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合わない靴が引き起こす足趾の変形

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なぜ、足趾の変形を知る必要があるのか

あなたは、リハビリをする際に、患者さんの裸足は見ていますか?

これは足部疾患に限らずなんですが、特に高齢者の患者さんでは、意外に多くの人の足趾が変形しています。

私は、高齢者を対象にリハビリをすることが多かったので、結構な確率で遭遇してました。

そして、変形がない人でも、片脚立ちでバランスをとっているときや歩いているときに足趾が過剰に屈曲をしている人もたくさんいます。

本来、足趾は歩行の際などは伸展して蹴り出すために、屈曲はしていません。

もし、歩くたびに、足趾が曲がっていたらどうなるでしょうか?

ちょっと試しに足趾をギュッと曲げて歩いてみてください。

めちゃくちゃ歩きにくいですよね。

全然前に進めない感じがします。

この状態で、股関節や膝関節についてのリハビリをしても歩き方は変わりませんよね。

なので、患者さんの足趾の状態を把握することはすごく大事になります。

では、ここから足趾の変形が起こる原因やその対処法について解説していきます。

足趾の変形とは?

多くの場合、痛みを伴い、歩行機能や生活の質に大きな影響を与える、足指の形状や位置の異常です。
変形は、第2趾から第5趾に起こり、単独または複数で発生することがあります。

足趾の変形には、以下の3つの主要なタイプがあります:

  • マレットトウ(Mallet Toe): 足趾の先端関節(遠位指節間関節、DIP)が曲がる変形。
  • ハンマートウ(Hammer Toe): 足趾の中間関節(近位指節間関節、PIP)が曲がる変形。
  • クロウトウ(Claw Toe): 足趾が全体的に曲がり、爪のような形状になる変形。

解剖学的背景

人間の2-5足趾は通常、末節骨、中節骨、基節骨の3つの趾骨から構成されています。
(母趾は中節骨が存在しません)

各足趾には、長趾屈筋 (FDL) と短趾屈筋 (FDB) の2つの屈筋があります。FDLは末節骨の底面に、FDBは中節骨に付着します。

足趾には複雑な伸筋機構があり、長趾伸筋 (EDL)、短趾伸筋 (EBD)、骨間筋、虫様筋などが関与しています。

ここはわかりにくいのでイラストで確認してみましょう。

発生要因とリスクファクター

発生要因としては、以下のようなものがあります。

:きつい靴やハイヒールは、変形の発生と進行に関係しています。
神経筋疾患:筋肉のバランス異常は、足趾の変形を引き起こすことがあります。
糖尿病:神経障害や血管障害は、足部の変形リスクを高めます。
加齢:加齢に伴い、足部の組織が弱くなり、変形が起こりやすくなります。

症状と患者の訴え

痛み:最も一般的な症状であり、関節、足の裏、指先などに発生します。

胼胝:変形による摩擦や圧迫で、皮膚が厚くなります。

腫脹:関節の炎症によって、足趾が腫れることがあります。

靴を履くのが困難:変形によって、靴が窮屈に感じたり、痛みが出たりします。

歩行困難:痛みや変形のために、歩行が困難になることがあります。

見た目の問題:変形が気になるという訴えもあります。

治療

靴の変更:つま先の広い靴を履くことで、症状を軽減し、変形の進行を防ぐことができます。
パッド:圧迫部位を保護するために、足趾スリーブやパッドを使用します。
中足骨オフロードインソール:中足骨への負担を軽減します。
テーピング:足底板断裂に関連するMTPJの不安定性を軽減するために使用できます。

これらが一般的な介入方法で、こういった保存療法でも、疼痛が強く日常生活に支障が出る場合は手術療法が選択肢として出てきます。

しかし、最も大切なのは、変形を予防することです。

早いうちに、主な変形の原因である

・内在筋・外在筋のバランス不良
・合わないフットウェア

こちらを対策することが大切です。

例えば、加齢により足趾の筋力低下が起こるのですが、筋力と筋の断面積の関係を見たときに、相関関係があったのは、内在筋のみであったという報告があります。

つまり、内在筋は足趾の筋力低下と関係が強いので、意識的に鍛えたほうが良さそうですよね。

動画で、内在筋に対する代表的な4つのトレーニングを見ることができます。

ぜひ試してみてください!

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