今回は遠位脛腓関節について解説します。
遠位脛腓関節は脛骨と腓骨からなる関節です。この関節は関節自体が大きく動くわけではなく、距骨の動きに伴って腓骨が動くことで脛腓関節の動きが生じます。
動き自体は非常にわずかですが、そのわずかな動きが重要な役割を果たします。ポイントは距腿関節の背屈と底屈です。背屈に伴って脛腓関節は広がり、底屈に伴って閉じるという特性があります。
その理由は距骨滑車の形状にあります。距骨滑車は前方が広く、後方が狭い構造をしています。背屈すると前方の広い部分が関節内に入り込むため、脛腓関節が自然と広がる方向に力が加わります。一方、底屈すると距骨の狭い部分が関節内に収まり、やや不安定な状態になります。
また、骨間膜から出ている筋肉として、後脛骨筋や長母趾屈筋といった底屈筋があります。これらの筋肉が底屈時に脛腓関節を縮める方向に作用するため、関節の安定性にも関与しています。

さらに、背屈・底屈の動きに伴い、腓骨の回旋も加わります。一般的には、背屈時に腓骨が外旋し、底屈時に内旋するとされています。しかし、研究論文によると個人差が大きく、背屈時に内旋する人や底屈時に外旋する人も一定数存在することが報告されています。そのため、個々の動きを評価することが重要になります。
遠位脛腓関節を安定化させる靭帯として、前脛腓靭帯と後脛腓靭帯があります。これらの靭帯は、足部の回旋を伴う外傷によって損傷を受けるリスクがあります。そのため、受傷機転を考慮した評価が必要になります。
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