ある日、日本足病学協会の公式LINEにこんな質問が
「先生、この歩行の動画を見てください!」
患者さんの歩行動画が送られてくる。
「この動画の歩行を改善させるためにフォームソティックス・メディカルを入れたのですが、外側への崩れが改善しません」
「インソールは効果が少ないのでしょうか? 外側偏位してしまう原因と対策を教えて下さい!」
というような質問をいただきました。
最近は公式LINEに写真や動画を送って
その見かたであったり対策方法を教えてほしいという質問をたくさんいただきます。
(いつも質問してくださる皆様、ありがとうございます!)
足病学ブログは
日々臨床で患者様に向き合っている先生の助けに少しでもなればという想いから、
できるだけ現場での疑問を中心に記事を書いています。
是非公式LINEから臨床質問を送ってください!
そして今回の質問は多くの人からいただく質問の一つです。
せっかくフォームソティックス・メディカルを入れたのに
動きに変化がなかった確かに大丈夫かな?と思いますよね。
もちろん歩行速度の向上や崩れに対する支持性の向上など
インソールは歩行動作をコントロールするのに非常に優秀なアイテムです。
私ももちろん積極的に活用しています。
それは大前提です!
ですが、
外側偏位はあることを改善してあげないと、
インソールを入れても変化しない可能性があります。
今回は
歩行時の外側偏位の原因とその対策エクササイズについてお話します。
「インソール入れても症状が変わらない」
「外側偏位する理由を知りたい」
そんな人は最後までお読みください!
歩行で見なきゃいけないのは外側偏位などの横ブレ
そもそも歩行ではどんなところを確認しなければならないのか?
これはこのブログでも良くお話していることなのですが
◉knee-in
◉ラテラルスラスト
◉トレンデレンブルグ
◉デュシャンヌ
などいろいろ歩行における異常所見のワードはありますが、
これらは全て「横(前額面)の動き」ですよね?
つまり、
横にブレているのを見つけられれば良いのです。
もちろん細かく見ていけばそれ以上にたくさん要素はあるのですが、
まず探さなければいけないのは横ブレです。
この話しについては
「歩行分析の3つのポイント!」という記事でも紹介しているので
是非そちらもチェックしてみてください!
今回の歩行時の外側偏位というのも
横ブレとして現れています。
改めてご自身の患者さんの歩行をチェックしていただければわかると思いますが
大半の人は横ブレが起きています。
そして横ブレが起きているタイミングに痛みが生じています。
歩行というのは
まっすぐ前方に進むのが大事ですよね?
横に行く必要はありません。
なので、
いかに横ブレなどがなく前方にスムーズに進んでいるかが
歩行をチェックする上で重要なことなのです。
歩行で横ブレがあれば
その横ブレが起きている理由を評価し
◉徒手療法
◉運動療法
◉インソール
などを駆使して改善してあげる。
これが歩行時痛をなくすためのシンプルな考え方です。
(むしろ私はそれしか知らないです・・・)
ではなぜ横ブレが起きてしまうのか?
これを考えていきましょう!
歩行で外側偏位してしまう理由
歩行で外側偏位、横ブレが起きてしまう理由はたくさんあります。
足部の過回内、中殿筋の筋力低下などさまざまです。
もちろんその中には
フォームソティックス・メディカルを入れれば大幅に改善できるケースもあります。
フォームソティックス・メディカルは後足部のアライメントを整えることで
過回内などの崩れを抑えて前方へ重心移動を促してくれるインソール。
入れるだけで片脚立位が安定するなんてケースはたくさんあります。
(むしろ大半これだけで安定ができているケースが多い)
ですが、
そんなフォームソティックス・メディカルを入れてもまだ横ブレがある。
なぜか?
これはインソールの効果がないではありません!
足部からは十分支持性を高めてくれています。
しかし
インソールでは改善しにくい横ブレの原因があるのです。
それが今回の歩行動画で見えたケースとして
股関節の伸展制限
がありました。
私が横ブレ以外で見ている要素として
「股関節伸展時に出る臀部周囲のシワの有無」
があるのですが、
送っていただいた歩行動画ではそのシワがほとんどなく
伸展が十分に出ずに骨盤から横ブレしている感じでした。
歩行の立脚中期から後期にかけては
股関節伸展による蹴り出しで前方に推進していく必要があります。
その股関節伸展に制限があれば・・・
骨盤が外側偏位し、股関節は外旋するなどで代償をしてどうにか前に進もうとします。
これが横ブレとして歩行で現れるのです。
実際に
股関節伸展可動域の程度はどうなのか?
と確認したところ
5°あるかないかでした(参考可動域は15°です)
これでは歩行時に代償動作が出てしまいましね。
このあたりはどうしてもインソールだけでは修正が難しいことが多いので
徒手療法や運動療法で股関節伸展を出せるように促します。
結果として
股関節伸展の可動域を出したら
歩行時の外側偏位も減少しました。
こうして仮説検証を行って変化が出たことから
歩行時の横ブレの原因としては
股関節伸展の可動域は非常に重要である。
ということがわかりましたね。
もちろん
股関節伸展だけではないです。
股関節伸展の可動域を出した後に、
試しにフォームソティックス・メディカルを外して歩いてもらったら
足部側での崩れがあったので、
インソールはインソールで必要なのです。
横ブレが起きる要素を憶えておけば
慌てずに対処していくことが可能です。
今回股関節伸展可動域の促通を狙ったエクササイズとしては
こちらを行ってもらいました。
①立位の状態で可能な範囲で股関節伸展させる
②大腿は動かさずに膝関節屈曲をさせる
大腿前面のストレッチ且つ後面組織の滑走を促すエクササイズです。
大殿筋、ハムストリングスの収縮もでき、股関節伸展のモーターコントロールも促通ができます。
まずはご自身で試してみましょう!
歩行で外側偏位してしまうケースをみているなら
是非インソールでの足部アライメントの修正だけでなく
こういったエクササイズも用いながら、歩行に必要な要素を作っていきましょう。
▼フォームソティックス・メディカルとは?
日本最大規模となる1936名が認定され、
全国47都道府県704院で導入されている世界的なインソールです。(2023年10月現在)
足病学エビデンスに基づく世界的な矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは、
足病学先進国であるニュージーランド、オーストラリアでトップシェアであり、
矯正インソールの業界で唯一40以上の論文が発表されている、
エビデンスに基づく信頼性の高いインソールです。
フォームソティックス・メディカル取扱認定の詳細はこちらから