります。
大腿骨も内旋・内転方向にいき、骨盤は前傾します。
骨盤が前傾すれば、
腰椎の前弯が強くなります。
足部回内→内旋→内旋→前傾
という感じになりますね。
逆に足部の過回外だと
足部回外→外旋→外旋→後傾
になりますね。
足部から波及する上行性運動連鎖と骨盤から波及する下行性運動連鎖を図にまとめたのがこちらです。
こちらは足部が回内しているパターン
次に足部が回外しているパターン
逆に骨盤から波及する下行性運動連鎖
こちらは骨盤が後継するパターン
そして最後にこちらが
骨盤が前傾するパターンです。
これらが下肢のキネティックチェーンの基礎ですね。
しかし
この基礎知識を知っていると
「え、このOAの患者さん、足部過回内なのに膝が内反している」
「あれ、足部過回内だとknee-inじゃなかったか?」
「キネティックチェーンの原則に反してるぞ」
ということが多々あります。
なんだ? 教科書通りじゃないから分かんないぞ!
ということになりますよね?
それはどういうことか?
運動連鎖通りにならない理由
先程の現場の例は
「足部が過回内だったら」という話で足部起点の上行性運動連鎖としての話しですよね?
下行性運動連鎖であれば
「骨盤が後傾していたら、膝はO脚の方向に、足部は回外方向に行くはず」
なのに実際には骨盤は後傾しているのに、knee-inの方向に行っている。
という方もいます。
下行性運動連鎖からみてもおかしなことが起きています。
これは
人体を一面だけで見てはいけない
ということです。
人体をキネティックチェーンという面だけで
解説してはいけないということです。
「キネティックチェーンというモノサシを使ったらこのように考えることができるよ。」
という考え方なだけであり
それだけで全部を解説することはできないということです。
下肢には、
上行性運動連鎖
下行性運動連鎖
という力学が働いています。
これは間違いありません。
もちろん他の力学も働いています。
動作のスピードやモーメントなどが働いていますね。
色んな概念が働いて今の現象である
「足部が過回内だけど膝はO脚の状態」
になっているのです。
構造的、生理学的、神経学的
いろんな側面の総合体が今の身体の状態をつくっています。
なので
運動連鎖という側面だけでなく、
それ以外の側面も見ないと、
現象を説明できないよね
ということです。
足部過回内、だけど膝は内反している膝OAの方の説明ですが
この方は
足部過回内しているということは、
足部回内→Knee-inする方向に上行性運動連鎖は働いています。
ただしそれは、そこに力学が働いているというだけです。
それが本当に見た目としてそうなるのかは別問題。
エネルギーが働いていることは間違いありません。
しかし実際にknee-inするかは別という話です。
なぜなら骨盤が後傾しているとして、
後傾している理由は様々です。
骨盤が後傾していると、
行性運動連鎖ではどうなるのかというと
膝は外に向き、内反方向にいくという運動連鎖が起こります。
骨盤後傾による下行性運動連鎖は、膝を外に開こうとする力学が働き
足部過回内による上行性運動連鎖は、膝を内に閉じようとする力学が働きます。
それらの力学同士がぶつかるんです。
ぶつかる場所が
膝関節なのか
足関節なのか
股関節なのか
真逆の2つの力学がどこかでぶつかるのです。
その結果どうなるかというと、
どちらかになるのです。
7:3で上行性運動連鎖が勝つとかはわかりません。
モーターコントロールもあるし、
筋膜連鎖もあるし
姿勢制御の癖もあるし
キネティックチェーン以外のものもぶつかっています。
なので、何が原因かはわからないんです。
ではどうやって臨床で解決すれば良いのか?
臨床現場で解決するための道筋
足部が過回内で膝は内反してラテラルスラストが発生していて膝が痛い
こういうときに何をすれば良いのか?
なにか決め打ちで
上行性も下行性もぶつかっているけども
自分の見立てでは、上行性運動連鎖をまず解決したほうが
足部の過回内を解決したほうが良いのではないか
という見立てでフォームソティックス・メディカルを入れてみましょう!
