「足部苦手だけど、今更アーチについて知らないのはマズい」
「インソールの勉強したいけど足部苦手だから無理かなぁ」
「扁平足について結局よくわからない・・・」
インソールは学びたいし使いたいんだけど
足部に苦手意識があって手を出せていない
結構多いと思います!
なぜなら私もそうでしたし
フォームソティックス・メディカルの認定講習会に参加される先生方も
足部に苦手意識がある人もたくさんいらっしゃいました。
わかります!
足部ってなんか難しいんですよね・・・
骨は多いし筋肉も細いし評価することも多いし・・・
しかし
それでもしインソールの勉強をするか迷っている、諦めている人は
今日でその悩みを解決できるかもしれません!
確かに足部は細かいですし
インソールを扱う場合はどうしても足部の評価をしっかり行わなければなりません。
ですが、
評価していくうえで必要な要素を知ることができれば
実はそんなに難しくて諦めてしまうほどハードルの高いものではありません。
臨床1年目の時に扁平足やアーチの構成、その役割や動きに関して
マジでなんにも知らなかったし評価もできてなかった私でも
「これ知っとけばなんとかなるな」という内容を用意しました!
頑張って解剖学や運動学の書籍を引っ張り出して読み込むなんて
なかなかハードル高いですが
要点をまとめたブログならなんとか読めるかもしれない!
(私はそんな感じで勉強をスタートさせています)
今回は難しいテクニックについては一切触れません!
今更聞くのはちょっと恥ずかしいような
足部のアーチと扁平足についてお話していこうと思います。
足部が苦手という人
インソールやりたいけど渋ってる人
そんな人にはお役に立てると思います。
ぜひ最後までお読みください!
アーチってなぜ大切?
そもそもアーチってなんで大切なのか?
ここが結構重要になってきますよね?
<アーチを構成する要素>
足部アーチには
中足部を頂点として
内側縦アーチ
外側縦アーチ
横アーチ
が存在します。
◯内側縦アーチ
構成する骨:
踵骨・距骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨・第1−3中足骨
構成する筋肉:
母趾外転筋・短母趾屈筋・短趾屈筋・前脛骨筋・長母趾屈筋・後脛骨筋
◯外側縦アーチ
構成する骨:
踵骨・立方骨・第4、5中足骨
構成する筋肉:
長腓骨筋・短腓骨筋・小趾外転筋
◯横アーチ
構成する骨:
内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨・立方骨・第1−5中足骨
構成する筋肉:
長腓骨筋・母趾内転筋
内側縦アーチ、外側縦アーチともに踵骨結節を起点として、
内側は距骨・舟状骨・内側楔状骨を通り、第1中足骨に至ります。
外側は立方骨を通り、第5中足骨に至ります。
後方横アーチは、
内側。中間、外側の3つの楔状骨と立方骨からなり、骨と靭帯に支えられ、極めて強固に構成されています。
前方横アーチは
第1−5中足骨頭の位置にあります。
荷重により中足骨は背屈するので、
3つのアーチ全ては構造上、必ず平坦化します。
<アーチの大切さ>
アーチが低下することで 、 扁平足を呈します。
扁平足には先天性のものほか、外傷や麻痺、炎症を原因とするものがありますが
発育に伴う体重増加、活動量の増加が原因となる場合や
靭帯の弱化、筋力低下によりアーチが扁平化するものもあります。
特に体重増加などの静力学的負担に耐えられずにアーチの低下をきたすものを
一般的に静力学的扁平足(static flat foot)といい、
扁平足の中で最も多く全体の90%を占めるとされています。
扁平足により疼痛などの症状を訴えるものは実は16%
無症状であることのほうが多いです。
扁平足により衝撃を吸収する機能(スプリング機能)が低下し 地面と接する箇所の圧力が増加します。
その圧力が集中したことで疼痛や胼胝が発生します。
扁平足と関係の深い足部周囲の疾患としては
外反母趾
後脛骨筋腱炎
足底腱膜炎
鵞足炎
膝蓋靭帯炎
などがあります。
このあたりはあなたもなんとなくイメージできるかなと思います。
扁平足を呈する症例の多くに筋力低下が見られますが、
先天的な要素で姿勢筋緊張が低いケースや、
general laxityといわれる全身的な関節弛緩を呈するケースもあります。
(女性は特に関節弛緩性が強いことがありますね)
扁平足の根本的な要因・症状にみられる背景も考慮しておきましょう!
