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足関節の本質(それぞれの骨の役割)

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「足部の苦手意識がどうしても抜けない」

「足部のどこをみればいいのかよくわからない」

「足部の治療をもっとレベル上げたい」

下肢の勉強を始めていくと
多くのセラピストは上記のような悩みが出てきます。

私もそうでした。

膝関節についてはなんとなくわかってきたけど
足部になると全然わからなくなる・・・

最初の3年くらいまではずっと苦手意識がありました (長すぎですね・・・)

細かすぎるんですよねぇ

どこから評価していけば良いのかわからない・・・

じゃあそんな私がなぜ今、歩行分析からインソールを年間200足以上処方できているのか?

難しくありません!

足部に関しておさえるべきところを学んでから
「あ、なるほどね」
という感じに評価もスムーズになってきました。

足部は確かに細かいです。

しかし、
それぞれがどんな役割を持っているのかを
明確にしておけばパニックにはなりません。

今回は

足部の本質について

をお伝えしていきます。

足部がまだ苦手意識がある
もっと足部の治療をしていきたい
なんなら足部全然勉強できていなかった

そんな方には今回の内容はお役に立つかと思います。

是非最後までお読みください!

目次

足関節の本質って?

足関節の本質ってなに?

足関節ってなんだろう?

勉強を始めるとこんな疑問が出てきます。

どんな関節でどんなことが得意で
なぜこの関節が必要なのか?
人間になぜ足関節があるのか?

いやいやそこから考えんでも!
と思うかもしれませんが、

ここから考えてみるとわかることは多いのです!

足関節とは非常に高度な関節なのです。
人間の骨の1/4が存在します。

ペンフィールドの脳の運動野や感覚野を見ても一目瞭然。

なぜこれだけ足部の領域が広いのか・・・

これは人が足部を使う必要があったからです。

木を登ったり
不整地を歩いたり
大きな力を出したり

人間の発達する段階で大変重要になってきた関節です。

しかし
現代の日本では足部の機能低下が問題になっています。

道が整い
ヒールを履いたり
靴下を履いたり・・・

「足」を使う環境が減り、道具や環境が整いすぎたのです。

今現在多くの人が、扁平足や外反母趾などの足の問題で悩んでいます。

足を触るだけである程度その人の立ち方や動作がわかります。
そしてインソールやテーピングを少し入れるだけで身体全体が変わります。

これは高度な感覚入力と唯一地面に接している「足」だからこそ
物理的な変化が起きるのです。

また多くの骨と筋肉によって可動域の自由度が非常に高いです。
だからこそ様々な環境に対応出来るのが足関節の役目でもあります。

つまりこの特徴から外れた関節になると問題が起こるということです。

固くなって可動域が低下し、 足部からの感覚入力が減って
一定のパターンに固定した足部形状になると障害が発生します。

これが本質です!

これで

なんで足部からアプローチをしていくのか
なんで足部の評価が重要なのか

ということが理解できると思います。

では実際になにからやればいいのか?

触診の重要性

やはりまず考えなければならないのが触診ですね!

骨の動きの確認は基礎的ですが非常に大切です。

・中足骨(第1は特に)
・内側楔状骨(舟状骨との関係性は)
・舟状骨(内側アーチのトップ)
・立方骨(挙上?下制?)
・踵骨(回内・回外どちらが優位)

これらの骨を触り、動きを確かめ、圧痛を確認することで多くの情報が得られます。

つまり足関節は 「触診できるかどうか」 が非常に重要になってくるのです。

足根骨は全て触れるように練習しておきましょう。
骨が触り分けられれば評価も治療もどちらの精度もグッと上がります。

書籍としてはこの本をオススメします。 いろんな触診の書籍を読み漁りましたが、これが個人的なベストです!

骨格筋の形と触察法www.amazon.co.jp

ではそれぞれの骨の動きや役割に関しても触れていきましょう!

足部の骨の役割(最低限憶えておくこと!)

<踵骨(距骨下関節)>

踵骨の動きは非常に重要です。

歩行時は特にイニシャルコンタクトで70%の圧が加わります。
つまりこの踵骨の動きが回内・回外に制限があるということは、
その後の歩行の舵取りを決めることになります。

まずはこの踵骨の動きをニュートラルにすることが重要です。

評価としては腹臥位か背臥位かで踵骨の動きを確認します。
どちらに動きにくいかどうか?
加えて立位での評価も大切。

レッグヒールアライメントやFPIで確認してもGOODですね!

