足病医療者(ポダイアトリスト)が直面する最も繊細な課題の一つは、最適な治療法と患者の経済的現実をすり合わせることです。
今日は治療の質を妥協することなく、患者の経済的状況に合わせたケアを提供する方法を探索していきます。
主に筋骨格系の疾患の例から話していきますが、筋骨格系の疾患のみならずいろいろな疾患で適応可能な話であり、今日は主に治療の枠組みをどうとらえるべきか、どのように価値を効果的に伝えることができるか、そして患者の臨床的ニーズと経済的ニーズ両方を満たす選択肢の提示の仕方を議論していきたいと思います。
医療専門職として、第一に考えるべきは提供できる最良のケアを行うことです。
しかし、現実的な問題として患者がその費用を捻出できるかという問題があります。
このジレンマは簡単なものではありません。
まず、足病医療者として倫理的に推奨すべき治療法は臨床成績が良く、患者のニーズに合致した治療法です。一方で、その治療法を推奨することによる経済的負担も考慮しなければなりません。
このバランスは大変繊細なものです。私たちが介入する価値を伝えることは、患者の治療への自発的参加の為きわめて重要なものですが、場合によっては患者の経済的な制約によって、理想的な治療方針を貫くことができなくなる可能性を排除してはいけません。
価値に基づいたケアを提供するために、臨床家として質の低いケアを避けることは必要不可欠です。ここでいう質の低いケアとは治療介入をする割には患者に与える恩恵が少なく、不必要な医療費や副作用を引き起こすものです。
この話題は大変繊細です。なぜなら質の低いケアとは個々人によって異なり、個々人にニーズによっても異なるためです。この話題についてはまたの機会に掘り下げましょう。
公平な治療の推奨:倫理と患者ニーズのバランスを取る
患者に治療法を提案する際には様々な倫理的配慮が必要で、こうした配慮をすることで、効果的な患者ケアを提供するための基盤となります。
私たちの推奨治療はいかなる時も利益と切り離さなければなりません。これの意味するところとしては、損失決算でより良い結果を出したいがために利益率の高い治療法を推奨してはならないということです。
さらに重要なこととして推奨される治療が演繹的なエビデンスと良い治療例を基に組み立てられたものであり、万一にも治療家個人の意見や推測される患者の経済状況から導出されたものであってはなりません。

倫理的考慮
・臨床的有効性を第一に
倫理的ヘルスケアの基盤となるのは患者の状態や個人目標に合致した治療法を優先し、エビデンスに基づいた効果も考慮しなければなりません。患者の経済状況は考慮せずにです。読者の中にはこの記事は患者の経済的状況を踏まえた治療と言っているのに経済状況は考慮しない?と疑問に思うかもしれませんが、治療の第一歩として大事なのは思いやりと透明性を以て、すべての選択肢、関連費用、各介入のリスクとベネフィットを患者さんに伝えることにあります。治療の大原則として、すべての患者さんが治療開始時点で可能な限り最善の治療を受けられられることを保証することにあります。
・推奨時のバイアスを避ける
臨床家にとって、患者がどの治療費を支払えて、どの治療費を支払えないと推測することは避けなければいけないことの一つです。選択肢は勝手に判断された経済的状況で狭められてはいけないものですし、臨床家に入るお金で定められてもいけないものです。このようなことがおこなわれてしまえば、最適な治療を提供できなくなってしまいます。
価値について伝えることの意義

最近の潮流として、患者が自分の治療に「納得」するための障壁は、究極的には臨床家が患者に介入の価値を付け加えなかったり、伝えられなかったりすることに尽きると語る臨床家がふえているそうです。
価値について話をするときは、患者のゴールに対して推奨治療とマネジメントプランを効果的に紐づけることと同義です。このことをうまく伝えられれば、順調に推奨治療の話をしているといえるでしょう。
しかし、治療介入の価値をうまく伝えられたとしても、経済的な制約は残ります。
経済的制約のその先
・価値 vs 購入しやすさ
患者が治療の価値とその潜在的なメリットを理解することは大切である一方、この理解がすぐに購入のしやすさにつながるわけではありません。治療をするときに理解されれば絶対治療につながるという考えをもってはいけないのです。
・制約を認識する
経済的制約を認識して議論をすることは治療の価値と患者の経済状況の中間地点を見出すことができるかもしれないです。
どうすれば効果的に価値を伝えることができるか?
