どうも。柔道整復師のスズキタケヒロです。
今回は インソール をテーピングで再現する方法について書きます。
と言ってもインソールを100%再現するのは不可能ですのでご注意ください。
そりゃぁインソールとテーピングはそもそも物が違いますから100%再現するのは不可能です。
あくまで一時的にインソールの代わりをテーピングで行う方法になります 。
その理由もブログを読んでもらればわかるようになっていますのでぜひ最後までお読みいただければと思います。
ブログの最後にはYouTubeリンクがあるので読むのが面倒な方は一番下へ今すぐGO!
さて、あなたは足病医というものをご存知ですか?
日本では聞き慣れない言葉ですよね。
足病医というのは
足病学に基づいて下肢全般の疾患に関して、診察、爪や皮膚への処置、薬剤やインソールの処方、理学療法、手術などを行う専門医
足専門のドクターってことですね。
整形外科医、耳鼻科医、内科医、麻酔科医、歯科医などの医師と同じラインです。
海外では国家資格となっていて教育機関でカリキュラムを修了する必要があります。
日本では取得することはできないので聞き慣れないのは当然です。
海外にはこれだけの足病医がいます。
日本ではほぼ学ぶ機会がない足病学ですが、2019年奇跡は起こりました。
このブログの目次
1、過回内足について
1-1、過回内足ってなによ
1-2、過回内の現場はどこだ?
2、過回内足の治療
2-1、過回内足は治るのか?
2-2、手を出すべきは前足部と後足部のどちらなのか
3、テーピングによる過回内足の矯正方法
3-1、素材による違い
3-2、実際の矯正方法
4、インソールとの組み合わせ
4-1、組み合わせがいい理由
4-2、患者さんと施術者どちらもハッピーって話
以上を足病学ベースにお伝えしていきます。
〜注意〜
今回のご紹介するテーピングは足病医が推奨しているものではありませんのでご注意ください。
1、過回内足について
治療院で仕事をしているとよく出くわしますよね。
会う確率が高いってことは改善できないとマズいですよね。
ということでもう少し過回内足を深掘りしましょう。
1-1、過回内足ってなによ
過回内足:Overpronation(オーバープロネーション)
言葉で説明する前に見てもらった方が早いのでご覧ください。
左:自分の経験史上最強のOverpronation
右:まぁまぁよく見るレベルのOverpronation
程度は違ってもどちらもOverpronationです。
内側アーチが潰れて、踵骨が外反していて…
ようは扁平足ですね。
小児期扁平足
歩き始めの時期に家族が扁平足に気付いて来院することが多い。土踏まずは立位で消失するが、非荷重では出現する。関節周囲の靭帯が弛緩し、踵部が外反しアーチが低下する。一般に疼痛を伴うことはない。
成人期扁平足
足の縦アーチを保持する後脛骨筋腱が変性断裂すると後天的な扁平足を生じる。後脛骨筋腱機能不全は多くの成人期扁平足の原因であり、中年以降の女性に多発する。
標準整形外科学 第12版より引用
遭遇率が高いのは成人期扁平足でしょうか?
成長期の子供の扁平足は何と言うのでしょうか?(標準整形には載っていない)
ぼくは圧倒的に成人期扁平足と成長期の子供の扁平足との遭遇が多いです。
1-2、過回内の現場はどこだ?
Overpronationはどこで起こるのか、一度考えてみてください。
主な現場は距骨下関節(Subtalar joint)です。
距骨下関節(Subtalar joint)
ここが主な現場になります。
Subtalar jointがOverpronationすることで、前足部への負荷の加わり方(力学的負荷方向)が変化するため、横アーチが潰れて、母趾が外反して、前足部全体が外転します。
つまりこれらの変化はOverpronationによる二次的な変化ということです。
2、過回内足の治療
前の項でお話した横アーチ、外反母趾などに対しての治療というのはよく見ますがOverpronation自体の治療ってあんまり見ませんよね?
なぜでしょう?
