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足部における筋肉の個体差

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こんにちはPTタイガーです。

今回は足部における筋肉の個体差についてです。

この筋肉の個体差は臨床においても非常に重要な意味を持ちます。

後脛骨筋の個体差は、成人の後天性扁平足の主な原因として知られる後脛骨筋機能不全

と、そして腓骨筋群の個体差は足関節外側の疼痛と関係していると言われています。

足部・足関節の筋の中でも、非常に重要な筋である後脛骨筋と腓骨筋群の2つを中心に、私たちの筋肉にはどのような個体差が存在しているのか、解説していきます。

ぜひ、最後までお読みください。

目次

後脛骨筋付着部のバリエーション

後脛骨筋の停止部はどこでしょうか?

まずは、「舟状骨」が頭に浮かんでくると思います。

続いて「内側楔状骨」でしょうか。

だいたい、このくらいが一般的に覚えている範囲でしょうか。

しかし、後脛骨筋には様々な部位の停止部が存在しています。

・中間楔状骨
・外側楔状骨
・第2-5中足骨
・短母趾屈筋
・長腓骨筋
・底側踵立方靭帯

そしてこれらの付着部はすべての人に存在しているわけではなく、個体差があります。

上の図を見ていただくと、後脛骨筋が様々な部位に付着しており、さらに、そこには個体差が大きいことがわかります。

タイプ1の人とタイプ4の人では、後脛骨筋の支持性や収縮したときの足部の動きも大きく変わってくる印象があります。

内側縦アーチの動的な支持をする筋として、非常に重要な筋である後脛骨筋ですが、タイプ4の人は横アーチや外側縦アーチの保持にまで関与する機能を持っていることが想像できます。

反対にタイプ1の人であれば、その機能は内側アーチの保持のみです。

距骨下関節や距舟関節にも、その形状に個体差があり、扁平足との関連性も報告させていますが、この後脛骨筋の付着部のバリエーションによっても、動的なアーチの保持には影響が出てきそうですね。

補足で、横アーチを支える母趾内転筋についても、バリエーションが報告されているので解説します。

母趾内転筋といえば、内在筋の中で横〜斜めに走行している筋で、その筋は小さいものの、主に縦に走る足趾の外在筋に対して、横アーチを保持する上で、非常に重要な筋であると思います。

その母趾内転筋ですが、横頭、斜頭ともにバリエーションがあると報告されています。

いかがでしょうか?

この図を見ると、Aのタイプの人と、CやDのタイプの人とでは、かなり横アーチを保持する力が変わってきそうな感じがしますよね。


横アーチの強度は縦アーチの硬度に40%以上関係すると言われているので、この筋の個体差も臨床上重要となってくることが予測されます。

腓骨筋群のバリエーション

続いて、足関節外側の安定性に強く影響する腓骨筋群についてです。

腓骨筋群といえば

・長腓骨筋
・短腓骨筋
・第3腓骨筋

が一般的ですよね。

ちなみに第3腓骨筋は長趾伸筋の一部であることや、約5-10%の人に欠如が認められるとも言われていますね。

ただ、腓骨筋群にはこれ以外に、変異筋(variant muscle)と呼ばれる筋が存在していると言われています。

その筋が

第4腓骨筋(Peroneus quartus)
第5趾腓骨筋(fibularis digiti quinti)

この2つの筋です。

これらの名称については、初めて聞く人も多いのではないでしょうか?

ちなみに第5趾腓骨筋という名称に関しては、検索しても出てこなかったので、私が英語から訳した名称です。

そして、第4腓骨筋に関しては、足関節外側の疼痛、長腓骨筋の変性や断裂、腓骨筋腱の脱臼、石灰化など、多くの問題と関連している可能性があると言われています。

これは、臨床的にも重要性がありそうですよね。

では、まず第4腓骨筋のバリエーションを見てみましょう。

第4腓骨筋は主に4つのパターンがあります。

主には短腓骨筋から発生して踵骨や立方骨、第5中足骨底に付着しています。

この筋によって、外返し・外転作用がより強くなりそうです。

続いて、第5趾腓骨筋です。

こちらは4つに分類されています。

こちらは全て短腓骨筋から分岐した腱です。

長趾伸筋との結合があるため、短腓骨筋は主に底屈筋ですが、この筋があると、短腓骨筋の収縮に伴い、背屈の収縮も共同して行われる可能性がありそうです。

一つのタイプでは背側骨間筋まで連結しているので、第4・5趾の運動にも影響がありそうです。

足趾を動かすとき、小趾側の分離運動が非常に上手な人いませんか?

もしかすると、この第5趾腓骨筋が発達しているかもしれませんね。

最後に、背屈筋である前脛骨筋も付着部のバリエーションがあるので、載せておきますね。

数%ですが、母趾への関与が強いタイプの付着部があります。

こういった人は、母趾の背屈を協力に行えるかもしれません。

まとめ

今回は、後脛骨筋、腓骨筋群を中心に、足関節・足部筋の個体差について解説してきました。

改めて、人体は奥深く、解剖は教科書の知識から発展させて、学んでいく必要があるなと感じます。

ちなみに、今回は筋肉についてお話ししましたが、これは関節の形状についても言えることです。

足部の関節の個体差についてはこちらでも詳しく解説しています。

よければこちらも確認してみてください。
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それでは最後までお読みいただきありがとうございました!

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