患者教育と信頼
医療従事者は信頼が自動的に伴い、この信頼しないという倫理的制約が伴う特殊な立場に置かれています。
治療介入の価値を伝えることは、巧みな売り文句を洗練させることではなく、治療目的と患者さんの目的を効果的にリンクさせることにあります。
・教育的アプローチ
患者に今の状態と推奨治療に関する情報を包括的に伝えましょう。このことには、なぜ特定の治療に効果があるのか、その利益、潜在的なリスク、長期的な結果などが含まれます。
・透明性を通じた信頼の構築
治療の選択肢について、その長所と短所、費用面の影響を含めて透明性を持って話し合うことは、信頼関係の構築に役立ちます。
・個別化された説明
患者個々人の理解度(ヘルスリテラシー、言語など)に合わせた説明の仕方を取りましょう。この個別化アプローチによって患者は情報をしっかり理解し、よりよい判断が下せるようになります。
効果的に価値を伝える方法論
先ほども述べた通ですが、効果的に価値を伝えることは、最終的には治療の目的と患者の目的をリンクさせることと同義です。
この点において成功するためには以下のような方法が考えられます。
・類推法と比喩の使用
複雑な医学情報を類推法と比喩を使うことで単純化し、患者がより親近感を持てるようになります。
・視覚的補助材料
チャートやモデル、デジタル教材を用いて視覚的に治療とそのメリットを伝えられるようにしましょう。視覚情報を活用することは大変価値のあることで、患者が必要と感じている教育方法の一つです。(リンクはこちら)
・ケアの継続性
患者-医療提供者の関係を続けることで、時間がたつににつれてより深い理解につながり、治療に関する議論をすることがより意義のある、効果的なことになります。
全く関係のない事柄ではありませんが、治療の価値を伝えることと、高あるいは低価値の治療を行うことは別物であることは理解しなければなりません。
高価値あるいは低価値のケア
「低い」価値のケアを定義
ケアのうち、一切のメリットはない、あるいは価値に対して著しく低いメリットしかない治療で、その価値の低さゆえ資源のムダであるもの。(スコットとダケット, 2015)
・最小のメリット
低価値ケアは、患者にかなり少ないあるいはまったく利点のないことが示された介入のことを一般的に指します。ここには、古い治療法やすでに十分行われた介入、エビデンスの低い治療などが含まれます。
・資源の誤配分
考えられるメリットに対して、コストの高さや考えられる副作用が釣り合わない場合
・患者視点での「低価値」
低価値の定義は患者個々人が持つ病態、嗜好、期待、ニーズにより異なります。
一つのシナリオで低価値とされたものがほかのケースで高価値とみなされるケースもあります。
低価値ケアの例
・不必要な検査/画像化
臨床的に価値があるとみなされていないあるいは患者マネジメントに寄与しないと考えられているもの。例えば、足底腱膜炎で初めて来院された患者になんの治療介入も非定型症状もな状態でX線検査や超音波検査を実施すること。筋骨格系で推奨された治療はこちらを参照ください。
・過治療
エビデンスやベストプラクティスに沿わない、あるいは一定の患者にとって効果が小さいとみなされた方法や治療をすることを指します。この文脈で徒手療法/他動的運動療法が非難を浴びることがあります。ここで一つはっきりさせたいこととして、私は他動的運動療法に反対しているのではなくて、臨床的根拠が欠如しているにもかかわらず利用している場合に反対しています。
こういった場合、
a) 治療の窓口を広げるための計画性がない
b) 患者は「プロトコル」や全く根拠のない理由に基づいてセッションを予約
上記二点が起こっている場合が多いです。
治療介入が全く役に立たないことは少ないですが(今日はパンドラの箱をあけるのはやめましょう)、個人の病態、過去の経験などを考えた上で臨床的意義と治療法の活用を模索すべきです。臨床的理由付けなくして臨床家の癖や手順、経済的関心に基づいて行われた治療は大抵問題を引き起こします。
・体外衝撃波治療を第一選択で使用
多くの治療ガイドラインでは体外衝撃波治療は第一選択ではなく、その他の治療法がうまくいかない場合に検討すべきとしているものが多いです。
・手術的介入
ケガをした患者が保存的治療の前に手術を勧められたとき。もちろん、手術が第一選択となる疾患もありますが…私が不適切と感じた治療介入に最もふれたのは労働者補償制度のケアマネージャとして働いていた時期でしょうが、このことについては別の機会で話しましょう。
述べた通り、治療介入は臨床的判断・勘が必要な場面であり、すべての患者が文献で示されたような経過を示すわけではないのです。足底腱膜炎の例で考えると、患者の病歴、状態、過去の治療などから足装具や体外衝撃波治療をより早く行わなければいけないケースがあるかもしれません。難治性の治療では使用しない場合もあります。 Management of Plantar Heel Pain: a best practice guide (Morrissey et al, 2021)
忘れないでほしいのはすべての筋骨格系疾患はバイオメカニクス的問題ではないのです。
こちらを読みましょう:臨床の時、ついついバイオメカニクス的要素に飛びついていませんか?