これらがあくまで二次的な変化であるという認識がないのでしょうか。
外反母趾にテーピングを貼ってもそれは根本改善ではないですよね。
改善すべきはOverpronationです。
2-1、過回内足は治るのか?
これはちょいちょい議論になる部分だと思います。
扁平足は治るのか?みたいなのをよく見かけます。
ここで治るの定義を共通認識にしておきましょう。
ここでの治るとは
内側縦アーチが形成され、足部のOverpronationがなく、かつOversupinationもない状態
※Overpronation:過回内 Oversupination:過回外
治るがこうだとしたら、あなたはどう思いますか?
”ぼくの”答えは No です。
ただし例外はあります。
例外①:インソール使用中は治っている状態
インソール使用中は足部は矯正されているので治っている状態っと言ってもいいかと思います。ただし使用をやめれば足部はまたOverpronationに戻ります。インソール=メガネと捉えると分かりやすいと思います。
例外②:成長過程で継続的にインソールを使用した場合
成長過程にある子供がインソールを継続的に使用した場合、成長完了時に足部のOverpronationが改善されている可能性はあるかもしれません。
おいおいインソールしかねーじゃんかってことですね。
テーピングでも矯正はできます。が、やはりインソールには劣ります。
テーピングがインソールに劣る点の例
・こまめな貼り替えが必要になる。
・故に非経済的で計算すると結果的にインソールより割高になる。
・矯正力はインソールの方が強い。
・テーピングは皮膚がかぶれるリスクがある。
テーピングとインソールを費用の観点から比較
1回¥300のテーピングで矯正ができたとします。
2〜3日で貼り替えるとすると1週間で¥750
それが1ヶ月続くと¥3,000、1年続くと¥36,000
テーピング矯正は1年で¥36,000かかります。
インソール(ぼくが取り扱っているのはFormthotics Medical)の場合
1足¥12,000+足検査代¥3,000
合計で¥15,000で耐久は約1年です。
インソール矯正は1年で¥15,000かかります。
その差、年間で¥21,000です。
ま、この話は一つの参考程度にしておいてください。
2-2、手を出すべきは前足部と後足部のどちらなのか
Overpronationの改善を行う場合、前足部と後足部のどちらをいじるべきか。
ここまで読んだあなたならもう答えは分かりますね?
答えは後足部です。
よく前足部に大量のテーピングをして、趾を開かせ、横アーチを持ち上げ、母趾の外反を元に戻すのを見かけますが、足病学的にあれは結果への対処であって原因に対しては何もしていません。
Overpronationの結果、趾が開かなくなる
Overpronationの結果、横アーチが潰れる
Overpronationの結果、母趾が外反する
※ただし注意、痛みの軽減などの対処としては必要なことも充分あります。
Overpronationの現場がどこだったか思い出してください。
距骨下関節(Subtalar joint)でしたね。
ということはいじるべきは後足部ということになります。
足病医来日セミナーの中でこんな質問がありました。
「日本では外反母趾に対して前足部に張るテーピングや前足部につけるサポーターなどがあるがどう思いますか?」
これを見た足病医は「ニュージーランドじゃこんな物ないよ」と笑っていました。
ぼくにはそれが
なんで前足部なんだ?という呆れ笑い
逆に気になるという好奇心からの笑い
の半々に見えました。
日本の足治療は遅れているなぁと強く感じた瞬間でした。
「日本では外反母趾に対して前足部に張るテーピングや前足部につけるサポーターなどがあるがどう思いますか?」という質問自体が外反母趾が二次的なものと認識していない証拠かなとも思います。(セミナー参加者の質問なのでセミナー後には本当の原因を理解されていました。聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥!)
