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膝の不安定性どうにかならない?

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「歩いていると膝がぐらつく」

「踏み込んだ時に膝がやや痛い」

「綺麗に歩けない」

患者さんからこのような相談を受けたことはありませんか?

膝関節周りの悩みで来られる患者さんは整形外科には特に多いですが

上記のような悩みを聞くことが本当に多いです。
(むしろこの3つがほとんど)

変形性膝関節症や半月板損傷、腸脛靭帯炎で悩んでいる患者さんは
膝の不安定性から症状をきたしているケースが多いということですね

この不安定はどこからきているものなのか?

筋力を強化すれば改善できるものなのか?

これがわからないとどのように介入していったら良いかわからないですよね?

私も最初はそうでした・・・

起きている現症に対して

ただ可動域出してみよう
ただ筋力を上げてみよう

では全然変化しません。

不安定性というのはどういうところから来ているのかを理解していないと
どんなアプローチを行っても十分な効果を得ることができません。
(新人の頃の私は全然わかってませんでした・・・)

今回は

そんな膝関節の不安定性について
その原因と改善方法の例をお伝えしていきます!

膝関節疾患の治療でもっと良い治療結果をより素早く出せるようになりたい人は
今回の内容はお役に立つかと思います。

是非最後までお読みください!

目次

膝関節の安定化と靭帯について

膝蓋骨の安定性は、

内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)

内側膝蓋半月帯(MPML)

内側膝蓋骨靭帯(MPTL)

から構成され

内側膝蓋支帯によって部分的に保証される。

これらの靭帯は、内側類、半月板、骨から起始し、膝蓋骨内側縁に付着します。

屍体9体を用いた、膝屈曲時の膝蓋骨トラッキングに対する各靭帯の貢献を解析する研究では、
膝完全屈曲位では、内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)が膝蓋骨の偏位や傾斜、回旋に対する主要安定化組織であり、
60~75%の安定性を担っていた。
しかしながら、
90度屈曲位では、内側膝蓋半月靭帯(MPML)、内側膝蓋脛骨靭帯(MPTL)が傾斜および回旋の主要な安定化組織であり、
MPFLは偏位に対する50%の安定性のみを示した。

また、

内側広筋の斜走線維(VMO)の貢献度はとても限られていた
(屍体標本であった為、生体の場合は異なる可能性も高い)

脛骨大腿関節の安定性は

前十字靭帯

後十字靭帯

側副靭帯

で構成され

特に前十字靭帯と後十字靭帯は互いに交差することで脛骨の回旋運動を制御している

膝関節の安定のためには

上記の靭帯が非常に重要であるため
そもそも筋力でどうのこうのするものではないのです。

それぞれの靭帯が機能するようなアライメントを保てていれば
膝は安定します。

しかし、これが下腿が外旋していたりなど偏位が起きていると
正しく機能しなくなり、不安定性が生まれてしまうのです。

運動連鎖と荷重応答期

特に不安定性が出やすいタイミングが
歩行周期の踵が接地されるタイミングであるイニシャルコンタクト

下腿外旋症候群などにより、
歩行周期の最初の段階であるイニシャルコンタクトからの

踵骨回内-下腿内旋

の一連の連鎖が阻害をされると、 下腿内旋によって高まるACL及びPCLの緊張が高まらない為、
大腿四頭筋や腸靭帯及び鵞足筋などの筋の緊張によって努力的に安定性を高めるようになります。

踏み込んだ瞬間や着地した瞬間に膝を痛めるケースはこういうところから起こります。

このことから

下腿外旋に関しては特に気にしておく必要がありますね

そう!

膝関節の不安定性というのは

下腿外旋の要素が非常に大きいのです。
(現場レベルだと下腿外旋しているケースが本当に多いです)

下腿外旋とは

脛骨が外方偏位し、
外旋位になっている状態

→座り方や関節弛緩性などの問題により引き起こされる。

腸脛靭帯や大腿二頭筋をはじめとする外側の筋の緊張増加により、
膝蓋骨の外方偏位、腸靭帯炎や膝関節の痛みを引き起こしやすい。

歩行のローディングレスポンスにおいて、
十字靭帯による安定が得られず (下腿内旋で靭帯がクロスすることで緊張)