高価値治療とは?
・エビデンスに基づいた治療
「高い」価値の治療は強い臨床的エビデンスに基づきます。このことには利用可能なエビデンスの中で最適なものを判断材料に、治療が効果的で必要なものであることを保証します。
・患者中心のアプローチ
ここには患者の疾患状態、好み、価値、過去の経験、総合的な治療目標を治療計画の際に考えることです。(この後説明します)
・費用対効果
高価値の治療はコスト面と医療制度の利用を考慮しなければなりません。このとき、コスト面に対して最大の効果がある治療を選択しなけければなりません。もちろん、この記事で検討している複数の要素に対応してバランスを取る必要があります。
・事前措置
高価値治療には事前措置を行い、その後予測される頻度の高いあるいは高い費用の必要性を軽減させる側面もあります。筋骨格系のリハビリを手術前に行うことなど考えましょう。
患者中心のケア
これまで私は患者中心の治療についてなんどもこの記事で述べてきました。ここで大事なのは疾患のみならず、人も治療しているということです。
このことを理解するために、順調なマネジメントは高価値ケア(エビデンスによる、患者中心の、費用対効果の高い、事前措置を含んだケア)を患者への命令ではなく対話を通じて行うことであると認識する必要があります。
インフォームド意思決定
インフォームド意思決定とは情報を提供するだけではありません、患者が治療の道中でより活発な役割を求めやすくなります。
基本的に患者に健康に関する懸念点や可能な治療選択肢を明確に、包括的に伝えることにあります。
患者中心医療の重要な点として、患者に可能な治療をすべて伝えており、特に効果があるものを信頼できるエビデンスとあなた自身の臨床経験に基づいて伝えており、一緒にインフォームド意思決定ができるようにすることがあります。
インフォームド意思決定(IDM)の要点
1.すべてのオプションの提示
患者は関連するすべての治療について知らされる必要があります。コストの高いものや複雑なものも例外ではありません。ここにはメリット、リスク、想定される結果、コストがすべての選択肢で提示されている必要があります。
2.明確なコミュニケーション
患者には簡単でわかりやすい言葉を使い、医療専門用語は避けましょう。患者が異なる治療の微妙な差までしっかり認識しているようにしましょう。
3.別の選択肢について話し合う
初期の治療選択だけではなく、よりコスト面で優れた別の選択肢について話し合う必要があります。こうすることで、患者が可能な治療のスペクトラムを認識し、コスト、メリット、リスクなど入手可能なすべての情報から判断が可能となります。
4.患者の自律性を尊重
患者に質問を聞き、気になっている点を話してもらうように推奨しましょう。患者の選択と好みは、例え臨床家の物と異なっていても尊重すべきです。
インフォームド意思決定(IDM)を促進する方法
・教育教材
患者に患者の状態や推奨される治療を説明した書きもの、図、ビデオを使用することで理解促進が期待できます。
・共同意思決定(SDM)
患者と臨床家が協働して意思決定をすることで、患者の価値観と好みに合わせた決定ができます。このとき、患者に積極的に開放型の質問をするように促します。SDMはインフォームド意思決定(IDM)の基盤となります。
・フォローアップ
ケースによってはフォローアップとしての議論や相談に乗ることで、患者に選択肢を考慮してもらい、追加の情報や説明を行うことができます。
自己評価チェックリスト
1.コストよりも臨床判断
最適な治療を臨床的に必要で効果があるから推奨していますか?場合によっては患者の経済的余裕を前提に治療を推奨していませんか?
2.患者コミュニケーション
どれくらい患者に可能な治療を効果的に伝えられていますか?すべての情報について包括的に提供し、患者がその価値と予想される結果を理解する助けになっていますか?