とにかくワンアクションとらないと何も始まりません。
多くの人はここで考えすぎてしまって次のアクションがとれていません。
まずワンアクションをとってそのリアクション(臨床的な反応)をみる必要があります。
これは入谷式足底板の概念とかも一緒ですね。
「まずここにパッドを貼ってみていい方向に変わるか変わらないかを確認してみる」
これと一緒ですね。
私もインソールだけでなく動きの改善や痛みの改善をする際には、
必ず試しに誘導してみて変化が出るかを確認しています。
いわゆる仮説検証作業です
なので
まずは足部過回内を治そうというプランで決断しないといけません。
もしくは
ラテラルウェッジでも良いんです。
骨盤のコントロールからでも良いんです。
とにかく
「ここから攻める」というのを決める必要があります。
その決めきる要素を集めるには
初の評価の精度にもよってくるので
どうしても決めきれないものがあります。
なので
ある程度思考したら
「よし、これでいこう!」
と決めるしかないです。
それがトレーニングでもいいですし、
ォームソティックス・メディカルを入れるでもいいです。
(なんでもかんでもやるではだめですよ)
それで
フォームソティックス・メディカル入れてみたら
痛みが軽減すれば
その判断が合っていたという感じで良いですよね。
もし変化がなかったら
「あ、これは違うんだ」
という解釈で良いのです。
これはもちろんお金も時間もかかるので
ある程度自分の中でロジックがないと
無責任なやり方になってしまうんですけど
この記事を読んでくれているあなたはそうではないと思います。
これが現場の臨床での方針。
臨床で起こっている現実に対処する指針ですね。
変形性膝関節症は歩行速度を見よう
そしてもう一つ!
膝OAということで
ラテラルスラストが起こる理由ですが、これは動的に考えていきます。
回内、内反などは
静的に状態を切り取って考えている話しですね。
ですが、
歩行時痛というのは動いているときに痛みがでているものです。
なので歩行という動作の中でどうなっているかを考える必要があります。
「ラテラルスラストがなぜ起きるのか」というと
原理原則としては、
歩行スピードが関係します。
歩行スピードが遅いと、膝は横に動いていきやすいです。
前方推進力が低いと、エネルギーが横にブレてしまいやすいのです。
前後の動的な時間軸で見ると
シンプルに膝OAの方には歩行速度を上げるが解決策になるのです。
「膝OAの歩行時痛を改善させる」には、これが治療のゴールになりますね。
では歩行速度をいかにあげるかというと
ちゃんと蹴れるようにする
ということが必要になりますね。
ちゃんと蹴れるようにするには、
「足部が接地時に正しい動きやアライメントである」ことが必要です。
例えば
1列の動きが悪い状態では、
立脚後期に剛性を高めることができず
蹴ることができず前方推進力が低下します。
なので1列や中足部の動きがしっかりとれるように
フォームソティックス・メディカルを入れてあげるのです。
回内回外という静的な切り取りの話しから一旦離れて
動的に前方推進力をどう上げていくかという話になります。
筋力やモーターコントロールなども重要だと思いますが、
足部を床反力が使えるような状態にするために
フォームソティックス・メディカルを入れる。
ここがポイントになってきます!
このフォームソティックス・メディカルは
歩行における前方への推進力をあげるのにとても効果的なんです。
これは論文もでています。
膝OAになぜフォームソティックス・メディカルが有効なのか?
それは動的に歩行速度を上げるという側面で
ラテラルスラストを抑えることができるからです。
フォームソティックス・メディカルは
確かに後足部アライメントを改善から下肢の痛みを改善させるのに優れたインソールですが
後足部アライメントという視点だけでなく、
歩行の推進力向上によりラテラルスラスト抑制で負荷を軽減させるという
歩行速度の視点でも優れたインソールなのです!
まとめ
変形性膝関節症の患者さんの中には
回内回外という面において
足部が回内していて膝が内反になるという教科用通りの状態にならないこともあります。
それは上行性と下行性の運動連鎖がぶつかるからです。
実際の現象と力学のメカニズムは別で考えましょう。
そして、膝OAを改善するためには、
必ず歩行速度をみましょう!
歩行というのは反射の動きなので
筋力は最低限機能していれば大丈夫です。
あくまで反射が正しくできる足部の状態をつくることが大事です。
これをフォームソティックス・メディカルで作ってあげることが重要なのです。
この観点でフォームソティックス・メディカルを処方するということを
是非ワンアクションとして試してみてください!
論理で考えていても何も始まりません。
見立てがある程度できたら試しに入れてみましょう。
このワンアクションによりあなたの臨床が更に開けてくると思います。
もしまだフォームソティックス・メディカルを試したことがないなら
無料トライアル期間中の今すぐに申し込んでみてください!
▼フォームソティックス・メディカルとは?
日本最大規模となる1936名が認定され、
全国47都道府県704院で導入されている世界的なインソールです。(2023年10月現在)
足病学エビデンスに基づく世界的な矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは、
足病学先進国であるニュージーランド、オーストラリアでトップシェアであり、
矯正インソールの業界で唯一40以上の論文が発表されている、
エビデンスに基づく信頼性の高いインソールです。
フォームソティックス・メディカル取扱認定の詳細はこちらから