「足を良い状態にするために内側アーチは大事である」
「後足部のアライメントが最重要だ!」
「足指の動きを見逃さない!」
「足関節の背屈は必要不可欠!」
とまぁ良い足部を作るために考えるべきことはたくさんあります!
もちろんどれも正解ですし、私もこれらを大事にして患者さんの足部をみています。
しかし
意外と忘れられがちな部位があります。
アーチです!
いやいや! 一番良く考えてるから!
という声が聞こえてきそうですね。笑
あなたはすでに内側縦アーチを中心にアーチについてはしっかり評価をされていると思います。
それは足部評価において非常に大事なことです。
今回のアーチに関しては
内側縦アーチでもない
外側縦アーチでもない
そう!
横アーチです!
アーチというのは内側縦アーチと外側縦アーチに加え
横アーチの存在も忘れてはいけません。
ちなみに私も
最初は内側縦アーチばかり気にしすぎていて
横アーチについてなんて考えてもいませんでした・・・
(あなたはそうならないでくださいね)
実際横アーチについて考えるようになってから
より歩行の変化を出せるようになりました。
縦アーチだけでなく、横アーチも一緒に考えることが
良い足部を形成するために必要な要素になります。
今回は
そんな横アーチについて触れつつ
良い足部を作るにはなにが必要なのかを改めて考えていきたいと思います。
これから足部を深めていきたい
足部が苦手で何が大事かわからない
もっと患者さんの歩行や動きを変えたい
そんな人にとっては今回の内容はお役に立てるかなと思います。
是非最後までお読みください!
良い足部の条件のおさらい
そもそも
良い足部の条件とはなんなのか?
というところをおさらいしましょう!
(私はしょっちゅうこれ忘れるのでメモ帳に書いています)
①背屈が十分できる
②足指が屈曲・伸展できる
③アーチが形成されている
④後足部が直立している
ここに加えてFoot Posture Index-6の項目を入れています。
①距骨頭触知
②外果の上限の曲線
③踵骨の回内・回外
④距舟関節の隆起
⑤内側縦アーチ
⑥前足部の内転・外転
歩行や動作の評価ももちろん別で行いますが
足部一つの評価でもかなり細かく行います。
この中で
「アーチが形成されている」
というのは特に重要であり
アーチが破綻していることで
●前方への推進力を得られない
●必要以上の荷重負荷がかかる
●足底へのメカニカルストレスが増大する
●足指が機能しづらくなる
●歩行での代償が起こりやすくなる
これらのような影響が起こる可能性があります。
そして
前方への推進力や接地時の荷重ストレスの抑制や、足指の機能に関しては
横アーチが重要になってきますね。
早速アーチに関しておさらいしていきましょう!
足部のアーチについて
アーチを細かく分けると
●内側縦アーチ
●外側縦アーチ
●前方横アーチ
●後方横アーチ
と4つに分類されます。
内側縦アーチは
踵骨、距骨、舟状骨、楔状骨、第1中足骨
外側縦アーチは
踵骨、立方骨、第4−5中足骨
前方横アーチは
第1-5中足骨
後方横アーチは
内、外、中側楔状骨、立方骨
で構成されています。
構成されている骨が明確なだけでも
この骨のアライメントが崩れていると、このアーチに影響が出ていそうだな
と考えることができます。
大雑把に評価していたポンコツだった自分でも
骨をひとつひとつチェックすることがいかに大事かがわかります。
そして
それぞれの頂点ですが
横アーチは
第2趾、中間楔状骨
内側縦アーチは
舟状骨
外側縦アーチは
立方骨
この3つの骨が下制しているということは
アーチが低下していると言うことになりますね。
そしてもう一つ大事なことがあります
内側縦アーチと外側縦アーチを形成する骨は
どちらも横アーチを形成する骨にもなっているということです。
このことからわかるのは
内側縦アーチ、外側縦アーチどちらが低下しても
横アーチはそれに伴って低下してしまいます。
横アーチを高めるには
内側縦アーチと外側縦アーチを正しいポジションにする必要がある
ということです。
アーチを構成する筋肉
アーチを良い状態に保つには
構成している筋肉がなんなのかを理解して
そこに対してアプローチができるようにしなければなりません。
足部の筋肉は細かいですし憶えるのが大変です。
(私もすぐ忘れてしまいます)
なんども見返しましょう!