このとき、治療の目的(病態に応じて)、潜在的なリスク、潜在的なメリット、コスト、別の選択肢を提示できるようにしましょう。
3.バイアスになっていないか
私の治療に何かしらのバイアスが含まれていませんか?すべての患者に公平な治療を、経済的状況抜きで提供できるような方策は取っていますか?
経済的障壁を治療提示後に考える
まず最初の治療選択肢を個人評価と個人ニーズに基づいて提示した後、患者の経済的状況を考えなければいけない場合があるかもしれません。
これらの懸念点について共感をもって効果的に導くことは経済的な意味合いで患者が必要な治療を受けるために必須のスキルとなります。
経済的な状況への対処
経済的な制約について触れることは多くの患者にとって繊細な事柄となります。
患者に経済的な状況について尋ねると不機嫌になることは往々にあります。このとき、共感、理解とプロフェッショナリズムをもって対応することが大事です。
以下にいくつか検討しなければいけない事項があります。
冷静で思いやりのある態度を保つこと
どのように?
・共感的応答
患者の気持ちを、その内容問わずしっかりと理解しましょう。共感、理解を示し、その懸念点はしっかりと考慮されていることを示しましょう。
・冷静に敬意をもって
冷静で落ち着いた態度を保ちましょう。患者の感情的な応答は落ち着いた、安心した対応が望まれ、イライラした否定的な胎動は歓迎されません。
話し合うに際してプライバシーに配慮できることを示しましょう
患者と接する場所がプライベートな場所で、患者が不安点をほかの人に聞かれることなく打ち明けられる場面であることを確認しましょう。
例:話し合いは受付エリアではしない。
積極的に耳を傾け、患者の懸念点を確認しましょう。
・積極的な傾聴
患者にすべての集中を傾けましょう。遮ることなく患者が不安なことを打ち明けられるようにしましょう。
・確認
患者の経済的状況によるストレスをしっかりと確認しましょう。ここで気持ちを否定したり、過小評価しないようにしましょう。
・開放型会話
先ほども述べたとおり、患者を評価するような会話ではなく、開放型の自由にしゃべれるような会話を通じて経済的状況について話しましょう。
・個人の背景を理解する
患者特有の経済的状況を理解するのに時間をかけましょう。この理解が現実的で実用的な解決策を出すのに役立ちます。
経済的状況を考慮した実用的な方策
代替案の提示
筋骨格系の治療では、複数の治療法が存在します。
臨床的症状から「最適」なものが存在するかもしれないですが、身体の治癒能力は想定よりすごく、積極的な組織治癒が行える環境が提供できれば治ることも多いです。
「最適」というと、この治癒を促進し、副作用が少ない治療法と同義かもしれませんが、「準最適」な治療であってもよい結果を、より時間がかかり、想定より遅くても提供してくれるかもしれません。この点は経験と知識によりますが、柔軟な治療プランの策定が可能です。
可能であれば、より手の届きやすい治療法や選択肢を提供可能かもしれません。ここにはリハビリのレジメン、別のセラピー法(既製品vsカスタム)、あるいは治療の頻度の調整が含まれます。
柔軟な治療計画:ある程度の柔軟性を持った治療計画を組み立てる。
柔軟な治療計画により病態に関わらず、妥協せずに治療のケアへの影響を最小限にして経済的状況に応じた治療を提供可能になります。
例:
・例1
足病師が足底腱膜炎に対して、カスタム足装具($700)と新しいフットウエア($320)を提示しました。この選択肢を提示したあと、患者の経済的制約を認識し、患者と協働して別の選択肢を検討しました。その結果、より安い足装具(セミカスタム、既製品)とフットウエアを考えたり、支払い方法を再検討したり、フットウエアとしてストラップを使用したり、負荷の変更を考え最適な治療法を考えました。
・例2
理学療法士が手術後の患者に包括的なリハビリプログラムを提示しました。コストと仕事を休まなければいけない懸念点が生じた際に、予約の回数を調整し、自宅でのエクササイズかオンラインでの相談を代替として、必要なケアが受けられるようにしました。
治療の優先順位をつける
複数種類の治療が推奨されるときは、その重要性と緊急性に応じて優先順位をつけることを手伝えるかもしれません。この方法でコストを調整しながら、重要な治療ができるようになります。
技術と遠隔医療の活用
先ほどの例でも示した通り、臨床家は遠隔医療を活用した治療を行うことで、対面での訪問によるコストを削減し、推奨頻度を保つこともできます。

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