筋による代償を起こし、四頭筋などをはじめとする大腿前面の筋肉が過剰に発達

下腿外旋のチェックポイントは

  • 片脚立位でニーアップ&ニーカールした際に、遊脚のつま先が外を向くか?
  • 大腿骨内側上顆と外側上顆をとり、脛骨の内側顆と外側顆を比較 →大腿骨に対して脛骨の外方偏位があるか?
  • 脛骨の内側、外側と内果&外果をチェック→何度の捻じれがあるか? 20~25度以上あれば、脛骨の外捻
  • 膝屈曲位において、下の内旋可動域は20度以上あるか?
  • カーフレイズをした時に、つま先を正面に向けた状態では小趾球に荷重するが、45度つま先を開いたポジションでは、母趾球に荷重する
  • シングルレッグスクワットを行った際に、膝屈曲20~30度未満でのニーインが大きい

下腿外旋は下肢疾患をみる場合は必ずチェックをしておきましょう。

特に不安定性がある人に関しては高い確率で外旋しています。

その外旋に伴い
スクリューホームムーブメントもおかしくなっていることがありますね!

スクリューホームムーブメントとは

膝関節の動きに伴う下腿の動きのことを指しますが
基本的には屈曲時に内旋、伸展時に外旋という動きが通常です。

しかしそうではないケースがあります。

関節可動域のチェックをしていると、

屈曲時に内旋しない、むしろやや外旋に向かったり、
伸展時に外旋しない
というスクリューホームムーブメントの逆転現象が起きていることがあります。

これをリバースのスクリューホームムーブメントといいます。

リバースのスクリューホームムーブメントは不安定性が強い

リバースのスクリューホームムーブメントになるとどういう問題があるのか?

  • 関節可動域に制限
  • 前十字靭帯、外側側副靭帯が緩む(ピンと張って緊張するタイミングがなくなる)
  • 靭帯が緩むことで脛骨大腿関節が不安定になる
  • 脛骨の前方偏位が強くなる(さらに膝伸展制限に繋がる)
  • 内側広筋が働きづらくなり、支持性が低下する
  • 腸脛靭帯、半月板にストレスが掛かりやすくなる

これはやっかいですよね・・・

関節の正しい場所から外れ、靭帯での制動ができなくなり不安定性が増します。

OKCで膝屈曲して痛みがある人は

特にこのリバースのスクリューホームムーブメントになっている可能性が高いです。
(逆にリバースを改善してあげることで痛みがなくなることが多い)

リバーススクリューホームムーブメントになる原因としては

  • 骨盤の後傾が強いことによる下行性運動連鎖の影響
  • 歩行時の骨盤の横ブレからの強いknee-inの影響
  • 内側縦アーチ低下による内側荷重と足部外転による蹴り出しの継続の影響

などがありますね。

では下腿外旋はどのように改善すればいいのか?

下腿外旋改善の流れ

①徒手での外側リリース

②ロッキングバックでの下腿内旋誘導

③OKC膝屈曲(徒手誘導もいれる)

④シングルレッグヒップリフト

⑤ハーフニーランジ

基本的にはまず滑走性が出ていない外側組織の徒手的な改善ですね

まずは可動性が出ていないなら、可動性が出せるだけの環境を徒手的に引き出すことが大事になります。

そこからCKCとOKCで下腿内旋誘導しながら膝関節の屈曲を行っていきます。

モーターコントロール的にも自身だけで動かすのは最初は非常に難しいので

セラピストが徒手的に誘導してあげることで運動学習もしやすくなりますね。

そしてシングルレッグやハーフニーで出力を出せるように促していく

ここまで来るとリバースのスクリューホームムーブメントからは離脱できます。

インソールは効果があるのか?

そしてここは気になりますよね?

インソールも動きを促す環境づくりの一つですね

膝の不安定性をダイレクトに抑制するものではありませんが
下腿外旋やリバースのスクリューホームムーブメントの原因の一つには内側縦アーチの低下もありますので
インソールによって下腿外旋がしにくい環境を作ることで、結果として膝関節が不安定になる要素を減らすことはできます。

なので最終的にはインソールで戻りにくい(下腿外旋しにくい)環境を作ってあげることは非常に重要です。

そのうえでフォームソティックス・メディカル
アライメントを矯正してくれるインソールとして非常に有効なインソールのひとつなので、

徒手とエクササイズで動きを促した後には積極的に活用していくといいでしょう。

まとめですが

膝の不安定性がある患者さんは

●下腿外旋している可能性が高い

●下腿外旋はスクリューホームムーブメントも逆になる可能性がある

●骨の変形ではないので徒手誘導とエクササイズで修正することができる

●最終的にインソールで外旋しにくい環境を作ってあげる

少し抽象度は高いですが、大まかにこの流れを忘れずにいれば、

膝疾患で悩んでいる患者さんをより素早く良い状態にすることができると思います。

是非試してみてください!

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