<内側縦アーチ>
●長腓骨筋
●後脛骨筋
●母趾外転筋☆
●前脛骨筋
●長母趾屈筋☆
●短母趾屈筋☆
●長趾屈筋☆
<外側縦アーチ>
●小趾外転筋☆
●長・短腓骨筋
●短趾屈筋☆
<横アーチ>
●長腓骨筋
●母趾内転筋☆
●後脛骨筋
この中の☆マークがついている筋肉
これらを足部内在筋と呼びますが
この内在筋が横アーチに大きく影響します!
足部疾患、下肢疾患で来院する患者さんの多くは
この内在筋の機能不全が多いです。
原因はいろいろありますが
●荷重ストレスが強く筋肉の滑走性が低下している
●足趾を動かす機会が少ない
●足趾が機能しづらいくらいサイズの小さいシューズを履いている
このあたりが多いかなと思います。
現代のライフスタイルだと
ほとんどの人が洋式の靴を履いているため
足趾を使う環境にない状態です。
(日本の草履や下駄を履いていた時代は、嫌でも足趾を使わないといけない履物でしたね)
なので自然と内在筋が弱くなりがちなのです。
(これは仕方ない部分もあるので、使う機会を作ってあげないとですね)
では横アーチの機能を改善させていくためには
まずなにからやっていくべきなのか?
横アーチ改善のための内在筋アプローチ
①小趾外転筋・短趾屈筋の活性化
↓
②短小趾屈筋の促通
↓
③小趾外転筋・腓骨筋の活性化
↓
④後脛骨筋×長腓骨筋の活性化(クロスサポート)
↓
⑤母趾外転筋の活性化
最近私は現場レベルではこの順番で行うようにしています。
(現場レベルではあるためこの手順にはまだエビデンスはないです・・・)
基本的には触診ができる前提として
各内在筋の滑走性を出すための徒手アプローチを行います
(方法に関してはなんでも良いです! 私はたまたま組織間リリースを使っています)
そこからアクティブアシスティブで可動域を出していきます。
これも特殊な技術というよりは可動域範囲内を徒手で誘導しながらアクティブに動かしてもらい
筋肉の発火と滑走を促しているだけです。
(もっといい方法があれば教えて下さい)
最終的にshort foot exerciseにたどり着きますが
こちらはこれまでの記事でも何度か出ていますので、
おさらいがてら図を載せておきますね
後脛骨筋と長腓骨筋に関しては
内在筋ではないですが、アーチを保持するうえで非常に重要な筋肉になります。
クロスサポートメカニズムという
筋の走行が重なって剛性を高めるシステムですが、全てのアーチに影響するため
この2つの筋肉が機能不全を起こしているとアーチはなかなか良い状態に保つことが難しいです。
クロスサポートメカニズムが機能していれば
横アーチの低下はかなり抑えられるので
内側及び外側のアーチも整いやすいです。
インソールは動きが出てからが最も効果が出る!
インソールは足部のアライメントを整える上で非常に優秀なアイテムです!
医療用矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは
後足部を中心にアーチの崩れも抑制してくれるため、足趾も使いやすくなる環境になります。
(実際に使っている患者さんでも足趾が全く使えていなかったのが、使えるようになるというケースはたくさんあります)
もちろん積極的に使っていきたいアイテムですが
是非組織の滑走性や可動性を出してから使うと更に良い効果が出ます!
良い環境でも、滑走性が悪ければ動きやすくさせるのに時間がかかりますが
先に内在筋などの滑走性や足趾ひとつひとつの動きを出した状態で
フォームソティックス・メディカルを入れると
良い環境の中で動きが促通されるため、より早く良好な運動学習を行うことができます。
是非フォームソティックス・メディカルを入れる際には
こちらを念頭に入れておくと、更に良い効果を出していけると思いますので
活用してみてください!