外反母趾の患者さんが多くて
この痛みを改善させることが重要であることは理解してるけど、
そもそも外反母趾ってよくわからない。
そんなことはありませんか?
外反母趾って臨床現場でよく出くわすし、
その症状で悩んでいる人が多いのは事実。
でもその解剖学な特徴とかをしっかり理解できていますか?
「あ、いまいちよくわかってなかったかも」
そんなあなた!
心配しないでください。
今回は、
外反母趾の解剖学的特徴やその原因についてお話します。
足部疾患をより深めたい人や、まだ足部疾患に苦手意識がある人は
是非最後までお読みください。
外反母趾で悩む患者さんがいても、慌てずに対応することができるはずです。
そもそも外反母趾とは?
そもそもの話ではありますが、
外反母趾とはとのような状態のことを言うのでしょうか?
- 第1中足骨の内反
- 母趾MTP関節の突出
- 母趾基節骨の外転・回内変形
- 開張足
これらが4つ合わさった状態が外反母趾です。
HV角という母趾基節骨と第1中足骨のなす角度が20度を越えると外反母趾と言われます。
ここまではなんとなく状態としてはわかるかなと思いますが
その原因は様々です。
外反母趾の原因
外反母趾の原因は様々です。
- 足根中足関節(リスフラン関節ですね)の不安定性
- 内側縦アーチの低下
- 横アーチの低下
- 後足部の過回内
- 足底の支持性低下
- 下肢全体の支持性低下
というのが現場レベルで挙げられているものですが、
原因は明確にはなっていません。
少なくとも現場レベルで「このあたりはおさえておこう」というのが上記の内容です。
では実際に外反母趾の特徴とはどのようなものがあるのか?
外反母趾の解剖学的特徴
外反母趾の解剖学的変化ですが
実際にどんな変化が起きているのかを並べてみました。
- 母趾外転筋は足底側へ移動
- 長母趾伸筋腱と長母趾屈筋腱は外側へ移動
- 母趾の回内
- 種子骨の外側亜脱臼
このような解剖学的変化が起こります。
更に臨床的に状態を確認すると
- 距骨下関節回内
- ショパール関節外転
- 縦・横アーチの低下
- 母趾MTP関節支持性低下
- 母趾内転・外転筋の機能不全
が起こっています。
これは原因にも含まれていることですが、
外反母趾が起きているということは、
単に第1中足骨が内反してMTP関節が突出しているという変化ではありません。
後足部回内もここに入ってきます。
外反母趾という変化には後足部の回内が伴っているのです。
そして、
後足部の過回内やアーチ低下と大きく関係していますが、
現場レベルで重要かなと私が考えているのが
「下肢全体の支持性低下」です。
具体的には、
多裂筋、ハムストリングス、腓骨筋
の機能不全はアーチ低下や外反母趾に大きく関わる可能性があります。
なぜかというと
体幹の筋肉の中でもインナーユニットと呼ばれる身体を支えるために重要な筋肉として
腹直筋、腹横筋、骨盤底筋、多裂筋
がありますね。
不良姿勢から腹部の体幹の機能が低下して多裂筋の機能が低下します。
↓
多裂筋の機能が低下すると、繋がっているハムストリングスの機能が低下します。
↓
そしてハムストリングスの機能が低下すると、付着する腓骨筋の機能が低下します。
↓
腓骨筋の機能が低下すると腓骨の下制で距腿関節の動きが悪くなり、
足底から支えるクロスサポートメカニズムも機能しなくなってしまい、
更に支持性が低下してしまいます。
若干エビデンス的には薄いですが
実際に多裂筋の収縮後に
ハムストリングスの出力の向上、ハムストリングスの収縮後に腓骨筋の出力の向上は確認できます。
(気になったらやってみてくださいね)
体幹から機能不全が起こると、それを支える筋肉も機能しづらい状態になってきます。
それが足部にまで及んでくるのです。
外反母趾の患者さんを何人もみていますが、
下肢や体幹の機能不全が起きているケースはかなり多いです。
合わせてチェックをしてみてくださいね。
外反母趾の歩行の特徴
では実際外反母趾の人の歩行ってどうなっているんだろうか?
- ヒールコンタクト時の重心の内側偏位
- 足部全体の回内
- 足部が外転位
- ミッドスタンスの時に骨盤の側方変位がある(重心が頂点に上りきれていない)
- 蹴り出しがみられない
- 前足部のフォアフットロッカーが機能しないため動きのコントロールができない
ベチャッと潰れるような接地になり、蹴り出すこともできないので、
ペタペタした歩き方になります。
痛みが強い人は膝が伸び切らなかったり重心がかなり低い位置にあったります。
もちろんこれだけではないですが、外反母趾で来る患者さんの歩行の多くはこんな感じかなと現場では感じています。
ではこのような歩行をどうやって変えるか?
外反母趾の治療ポイント
エビデンス的には
母指外転筋・短母指外転筋の機能をしっかり出してあげることが有効です。
しかし、その前に足部全体のアライメントや動きを整えておく必要があります。
- 踵骨の直立化
- アーチを引き上げる
- 母趾の内転筋のリリース
- 母指外転筋と足底腱膜のリリース
- 第1中足骨の回外モビライゼーション
- 母趾外転筋のトレーニング
- 足趾全体の屈曲トレーニング
- 多裂筋トレーニング
- ハムストリングストレーニング
- 最後にインソールでサポート
というような感じで行います。
(順序はたまに変わります)
外反母趾の痛みに悩んでいる方でも、
「どのように動くものなのか」
「どこに機能不全があるのか」
解剖学的な特徴を理解して望むことでより自信をもって介入することができるはず。
これらを丁寧に行った上で、最後にインソールを入れれば非常に大きな効果を得ることができます。
その中でも、フォームソティックス・メディカルは
アライメントの矯正や足趾を使いやすい環境にする上では非常に優れたインソールのひとつです。
是非積極的に活用していってください。
外反母趾の治療であと一歩「良い状態長続きさせたい」「崩れないようにサポートしたい」という人は
是非フォームソティックス・メディカル活用してみてはいかがでしょうか?
フォームソティックス・メディカルの取扱について
さまざまなインソールを今現在も提供している理学療法士として、あなたに自信をもってオススメできる世界的な医療用矯正インソール【フォームソティックス・メディカル】は、こちらで取扱が可能になります。ぜひ詳細を見てみてください。