<舟状骨と内側楔状骨>

内側縦アーチのトップには舟状骨が来ます。

舟状骨が内側楔状骨よりも落ち込んでいる場合はアーチの破綻を示唆します。

舟状骨を支えてアーチを形成している筋肉は
「前脛骨筋、後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋」です。
特に後脛骨筋の影響が大きいと言われています。

後脛骨筋に関しては
後脛骨筋機能不全(Posterior tibial tendon dysfunction)が思い浮かびますが

後脛骨筋腱が機能しなくなりショパール関節をロックできなくなると
足部の剛性が弱い状態になります。
この状態が長期にわたると、
足底や三角靭帯を含む足関節内側の靭帯機能が次第に破綻し
筋収縮が変形増悪因子となって扁平足を促進させてしまいます。

しかし舟状骨や内側楔状骨が落ち込んでいるからといって
アーチだけを挙げると痛みを生じます。

これはそもそも舟状骨と内側楔状骨が骨の垂直圧に弱いからです!

大切なのは土台になる踵骨を直立化させることです。

つまり

1踵骨の直立化
2舟状骨、内側楔状骨のアライメント修正

の順で行うことが大切になるのです。

<立方骨と左右動揺>

立方骨は左右の動きに影響を与えます。
運動連鎖は図にある通りに起こります。

歩行では立脚初期に着目しましょう。

・立方骨挙上→荷重が乗り切らない

・立方骨下制→外側に荷重が乗り過ぎてしまう

もちろん踵立方関節の関係性もあるので、踵の評価も大切。

踵骨の回内・回外が立方骨の挙上や下制に影響を与えるからです。

踵骨の回外→立方骨の下制に連鎖 踵骨の回内→立方骨の挙上に連鎖

臨床上、多くの場合立方骨が下制して問題になるケースです。
→これは腓骨筋の機能不全により腓骨を外果から支えることができなくなり
 その結果下制してしまうことも原因として考えられます。

<1列と歩行の評価>

第1中足骨の動きは歩行に非常に影響を与えます。

運動の連鎖は上の図の通り。

しかし既存の評価方法だけでは主観が強いため幾つかの評価を複合するとより正確になります。

・1列の他動的な動きの確認(1列の背屈・底屈)
・長母趾屈筋、伸筋の短縮評価
・足底腱膜の短縮評価
・母趾の筋力評価(屈曲・伸展)

これらの単独の評価と歩行や運動連鎖、ベンチの位置を確認して総合的に判断してみましょう!

足部は3次元で考えよう!

足部の運動連鎖は、上行性運動連鎖や下行性運動連鎖よりも少し細かいです。

全て距骨下関節をスタートとして考え
そこからどのような動きが抹消にあるのかを理解しておきましょう。

ちなみに
この図は私はすぐ見れるところにカンペとしておいてありました。

3次元で考えるにはすごくややこしいので
パニックにならないように図にしてあります。

これを参考にすれば概ね間違いはないです。

足部の治療戦略の順番

足部はもちろん
どの骨も重要な役割をもっていますが

歩行から考えると、立脚初期から後期にかけての流れとしては
踵をはじめとして、足趾で終わるため

まずは踵骨から評価、治療をしていくことが重要です。

厄介なのが

後足部の偏位は後足部だけでなく
そのまま中足部、前足部にも影響するということ。

後足部が重要であるということがわかりますね。

医療用矯正インソールであるフォームソティックス・メディカルが
後足部のアライメント(特に過回内抑制)の改善を強みとしているのは
後足部が足部の治療戦略として最優先事項にあるからというのも理由の一つです。

治療戦略の一番最初にくる踵骨、距骨のアライメントを整えれば
その後の治療が非常にスムーズになります。

そういった視点でもインソールというのは
積極的に活用していきたい武器の一つですね!

ですが!!!
まずは触診です!

徒手療法、運動療法、インソールの前に
一つ一つ足部を触れることができないと話は始まりません!

私も流石にこれだけは頑張りました。

セラピストとして患者さんの信頼を得て、最速で改善させてあげるためには
触診は欠かすことができません。

時間があるときに積極的に練習していきましょう!

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