バレエのように前足部で身体を支えたり、
陸上短距離のようにしっかり蹴り出すためには、
下腿三頭筋がしっかり機能できていることが重要です。
しかし、
下腿三頭筋硬い人多くないですか?
立位姿勢や歩行の偏りにより、
下腿三頭筋が常に過剰緊張することで本来の機能が出せていないことを
臨床では多く経験します。
あなたもこんな経験ありませんか?
「カーフレイズのトレーニングがなかなかうまくできない」
「足部の浮腫が強くてなかなかとれない」
「足関節背屈の制限がなかなか改善しない」
これらは下腿三頭筋がしっかり機能できていないことが大きな原因の1つです。
今回は、
足部のコンディショニングにおいて非常に重要な
下腿三頭筋を機能させるアプローチ
についてお話します。
足部の筋機能改善や柔軟性改善で困っている方は
是非最後までお読みください。
下腿三頭筋の機能
下腿三頭筋とは
腓腹筋内側頭および外側頭とヒラメ筋の3つのことを言います。
機能としては、
主に足関節底屈ですね。
下腿三頭筋の大きな役割として
- 歩行時の蹴り出し
- 血流循環促進のためのポンプ
の2つが存在します。
どちらも非常に重要な役割であり、
下腿三頭筋がうまく機能しないと、
歩行で前にスムーズに進めませんし、
血流を心臓へ向かって戻すことができません。
この下腿三頭筋が常にいい状態であることは、
下肢機能だけでなく身体全体のコンディションにも大きく影響します。
そんな下腿三頭筋ですが、
臨床現場だと硬くなっているケースがとても多いです。
下腿三頭筋が硬くなる原因とは?
そして下腿三頭筋が硬くなるとどうなるのか?
下腿三頭筋が機能不全を起こす原因とその影響
下腿三頭筋は立位姿勢や歩行で負荷がかかりやすい筋肉です。
負荷がかかるというか、身体を支えるためにはある程度緊張をしていなければならないのですが、
少しでも偏りがあると、余計に緊張が入っていまいます。
こちらの図を御覧ください。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-02-16.01.40-1024x575.png)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-02-16.02.15.png)
このように
床反力ベクトルが足関節中心よりも前方を通るような感じで
やや前方荷重になっていると、
足関節は背屈方向に倒れていくので、
それを抑えるブレーキとして下腿三頭筋が余計に頑張らなければなりません。
これを繰り返すことで、下腿三頭筋の緊張時間が伸び、
循環不良や伸張性の低下が起こります。
過緊張状態が続くことで、筋肉は滑走性を失い、
収縮弛緩するための動きが取れなくなってしまうのです。
筋肉は滑走性を失うと伸張性だけでなく、
収縮するための滑走性も低下するので、
力も入りづらくなり、結果として筋力が低下します。
更にこれが続けば筋肉そのものの柔軟性も低下するので、更に伸張性は低下します。
伸び縮みの動きが減ることで血流循環のためのポンプ作用も低下してしまうため、
足全体が浮腫んできます。
下腿三頭筋が頑張りすぎた結果、
その滑走性を失うことで
可動域制限や循環不良、筋力低下に繋がってしまうのです。
この滑走性をどのように改善していくか?
下腿三頭筋の滑走性を出すエクササイズ
下腿三頭筋の硬さは徒手療法だけでは十分な改善がし辛いです。
(もちろん組織間リリースやマッサージなどで多少緩みはします)
しっかり筋肉が滑走する環境にするには、
しっかり伸びて、しっかり縮む
という動作が必要になります。
それが以下のエクササイズです。
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/DSC09721-1024x683.jpg)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/DSC09722-1024x683.jpg)
![](https://podiatry.tokyo/wp-content/uploads/2023/10/DSC09723-1024x683.jpg)
やることはカーフレイズに近いのですが、
段差の上に舟状骨あたりまでが出るくらい後ろにはみ出した状態で立ちます。
↓
この状態から
カーフレイズと同じように踵を上へ持ち上げます。
ここでしっかり下腿三頭筋が収縮します。
↓
そこから下ろすのですが、
中間位ではなく、そのまま踵を下まで下ろしましょう。
そうすることで下腿三頭筋が伸ばされます。
この動作を繰り返すのです。
踵を持ち上げてから段差の高さよりも下まで下げる
これにより下腿三頭筋の収縮と伸張が繰り返されるため、
下腿三頭筋がしっかり伸びて、しっかり縮む
という動作になります。
これにより筋肉の滑走性を取り戻します。
10回程度繰り返した後に
可動域足底やカーフレイズを実際にやってみましょう。
動きが変わってくるはずです。
エコーがあればエコーでその滑りを見ながら行うことで、
より滑りを確認しながら実施することができますよ。
インソールでもし柔軟性や筋力になかなか変化が出ないという場合
このような筋肉の滑走不良が起きている可能性が現場ではよく経験します。
もし、
「カーフレイズのトレーニングがなかなかうまくできない」
「足部の浮腫が強くてなかなかとれない」
「足関節背屈の制限がなかなか改善しない」
これらをインソールだけではなかなか改善が難しい場合、
是非下腿三頭筋の滑走性もチェックをしてみてください。
筋肉の滑走性まで考えられるようになると、臨床がさらに深みを増し
あなたの治療の結果が更に良くなるでしょう。
そして、下腿三頭筋を硬くしてしまう姿勢や歩行の癖は、
インソールで十分改善が可能です。
滑走性が改善しても動きが改善していなかったらまた元に戻ってしまいます。
戻りを防ぐための最高の武器がこちらです。
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