「一定時間歩いていると腰痛がある」
「治療してもまた歩くと痛みが出る」
「腰痛を失くすためにはどんな動きが必要なの?」
これは私が新人の頃にずっと悩んでいた内容です
あなたもこんな悩みを持ったことはありませんか?
腰痛というのは歩行とも大きく関わってくるものです
これは疼痛部位に対しての介入だけでは改善が難しい。
症状が戻ってしまいます。
症状を戻らない状態にするためには何をすれば良いのか?
一定時間の歩行で痛みが出るということは
原因は歩行にありますよね?
ということは
歩行動作を変える必要があります。
まぁこれは下肢疾患ではいつもお話していることではあるのですが
腰部疾患でも適応するのです。
これに気づくのに私は結構時間がかかりました
何度も何度も腰部にばかりアプローチを続けて
その場では動作時痛などはなくなるのですが
また1週間して歩行時に腰部痛が出るといわれる。
あなたにはこんな負のループは経験してほしくないです。
今回は
歩行時に伴う腰部痛について、その改善のための運動療法をお伝えしていきます。
腰痛疾患に対してのアプローチを増やしたい
間欠性跛行を改善させたい
歩行をより良い状態にしたい
そんな人は是非最後までお読みください!
歩行における大事な動作は?
おさらいになりますが 歩行における各関節の重要な動作は
足関節なら背屈
膝関節なら伸展
股関節なら伸展
になります。
その中でも 股関節伸展と言うのは 倒立振り子の観点からもなくてはならない動作であり
可動域が制限されていると 他の関節にメカニカルストレスを与えてしまう可能性があります。
倒立振り子に関しては 是非こちらの記事をチェックして欲しいのですが
簡単におさらいすると
接地した下肢が一本の棒となって逆さになった振り子のように動くことで
骨盤が立脚中期の段階で最も高い位置になり そこから前に倒れすように推進していく。
これ綺麗にできていると 最も負担が少なく効率のより歩行になります。
しかし、
股関節伸展の制限があると
この倒立振り子が成り立たず、
骨盤が高い位置に上りきらないため 横ブレのような代償を引き起こします。
その横ブレにより膝関節などに負担がかかり疼痛を引き起こします。
ここまで下肢に関してですが では腰部に関してはどう考えればいいのか?
立脚中期以降の伸展になります
真ん中の位置から前に推進するために 股関節を伸展して押し出してあげる必要があります
ですがその伸展の可動域が制限していれば どのように代償して前に推進するのか?
その一つの動作が 腰椎の伸展です。
要するに腰を反って前に出ようとしているのです。
本来必要のない腰椎の伸展を
歩行の1歩1歩で繰り返してしまうことで
腰椎および脊柱起立筋などの伸展筋に持続的な負荷がかかります。
この繰り返しが病的変化を引き起こして疼痛に変わり 歩行時の腰部痛という形で出てくるのです。
現場レベルでの経験としては 腰部脊柱管狭窄症の患者様に多くある傾向にあります
腰部脊柱管狭窄症にみられる現象は何がありましたでしょうか?
間欠性跛行
ですよね?
持続的な歩行で症状が出現し、休むと一旦症状が落ち着く という症状です。
これも歩行時に腰部の伸展が強くなることで脊柱管を狭窄してしまって出るものなので 持続的な歩行からくる腰部痛と同じようなケースになります。 (同じというかより症状が強く出るケースですね)
腰部脊柱管狭窄症の患者様の傾向として 股関節伸展制限は非常に多いです。 (むしろ股関節伸展制限がない人をあまりみないです)
もしご自身の院で腰部脊柱管狭窄症の患者さんが多い場合は 股関節伸展は間違いなくチェックしておいた方がいいですね!
股関節伸展の可動域を出すと 歩行時の腰部痛や間欠性跛行が軽減することをよく経験します。
もちろんそれだけが原因ではないですが 症状改善の一つの要因であることは間違いありません。
股関節伸展が制限される原因
多くは座り過ぎです!
多くの人は移動していない限り座っていることが多いですよね?
特にデスクワークでもそうですし、自宅にいても座っていることが多いでしょう。
座位が続くと、
座面に当たっている臀部や大腿後面(大臀筋、深層外旋筋群、ハムストリングスなど)が座圧により血流が悪くなり柔軟性が低下します。
柔軟性が低下すれば骨頭の動きも制限され股関節の伸展制限になります。
さらに座位というのは 股関節が屈曲の状態ですね。
屈筋群(腸腰筋、大腿直筋、内転筋など)の短縮状態が継続すれば
こちらも循環不良で柔軟性が低下し、伸展方向に伸びづらくなります。
股関節の伸展の可動域を改善させるには
前面の筋肉と後面の筋肉の両方の柔軟性、滑走性を出す必要があります。
ではどんな運動療法を行うのが良いのか? 現場で私が積極的に活用しているエクササイズをお伝えします
股関節伸展拡大のための運動療法
まずは伸展の制限の原因になりやすい臀部及び大腿後面の柔軟性と滑走性を出すことです。
ここは伸展制限だけでなく骨盤前傾の制限など静止立位姿勢にも影響するので 最優先で動かしていきましょう!
シンプルに股関節の伸展の動きでもあります。
座位姿勢は股関節屈曲位の継続なので、大腿直筋や腸腰筋の短縮にもなります。
そのため伸展の動きを出しつつ前面の筋肉を伸張させていくことは大事です。
このストレッチは腰椎の伸展の代償が出やすいため
腹部を少し屈曲させる(お腹をへこませるような感じ)状態で行うことで
代償が出にくくなります。
強く引きすぎず、代償が出ない範囲でストレッチすることがポイントです。
歩行の立脚中期以降は
股関節伸展で地面を押し出すことで前に推進力を得ます。
そのために下肢で地面を押し出す力を活性化させる必要があります。
ヒップリフトが一番やりやすいのですが、シングルレッグにより少しレベルを上げています。
難しければ両足で実施してから進めることをおすすめします。
股関節伸展拡大にインソールは効果ある?
結論から話すと
もちろん効果あります!
インソールでは 後足部を中心にアライメントを修正します。
足部を整えることで、
上行性運動連鎖によりその上の骨のアライメントも整います
骨アライメントが整えば、もちろん本来の関節運動が行いやすくなります。
筋肉の柔軟性や滑走性を改善させることは前提にあるので
先にストレッチを行うことで インソールの効果を最大限発揮することができます。
医療用矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは
後足部のアライメントを整えるのに非常に優れたインソールの1つです。
入れることで全体的に骨アライメントが整うため
下肢の可動域の拡大も見込めます。
私は入谷式足底板も使うため、
動きの誘導をするようなインソールも得意ですが
こういった可動域制限による代償で症状が出るケースは
優先的にアライメント修正のためのフォームソティックス・メディカルを利用します。
(そのほうが良い変化が出るケースが多かったからですね)
是非今回の運動療法と同じように積極的に活用してみてください!
歩行が良い状態が続けば、腰部痛も軽減し、
次の来院時にまた次のアプローチに進めることができます。
またフォームソティックス・メディカルを活用したことがない人は
是非こちらからチェックしてみてください!
▼フォームソティックス・メディカルとは?
日本最大規模となる1936名が認定され、
全国47都道府県704院で導入されている世界的なインソールです。(2023年10月現在)
足病学エビデンスに基づく世界的な矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは、
足病学先進国であるニュージーランド、オーストラリアでトップシェアであり、
矯正インソールの業界で唯一40以上の論文が発表されている、
エビデンスに基づく信頼性の高いインソールです。
フォームソティックス・メディカル取扱認定の詳細はこちらから