(だから既往歴のヒアリングは非常に大事なんですよね)
<姿勢や歩行におけるアーチの役割>
ではこのアーチは姿勢制御や歩行においてどんな役割があるのか?
歩行において
立脚初期では内側縦アーチは低下し、トラス機構によって側部の安定性が高くなり
立脚後期には足趾が伸展、ウインドラス機構により内側縦アーチが上昇して足部の剛性を高める
こうして効率的に床反力を得ています。
後足部の回内が強くなるにつれて、
歩行速度が減少したり、重心位置が内側へ偏位するというのは研究でもわかっていることです。
なので歩行や姿勢に大きく関わるのはまずは内側縦アーチ及びその起点となる後足部になるということですね。
(フォームソティックス・メディカルがなぜ後足部のアライメント補正を大事にしているのかはこういうところから来ているかもしれません)
〜アーチと荷重〜
荷重がかかると踵骨は床面に対して底屈・外反方向に働きます。
荷重により舟状骨・立方骨レベルでの横アーチは、
アーチの外側に位置する立方骨の接地点を支点として内側に倒れるように変形すると考えられています。
また、 体重増加や活動量の増加、禁の弱化などでアーチの力学的平衡が破綻して骨配列が崩れると
距骨の前内方への滑りが起こるため、
体重は3つのアーチに均等に分散されず内側縦アーチ側にかかってきます。
距骨は筋肉の起始・停止をもたないため、
踵骨の傾斜に伴い同じ方向に傾斜します。
踵骨の内側傾斜により距骨の内側傾斜が連鎖するため、
踵骨のアライメントが足関節の背屈可動域に大きく影響することになります。
ここまで来ると
「なんで足部回内が良くないのか?」
というのがメカニズム的にわかるかなと思います!
◯支える筋肉の弱化・活動量の増加・体重増加
↓
◯骨配列が崩れてアーチが低下する
↓
◯重心位置が内側に偏位
↓
◯踵骨も内方に偏る
↓
◯踵骨の内方傾斜に伴って距骨も傾斜
↓
◯距骨の後方滑走ができなくなり背屈制限
こんな感じの流れになります。
後足部のアライメントめっちゃ大事やん!
と思わされますね。
では扁平足に対してどのようなアプローチをしたらいいのか?
扁平足に対するアプローチの理論と技術について
ここまでの話で、アーチは筋肉が大きく関与していることがわかりますが
従来から扁平足に効果的とされていたタオルギャザーや母指屈曲エクササイズは
効果を十分に示さないということが近年わかってきました。
私も最初は思考停止でタオルギャザーさせてたなぁと思い出します・・・
荷重下で足関節底屈位にて足部の回内外動作を行う後脛骨筋トレーニングが
内側縦アーチ保持に重要という研究が出ています。
そしてこのブログでもちょくちょく出てくる内在筋
内在筋は
表層に
母趾外転筋・短趾屈筋・小趾外転筋
第二層に
足底方形筋・虫様筋
第三層に
短趾屈筋・母指内転筋・短母趾屈筋
第四層に
骨間筋が存在します。
どこにどんな筋肉が走行しているかはチェックをしておきましょう。
内在筋は、
距腿関節をまたがないため、足関節の底屈背屈の動きには関与しません。
なので距腿関節の動きを伴わせても効果はないので注意です。
内在筋トレーニングは
DIP関節屈曲・PIP関節屈曲位でのエクササイズが効果的です。
short foot exerciseですね!
