こんにちは 理学療法士の石田ゆうやです。
“下腿外旋症候群”
膝痛で来院する患者さんの中でもよく出会います。
膝関節は基本的にねじれない関節です。
もちろん膝伸展に伴い外旋するスクリューホームムーブメントはありますが、
基本的にはあまりねじれませんよね?
なのになぜ、ねじれてしまうのでしょうか?
あなたはその原因がわかりますか?
下腿の「ねじれ」によるストレスを考えることは膝をみる上でとても大切です。
そしてこのねじれに対して理解ができるようになると、
膝関節の治療により自信をもって臨めると思います。
私はこれがわかってからかなり楽になりました。
膝の治療に苦手意識をもっているなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
下腿外旋症候群の原因は大きく3つ
正直これを探すのが難しいんですよね…..
原因が複数に絡んで、様々なパターンがあります。
ただ、
大切なことは局所を全体を考えていくことです。
数多くの下腿外旋症候群の患者さんの評価から、
考えられる原因を3種類に絞りました。
これ知ってるだけでもこれから膝関節をみるときの評価がスムーズです。
①大腿・下腿外側組織の滑走不全
②下腿内旋筋の出力低下
③knee-inや横すわりによる下腿の外旋(他関節の原因)
この3つだけ知っておいてください。
1つずつお話しますね。
そもそも下腿外旋症候群ってなに?
<下腿外旋症候群とは??>
①屈曲域での下腿外旋
②伸展域でのわずかな下腿外旋
③伸展域での脛骨外方偏位を示す
①〜③を引き起こす下腿の状態。
膝OAは進行すると脛骨が外旋すると報告されています。
実際に下腿外旋症候群になると
1膝の可動域制限
2膝の痛み
3荷重・歩行時の膝のストレスの増大
などの問題に絡んできます。
実際に膝OAは「大腿骨に対する下腿の外旋」が認められています。(Saari,2005)
つまり、
下腿の外旋がある場合はしっかりと修正しておくことで、
痛みや可動域制限の改善につながるということになります。
①大腿・下腿外側組織の滑走不全
◉大腿二頭筋
◉腓骨神経
◉腓骨筋
◉膝窩筋
◉外側側副靭帯
このあたりの大腿の外側の組織が癒着して、
滑走不全を引き起こすことが問題になります。
上記の筋肉が下腿を外側に引っ張ることで「下腿外旋」のアライメントが完成します。
②下腿内旋筋の出力低下
下腿を内旋させる直接の筋肉は屈曲位と伸展位で分けましょう。
<膝伸展位からの下腿内旋>
・膝窩筋(膝伸展位からの下腿内旋)
<膝屈曲位からの下腿内旋>
・薄筋・縫工筋・半腱様筋・半膜様筋
「これらの筋出力が弱くなっている」
or
「力が出にくいアライメントになっている」
このような可能性があります。
③knee-inや横すわりによる下腿の外旋(他関節の原因)
これは局所的ではなく、
ちょっと俯瞰してみた時の「なんで大腿外側の癒着や内旋筋力が低下するの?」
という根本の部分です。
例えば
1knee-in(膝が内側に入り、下腿は相対的に外旋)
2横座りの習慣がある(膝が内側に入り、下腿は相対的に外旋)
など
では、
「なぜknee-inや横座りの習慣があるのか?」
をさらにひもとくと、
1knee-in→足関節の扁平足、股関節外旋筋力低下
2横座り→骨盤前傾位、股関節の前捻角が大きい、股関節外旋筋力低下
などが考えられますよね?
(ここにはさまざまなパターンがあるので、絶対これ!とは言い切れません。例えば足関節のハイアーチで下腿が外旋する人もいれば、扁平足で外旋する人もいます。)
ということは、
1下腿外旋の局所的な問題点
2その原因になっている根本の問題点
の2つにアプローチが必要になるということですね。
どちらか一方だとすぐに戻ってしまいます。
そりゃ昔の自分の治療でなかなか治りが悪かったわけです…笑
次回はこれらの評価と治療戦力についてお話していきます。
今回の内容だけでも、膝の治療に関して少し明確になるかなと思いますので、
明日から「下腿外旋」要チェックです!
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