「インソールって、使うことで痛みが減るケースはたくさんあるけど、細かくどこが変わることで痛みが減るのかよくわからない」
「足部の状態とそれに対するインソールの捉え方がよくわからない」
インソールに興味はあるけど、
実際にイメージしきれない先生からこんな質問をいただくことがあります。
おっしゃるとおりです!
インソールを入れれば大丈夫!ではなく
インソールを入れることで何がどう変わったのか?
足部のそれぞれの状態に対してどんな効果があるのか?
というのはすぐにはイメージが難しいかと思います。
これはすべてのインソールで同じように言えるかなと思います。
私もそうでした。
インソール入れると確かに痛みが減るという事実はあるけど
実際になにがどう変わって痛みが減っているのかがよくわからない。
現象に対して理由やメカニズムがわからないと
再現性を出せないから取り扱いにくい
インソールに興味が湧いてきた頃のわたしはそんな感じでした。
歩行時の膝痛に対してインソールを入れることで
なにがどう変わったのか?
というところをしっかり理解できるようになれば
もっと自信を持って「インソールは使えるな!」と思えるはずです。
これからインソール使ってみたいなと思う先生や
インソール使ってるけど、まだ処方に自信がないという先生にも
今回の内容はお役に立てると思います。
膝痛に限定した話になりますが
今回は
歩行時の膝痛に対するインソールの考え方
についてお伝えしていきます。
インソールを使う’なぜなんで?’について 少し理解できると思いますので
ぜひ最後までお読みください!
踵骨の直立とインソール
安定した基底面を形成するには
3点での支持が必要になるのは原理原則として存在します。
(足底全体でも3点支持とか言いますからね)
踵骨を直立化させるという視点でも同じことが言えます。
踵骨隆起
載距突起
踵立方関節近位
踵骨を直立化させて支持させるなら
この3点がポイントになってきます!
この3点にパットを貼ってみて、直立化の効果があるのかというのを検証しています。
表としてはこちらです
↓
合計8パターンあるのですが
変形性膝関節症に多いのは、①、②、③、⑤の順で多いということがわかりました。
踵骨の崩れが多いということがわかりますね!
踵骨が安定するかの評価に関しては
視覚的な確認に加え、股関節周囲や腓腹筋の出力でチェックすると良いでしょう。
もちろんFoot Posture Indexで見てもGOODです。
踵骨が安定することで
立脚初期から中期にかけての落ち込みが減少し、膝関節の伸展が得られやすいです。
こちらはパットで検証していますが
フォームソティックス・メディカルであれば
そもそもヒールカップが深くこの3点全てを支持できるため
自然と踵骨を直立化させることができます。
(私がフォームソティックス・メディカルで最も良いと思っているところです)
下腿回旋・傾斜とインソール
荷重時に脛骨が回旋すると側方傾斜がカップリングモーションとして同時に起こりますね。
多くの変形性膝関節症の人は脛骨外旋と外側傾斜をしています。
このとき、距骨が極端に内側に落ち込んているケースが多いです。
こちらもFoot Posture Indexの項目にもありますよね?
もちろん距骨が内側に落ち込んでいれば
背屈時の後方への滑走もできなくなるため、背屈可動域が制限され
中期から後期にかけての動きに代償動作が出ますね。
脛骨外旋もこのときに更に増悪してしまいます。
内側に落ち込む距骨を足底から戻すようにパットを入れることで
下腿外旋動作に伴う外方傾斜も減少します。
こちらもフォームソティックス・メディカルの矯正力で補うことができますね。
パッドで細かく調整することはできますが、
全体的に内側への崩れを抑えることができるインソールは多くありません。
前足部の剛性とインソール
変形性膝関節症の患者さんは
床面に対して足圧中心位置を外側に移動させることで
内転モーメントを減少させるために回内傾向が強まります。
回内足は運動連鎖により下腿内旋を伴います。
ですが、
足部からの運動連鎖と実際の膝関節アライメントには
理論上の矛盾が生じていることがあります。
変形性膝関節症の膝をよく観察すると
生理的な脛骨外捻が減少し、足部の運動連鎖が破綻しています。
また、アーチの低下、内在筋の萎縮がみられ前足部の剛性が低下しています。
前足部の剛性に大きく関わるのが横アーチですが
中足骨レベルの横アーチのみが低下しているケースは少なく
楔状骨レベルから低下していることがほとんどです。
中足骨レベルの横アーチを形成するには
楔状骨レベルの剛性が保たれている必要があり 足部の剛性を高める起点となります。
こちらも楔状骨レベルでパットを入れることで整えることができますが
こちらは正しいポジションに貼付するのが難しいので
フォームソティックス・メディカルのような足底全体が崩れないようにできていると
わざわざ貼付する必要がなくなるのでとても便利です。
内側縦アーチとインソール
内側縦アーチは
載距突起部
舟状骨部
中足骨部
に分けることができます。
内側縦アーチの大きな役割は
支持力と推進力です。
内側縦アーチをしっかり持ち上げるために
10mm以上高くしているケースを見かけますが
高くなりすぎた内側縦アーチは歩行時の推進力を阻害してしまいます。
前部内側縦アーチ
中部内側縦アーチ
後部内側縦アーチ
どこを修正してあげるかを評価検証をしていく必要がありますね。
フォームソティックス・メディカルは
内側縦アーチを極端に持ち上げているわけではなく
中間位に誘導してくれています。
それだけで多くのケースは改善してきますが
もしまだ足りない場合は、
カスタムパーツであったり、テープ、パッドで修正していくと
よりスムーズな歩行となります。
私がインソールの土台をフォームソティックス・メディカルにして
微調整をキネシオテープやポロンシートで行っているのは
まずはフォームソティックス・メディカルが中間位まで誘導してくれるからです。
なにごとも一旦極端にやるのではなく
まずはフラットにしてあげてから微調整するのが良いですね!
変形性膝関節症の足部というのは
◉踵骨
◉下腿
◉前足部
◉内側縦アーチ
この4つの機能が破綻していることが多いです。
そしてそれぞれ個別に調整することはもちろん可能ですし
パッドなどを用いて細かく動きを変えていくこともできます。
ですが
フォームソティックス・メディカルを使うことで
崩れている4つの要素をまず中間位に誘導してくれます。
これだけでも症状の変化はかなり出てきます。
そこから よりパッドで微調整するのか、
徒手療法や運動療法でコントロールできるようにするのか
というのはセラピスト次第です。
まずは崩れたものを中間位に戻してあげる
そういった視点でこのフォームソティックス・メディカルを活用してみてはどうでしょうか?
特に変形性膝関節症の患者さんは崩れている要素が多いので
非常に役に立ちますよ!
まだフォームソティックス・メディカルを活用したことがない方は是非チェックしてみてください!
▼フォームソティックス・メディカルとは?
日本最大規模となる1936名が認定され、
全国47都道府県704院で導入されている世界的なインソールです。(2023年10月現在)
足病学エビデンスに基づく世界的な矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルは、
足病学先進国であるニュージーランド、オーストラリアでトップシェアであり、
矯正インソールの業界で唯一40以上の論文が発表されている、
エビデンスに基づく信頼性の高いインソールです。
フォームソティックス・メディカル取扱認定の詳細はこちらから