ちなみに足病医は検査の結果、大概インソールの一択だそうです。
(さすが海外は超合理的)
3、テーピングによる過回内足の矯正方法
では実際のテーピング方法について解説していきます。
3-1、素材による違い
ぼくは使うテーピングを大きく3種類に分けています。
上から
キロテープ キネシオ
日本製マイクロファイバーを使用し、驚異の撥水と抜群の速乾性を実現。それにより、テープの蒸れを防ぎ、サラサラな状態をキープ。薄くて強靭な生地は、”人間の手”に近い感覚。
キロテープ ハードロック
製作ビジョンは、試合中汗ビッショリの中でも瞬時に半固定できる強粘着のイメージ。伸長率110%と、アソビを作った固定が可能
ホワイトテープ
よくある普通のホワイトテープです
※キロテープ説明文は販売サイトより引用
で、どれを選ぶかなんですが。
ハードロックです。
テーピングで少しでもインソールに近い矯正を再現する必要があります。
ぼくの実体験だと
ホワイトでは長時間は貼っていられません。
キネシオでは固定力不足です。
とうことでハードロックが最適です。
患者さんからの反応も一番良いですしね。
3-2、実際の矯正方法
貼り方はすごく簡単で特殊なことはしません。
以下のテーピングを使用します。
・外側ヒールロック
・舟状骨リフト(呼び方知らないので勝手にこう読んでます。)
・外側ヒールロック
ここでの目的は踵骨の外反を防ぐことです。
・舟状骨リフト
ここでの目的は内側縦アーチの頂点である舟状骨を持ち上げることです。
百聞は一見にしかず!とうことで動画でご覧ください。
貼る際に意識したい重要ポイント
外側ヒールロック
踵骨を内反方向に押さえつけるのでかなり引っ張って貼る。
舟状骨リフト
荷重時の舟状骨の下がりを抑えるので上へ向けてかなり引っ張って張る。
以上を踏まえてもう一度、動画を見てみてください。
4、インソールとの組み合わせ
実は紹介したテーピングはインソルールと相性がいいんです。
先にお伝えしておきますがテーピングをした状態でインソールを使用するわけではありません。
インソール購入への障壁をテーピングを使用することで取り除けるんです。
4-1、組み合わせがいい理由
Overpronationの改善には理想はインソールを使ってもらうことでした。
ですが、インソールを買おう!となるまでに3つの大きな障壁があります。
「インソールください!」という患者さんなら何も問題はありませんが
「インソール欲しいんですけど、けど…」という患者さんには大きな障壁です。
それがこちら
障壁①:そもそも効果あるのか
障壁②:値段が高いから効果なかったら損になる
障壁③:損したくないからお試しがしたい
安い買い物じゃないから失敗したくない、失敗しないか不安。そういうことです。
たとえ丁寧に説明していくら理屈攻めしても不安なものは不安です。
ですが
これら全てをテーピングが解決してくれます。
テーピングのメリットは
単発で使うとインソールより圧倒的に経済的です。
インソールより矯正力は弱くても動画の貼り方ができれば改善は体感できます。
この体感がなによりも大事!
つまりテーピングでお試しをして、そこで改善が体感できれば
不安が解消&テーピングより矯正力の強いインソールで失敗するはずがありません。
障壁①:そもそも効果あるのか
→矯正力の劣るテーピングで充分に体感&理解
障壁②:値段が高いから効果なかったら損になる
→テーピングで効果体感済み
→継続使用だとインソールの方が圧倒的に経済的
障壁③:損したくないからお試しがしたい
→テーピングで単発お試しが可能
不安が払拭できれば患者さんはインソールください!となります。
大概の場合、不安に思うことって似てるんですよね。
患者さん(買う側):高いのに効果なかったら嫌だなぁ
施術者(売る側):高いのに効果なかったら申し訳ないなぁ…
なのでこのテーピングでの単発お試しをすることでwin-winになります。
4-2、患者さんと施術者どちらもハッピーって話
ここまでお読みくださったあなたはもうお分かりですよね。
今回ご紹介のテーピングを覚えてしまえば自分も患者さんもハッピーになれます。
普段からテーピングに触れている人なら全然難しくないですよね!
今回はここまで。
今回ご紹介のテーピングについては
X:@kilomatsuさんまでお問い合わせください。
今までになかったテーピングを作っているめちゃ×2熱い人です。
ということでテーピングだけやってても患者さんへの最大貢献はできません。
患者さんに最大貢献したい方はこちらのページをチェックすることをオススメします。
あしか協会:http://ashika.tokyo/
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