非荷重ではアーチの保持には足底内在筋は関与しない
片脚立位かつ荷重の内側偏位に伴い足底内在筋の活動が増加する
上記のデータから、必ず荷重下でトレーニングを行います!
(結構荷重せずにベッド上で足趾を動かしてもらうケースをみかけますが、足底内在筋が活動しないので注意です)
しかし
荷重下でのトレーニングが難しいケースもありますよね
その場合は座位で行います。
内在筋でも、特に筋力低下が著しくなるのが短指屈筋です。
静的制御組織で最も剛性に関与する足底腱膜から起始します。
そのため、
ゴルフボールを足底に当てた状態で転がしながらshort foot exerciseを行うことで
短指屈筋を働かせることができます。
立位荷重下でshort footができない人にはこれを試してみましょう!
扁平足にインソールは非常に有効
扁平足は内在筋エクササイズでアーチを挙上させて支えを作るのが最も大切ですが
内在筋エクササイズが難しい高齢者や、早く現場に復帰したいアスリートなど、
即効性が必要な場合はもちろんインソールはとても有効な方法の一つです!
特に最初に話した通り
アーチの起点となる踵骨のアライメントが、そこからつながっているアーチに大きく影響します。
そのため、
後足部が過剰に傾斜せず、直立化できていることが最も重要なファクターにもなってきます。
これは内在筋エクササイズだけでは不十分であり、
後足部を直立化させたながら動ける環境を作る必要があります。
それがインソールです!
インソールのイメージとして
内側縦アーチが下がっているのを物理的に持ち上げて
アーチを作るのがインソールの役目である
というのは私もよく聞きます。
もちろん間違ってはいないです
しかしもっと大きな効果があるのです!
扁平足に対してなぜインソールが効果的なのか?
それは崩れた骨配列を整えることで
トラス機構、ウインドラス機構などの足部本来の機能を活性化させ
再度足部の各筋肉と靭帯での支持性を上げやすくする環境にしてくれるのがインソールです。
セラピストが徒手療法ではどうしてもやりづらい領域を
足部の環境を整えることで活性化させることができる。
めちゃくちゃ便利ですよね!?
そしてそんなインソールの中でも、
医療用矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは
後足部を直立化させる環境としてはとても効果的なインソールの一つになります。
この状態であれば内在筋も使いやすくなり
履いて動いているだけで足趾や内在筋への刺激をいれることができます。
(これがインソール療法ですね)
フォームソティックス・メディカルを入れてから
「全く使うことができなかった足趾が使えるようになった!」
「踏ん張りが効くようになった」
「外反母趾の変形が緩やかになった」
「崩れていたアーチが戻ってきた」
「背屈可動域が拡大した」
「FPIの数値が正常に近づいた」
そんな結果を多くの臨床現場で体験します。
なぜこれができるのかというと
フォームソティックス・メディカルというのは
矯正という言葉の通り、骨配列を整えて、足部本来の機能を再学習させることも目的にしたものだからです。
アーチというのは崩れれば、
痛みや代償動作など、障害につながる足部の大事なファクターです。
その崩れてしまった機能を再学習させる最も効果的な方法の一つが
インソール療法になるのです!
インソールを扱う上で
付着している筋肉の機能や起始停止を憶えるのももちろんですが
それらがどんな役割を持っていて
なにをすればその動きになるのか?
なにをしたら修正できるのか?
ということを理解しておくことで
足部からのアプローチがより効果的になります。
インソールがなぜ必要かということも
イメージしやすくなったのではないでしょうか?
是非明日から改めて患者さんの足部の評価やインソール療法に活かしてみてください!
▼フォームソティックス・メディカルとは?
日本最大規模となる1936名が認定され、
全国47都道府県704院で導入されている世界的なインソールです。(2023年10月現在)
足病学エビデンスに基づく世界的な矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは、
足病学先進国であるニュージーランド、オーストラリアでトップシェアであり、
矯正インソールの業界で唯一40以上の論文が発表されている、
エビデンスに基づく信頼性の高いインソールです。
フォームソティックス・メディカル取扱認定の詳細はこちらから